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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
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新たな団員を確保したい!

 今日から数日の間は、少しイベントが盛り沢山なうちのギルド。と言うのも、リズさん曰く私達のイベントでの活躍を見て、更にはその一団がギルドを新設したなんて聞いて、今この国リネルティスは沢山のプレイヤーでごった返しているらしい。

 なんだけど……


「新しい団員ってとる意味あるのか?」


 これがうちのギルマスの本音であった。

 確かに、私達は少数精鋭というのをまさに地でいくような集団だけど、それでも多少は居てもいいのではと思っていたりもする。


「でも一緒に楽しむ仲間は居てもいいんじゃないの?」

「それなんだが、俺の他にもここに入りたいって言う鉱夫仲間が居るんだよ」

「ギデはそれでいいけどさ、僕なんかこのギルドに入れて貰えるように紹介してくれって、今まで相手にもされなかった連中から絡まれてばっかだよ本当に」


 実際にこのギルドは、周りから見れば今の最前線を駆け足で走ってるような感じになるんだろうし。そんなギルド戦闘職でなくても入りたがるはずだよ、主に物珍しい素材目当てではあるだろうけど。


「………」

「なら地下の闘技場使えば?」

「まさかプレイヤー同士でやりあえと?」


 多分やらせたい事は大体あってるんだろうけど、少し言いたいこととは違っているのか、少し残念な顔をトムヤムクンに見せながら首を振る氷菓。

 本人が言いたいのは、プレイヤー同士での争いはそうだけど、それ以外にもただ強いのではなく、誰かと協力し合う協調性だったり、生産職達ならそれとは別にそれぞれがそれぞれの監督となって評価するなりして、適任な人材を絞り出せばいいという訳だった。


「これなら変なのは入らないし、心配なら暫くは研修期間にすれば良い」

「まぁ、途中から入れられて従わせるよりは妥当だろう」

「だけど流石に全員は一気に受けられないわよね?」


 それもそうだ、この土地はそこいらに建ち並ぶ貴族の屋敷なんかよりも余っ程大きい訳だけど、それにしたって限度はある。

 一度で全プレイヤーの参加は難しい事を踏まえて考えていく必要が出てくるが、それには氷菓が担当してくれるとの事だった。

 こう言ったことにはとことん興味の無さそうな氷菓に質問すると、案の定善意からの提案ではなく、この前のイベントのヒントから新しくこの世界の魔法を学び直したから試したいらしい。

 そしてその説明を聞いて呆れる私達。


「という訳」

「なるほどな……つまりは受かりたいが為に何度も来続けるアホを無力化するわけな」


 氷菓の言う魔法は、魔法陣を自分で一から構成し型どっていく物で、今回の場合は、今ラムネが言ったように、入りたいが為に何度も新しく受けに来る人達に交じって入ろうとする者を識別して拘束、おかえり願うという感じだ。

 因みにそんな事が出来るだけの人数が居ないうちのギルドだ、当然それは私がやる事になった。


「はぁ、嫌な役回りをさせますね」

「まぁまぁ、そこは適材適所ってことで」

「貴方のせいですけどね」

「それを言われると耳が痛い」


 そんな事を言いつつも、氷菓が悪びれた様子を微塵も見せないのは、長い付き合いだから別に気にしないけどね。


「それなら一回あたりの人数はどんなもんにするか、それとそこからどれだけの奴を新しく加えるのかだ」


 こうしてあれはこれはと意見を出し合っていく中で、幾つか問題も出て来て、その中でも特に問題になってくるのは生産職側じゃないかと話は進んでいく。

 さっき言ったように戦闘職の評価点なんて、どこのギルドに聞いても似た者だと思う。

 ただ強さだけを求めるギルドなら、元々そういったプレイヤーだけ集めてればいい、だけど中にはこの世界を楽しみたいと思うのもいる。

 私達のギルドが欲しいのはそういったプレイヤー達だ。


「まぁ初めだしな……」

「地下の闘技場を考えるなら、一度に30人位一気に入れてみたらどう?」

「それでがどれくらいかかるかは分からないし、それなら今回は午前と午後の二回に分けるか?」

「今のところそれに決定かな?」


 という事で、今回私達のギルドが主催で開くミニイベントは、戦闘職、その他生産職で分けることに。

 戦闘職は、午前と午後の二回、一度に30人の規模で行う。

 当日はソロでの参加になる。

 生産職は、私達のギルドで見ることのできるスキルで10人二組の募集を午前中に、午後はそれ以外の生産職達を午前と同じ10人二組で募集、こっちの人数に余裕があれば午前中に募集した職業もまた募集はする。

 開催日は今週の土曜日、集まり具合と結果によっては日曜にも続けて行う予定。


 というのが当日についての予定で、当日の運営に関してはリズさんを頼る事にした。

 当の本人は、この話については快く引き受けてくれた。

 ただで請け負ってもらうのも申し訳ないのでこっちで何か出来ないかも聞いてみたけど、リズさんとそのギルドの人達的には寧ろこっちからお願いしたいくらいと言われた。

 どうやら向こうにとっても利のある話らしくて、開催の日を伝えたら大急ぎで用意するってフレンドチャットからの応答がなくなった。


「それじゃあ当日に向けて準備なんだが……リズさん達に運営を任せるから、俺らは対してやる事がないからなぁ」

「まぁ氷菓以外は特にやる事はないだろうしねぇ」


 確かに今回の場合は、運営を任せるから私達に仕事はない、だけどあっても何ってなるわけだし、ここは大人しく当日を待つかね。

 私はやりたい事もあるし、皆も今まで通り取り敢えずは好きなように行動してて構わないことらしい。


 さて、先ずは環境の整備に向けて、まず用意するべきは良質な土、植物を成長させるにしても先ずは基礎となる土台、島そのものから変えて行かないと、取り敢えず私は、国外にまで向かわせている分身隊の報告を待ってみることにした。

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