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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
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頼れるウェイトレス

 全員で他国について調べる事になったけど、こんな時に行くところって言ったらだいたい決まってる。

 という訳で私は、こんな時に何度かお世話になったルイーザさんの働く喫茶店に足を運んだ。


 お店は相変わらず繁盛しているみたいで、感覚は相手も、お客さんは途切れない様子。

 一応ルイーザさんはすぐに見つけたんだけど、まだ忙しそうにしてるから、注文の時にでも話して見ようかな。


 その後注文するためにウェイトレスを呼ぶと、タイミング良くルイーザさんが来てくれた。


「ライムちゃんいらっしゃい、今日はどうしたの?」

「ルイーザさんに聞きたい事があって、あとサンドイッチお願いします」

「はーい、もう少しで休憩だから待ってて」


 そう言われたので暫く待っていることに、その間に来たサンドイッチは美味しく頂きました。

 ここのサンドイッチはゲームとは思えないくらい、もしかしたらそれ以上に美味しいからね。

 現実でもあるハムやレタス、その他の凄い濃厚なチーズと、それからここのオリジナルらしい少しピリッとするドレッシングだと思う物をモッチりふわふわのフランスパンに挟んだサンドイッチ、しかもこのパン竈で焼いたのか少し焦げ目が有るのも確り作られてる証拠です。

 暫くパンの素晴らしさを頭の中で語りながら待っていると、いつの間にかルイーザさんが目の前に座っていた。


「美味しそうに食べてくれて、嬉しい限りです」

「私はパン派ですから。パンは大抵美味しいと思いますけど、ここのサンドイッチはまた特別です」

「ありがとうございます、後でコックの人に伝えておくね」


 という事で、私は今日来た本題をルイーザさんに話した。

 するとルイーザさんは、他の国について早速教えてくれた。


 初めは私達が今いるこの街、始まりの街についてで、ここは幾つかある国の中でも少し特殊な国で、国の名前は商業国リーシャルって言うらしい。

 ここは幾つかの大商人が協力して作った商業国で、各国から特別な許可を貰い、この大陸の中央で商業の要として栄えているらしい。


 それと前に私が言った、馬車を見なかった理由だけど、つい最近までは魔物の数やその危険度が高くなっていたためって設定らしい。

 運営も頑張ってるんだねぇ、今じゃあちこちを馬車が移動してるよ。


 次はこういったゲームだとお約束の帝国ラージンで、ここは皇帝が変わって今では驚く程に温厚に、しかし先代皇帝が作り上げた圧倒的な軍事力を今も継承する。ぶっちゃけ強い国との事。


 次はその一つ飛ばして左隣に接してる国、騎士王国パランガーディン、この国は海の向こうにある魔族領土と向かい合っていて、常に動きが無いか見張っているらしい。

 その説明で思ったけど、昨日までの魔族との戦闘なんだけどさ、あれはいいのかな?例え話として聞いてみると、騎士王国が守るのはあくまでもこの大陸の中でのみ、ルイーザさん少しお堅いイメージがあるらしい。


 次々行くかな。という訳でその両隣にある国が、他種族王国リネルティス、この国の特徴は大陸最大の領土を持った国である事、その理由は、この国は名前の通り他種族との協力をして栄えている国らしい。

 主な種族だと、ありがちな種族ならエルフやドワーフ、それから獣人族、その他にも様々な種族が存在していて、それぞれの種族が国や集落を作ってはいるそうなんだけど、その他大勢の種族は王国の庇護下に入り、その見返りとして王国側はそれぞれの主張、権利を与え互いに協力する事で栄えてきた国、まぁウィンウィンってことなんでしょうね。


 更に左に回して次は、魔道王国ウィザーロード、ここは読んで字のごとく魔法の国、某黒ネズミの夢の国では無いですよ?

 さて、この国は秘密主義なのか情報はそこまで無いそうで、その代わりに聞いたのが、この国は若い世代の育成に力を入れていて、各国から魔法の適性を持った子供や、騎士王国との連携で騎士候補の子などを生徒として迎え入れているらしい。

 勿論ただの仲良しごっこや子供の優劣をつける場ではなく、この学園では各国了承の元に、学園生内での権威の主張は一切が禁止、またどんな子にも努力して欲しい思いから一般の市民は学費は半分以上が免除、更にその中での成績優秀者には学費を全額免除。

 クラス分けなども平等に行われ、時折学園外への課外授業で騎士科と魔法科の合同の科目があるらしい。

 教育者も優秀な人材ばかり、当たり前のように卒業生は各方面で優秀な成績を残していて、これぞ正しく名門校だね。

 他種族にも学びの門は開かれているまさに来るを拒まずないい学校、説明は以上らしい。


 次の国は白の都とか言われてるらしい、神聖国メルテス、この国の近くには山があって、その山に聖樹って木があるらしくて、この国の生活水はこの聖樹によって浄化された水を使っている変わった国らしい。

 ただ聖樹の浄化水を使い続けている事にも意味はあるらしくて、この国の住人は、大人子供を問わずにその殆どが光魔法か神聖魔法を覚えているらしい。


 それからこの大陸では最後の国、仮に言うとすれば変わり者の国、龍牙、ここは龍達の住む所がいくつも会って、そこに修行だ何だって集まった変わり者が勝手に住み着いたのが始まりの本当に変わった所らしい、実際町はあっても実質ここはそこに住む龍達の場所でもあるから、余り奥の方までは行かないらしい。

 それと今になっての話らしいけど、この国に住む物と龍は割と密接な関係らしくて、この国にいる龍達はその殆どが今では人化の術とかいうスキルで人の姿をしていて、中には龍と人との間に子を生した夫婦も居るとか、互いに龍と人との代表を決める事で互いに意見を出し合い、他国とのやり取りは人族の長が、また戦争には龍達も力になる、そんな関係らしい。


 この大陸の話って所は後で調べてみるとして、ルイーザさん的にはこれでお終いらしい。

 今後どうするかってだけなら十分な話を聞けたと思う、幾つかは面倒だから候補からすっ飛ばすとして、私的に一番気になるのはやっぱり他種族国リネルティスかな、獣人族に会ってみたいし。

 という事でルイーザさんにお礼と、今後の事を少し話して、一応のお別れをしてリズさんのお店に戻った。


 一人で戻っても仕方ないから全員に戻るように伝えて貰う事にした。

 私が戻ってしばらくすると、少しずつみんなが戻ってきた。


「それじゃあ、ライムよろしくな」


 ラムネに言われてから頷き返して、私はルイーザさんから聞いたこの大陸にある国について一つ一つ話していった。


「なるほどな、それぞれに一応は長所や短所があるんだな」

「今私達に必要な物とそう出ないものもあるだろうし。因みに私は魔道王国に行きたい」

「それなら私は他種族王国に行きたい、獣人族見てみたい」


 それからは更にそれぞれ意見が分かれたりした。だけどなんでか神聖国と帝国、それと龍牙には表が入らなかった不思議。フィロさんなら神聖国は行きたいかなって思ったけど、ラムネと一緒で基本は何処でも大丈夫らしい。

 という訳でこのままじゃ埒が明かない、それなので一人一人理由を聞いていくことに。


「ライムはさっき聞いてるからそれ以外、氷菓から順番に」

「魔道王国の本が読みたい」

「次」

「私は鍛冶関係になるけど、ドワーフが居るってことで他種族王国に行きたいかな」

「まぁ、今んとこいちばん真面目な回答か」

「私は強い奴とやりたいから騎士王国行きたい!」

「他種族王国にもきっととても強い種族とかいるかもしれませんよ?」

「そうなのか!?んんん……」

「ライムそれは反則だよ」

「私は動物の見た目をした人が見たいです!」

「ハイハイお前らは言い合うな面倒い」


 方や知識、方や趣味、互いの譲れないものをかけて行き先を争う私と氷菓の戦争は、ラムネの介入によって強制的に停戦した。


「兎に角な、俺らは正直どっちでも、皆も自分のやりたい事が出来れば国がどうとかは正直どうでもいい。そうなるとミューの希望にそうのが一番だろうな」

「えぇぇ」

「ラムネグッジョブ」

「お前らの意見は反映してないぞ、行くなら自分の足で行け。あくまでもミューは生産職だ。それを考えての事ってだけだ」


 という事で私達の行先は、他種族王国リネルティスに決まった。

 ただ今日移動することは難しいみたいで、明日の午後に全員で馬車を利用して行くんだとか、それで今日のところは解散するみたい。

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