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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
二章
59/111

濃いメンバーが集まってしまった……

 さて。お店を出たのはいいけど、この街中で、更にはこの人口密度で目的の人を探すのは結構苦労しそう。

 一応は目的の人を見つけるために歩きながら、それでもサーバーが本格的に統合された事で増えた街の人口に溜息をつきながら、どうしようか考えた結果、悪いけど向こうから来てもらうことにした。


 そして今は、少し目立つカフェの奥の席で、相手が来るのを待っている。

 すると目の前の椅子に2人が座った。


「2人は知り合いだったんですか?」


 ユウナさんは兎も角、あれだけ自分でボッチの宣言をしてたミューが誰かと一緒に居るなんて、流石の私でも驚きを隠せない。


「なんか酷い事考えてない!?」

「ははは!この子と会ったのはついさっきだよ、途中まで気にしてなかったんだけど、気が付いたらずっと並行しててさぁ。話を聞いたら同じ女の子から同じ場所に呼ばれてるんだもん、こっちも驚いたよ」


 そう言って2人はメニュー表から、それぞれ適当に飲み物を注文すると、話を聞く為にこっちを向く。


「さて。話したい事って言われたけど、ライムちゃんが言いたいのはギルドの関係かな?」

「そうですね。ミューとの話も一緒」

「なるほどねぇ……あぁぁ………」


 そう聞いて机に顔を伏せるミューに首を傾げて見ると、ユウナさんが説明してくれた。


「あぁ、別に悪気はないのよ。ほら、ライムちゃん達みたいな強い人とか、私達みたいな優秀な人材は、前回のイベントでマークされたから。ログインしてからそれ関係のチャットが送られてくるのよ。ライムちゃんも勧誘受けなかった?」


 あぁぁ……。何となくだけど理解出来た。

 私の反応にユウナさんも苦笑いしてる。どうやらあの7日間のイベントで、優秀な人材は皆マークされてるらしい、道理でログインした時から視線を感じると思った。


「という事は2人はもう行き先が決まってたりするの?」

「いいえ、まーだね」


 もしかして遅かったかな〜なんて考え始めた私に、ユウナさんはまだどこのギルドにも決めていない事を教えてくれた。


「それに、もしかしたらとても優秀な人材の揃ったギルドからオファーが来るかもしれないんだもん。そう安請け合い出来ないわ」

「そうさそうさ!僕らはこれでも職人、自分なりのプライドがあるんだ。そう簡単には行かないなぁ〜」


 あぁ……。そうですよね、私も服作りをした事があるから分からなくはない。どこの誰かも分からない、何も知らないような人と会ってすぐに仲良くは出来ないし。自分の納得出来るものが無いと信頼も生まれない。

 知らない中ではないけど、私達とだってまだ他人みたいな物だしね。


「ふふ、何か心配してるみたいだけど、私達は賛成よ?」

「え?」

「だからさ、ライムちゃん達の作るギルドなら、別に入ってもいい。寧ろ君達の実力をを考えれば、今後他のギルドの生産職に張り合うなら、これ程のスポンサーは居ないよ!」

「そうね、こっちからお願いしちゃうくらいには良い物件よ」


 嬉しかった。正直まだそんなに話したことも無いのに、それでも2人が真剣に考えて、その上で私達を評価してくれたのは本当に嬉しく思った。


「ありがとう」

「いいのよ」

「それでさ、早速登録しちゃいたいんだけどさ。その前にライムちゃん達ってどの国にギルドハウスを作るの?」

「ん?」

「「ん?」」


 国?国とはなんですか?あぁ……もしかして私達がまだ知らない事があったのかな?

 しょうがないから2人に事情を説明してリズさんの所に再び向かう事にした。


 中に行くと知らない人が結構来てた。


「あ!ライムお帰りー」

「うん、そっちは誰?」


 いつも通りお店の裏に真っ直ぐ向かうと、中にはビルドや氷菓の他に、肌が真っ黒に日焼けしたガタイのいいおじさん?と、氷菓と何か話してる紺色のローブを着た白髪に眼鏡の男の子、それからベルトを肩にかけてるみたいなズボンを着た茶髪を三つ編みで一本にした女性と、もう片方は半袖短パンにエプロンをつけた女の子、知らない間に知らない人が急に増えた。


「紹介するな!こっちはギデ!凄い石をいっぱい掘るんだ!それでこっちはライム、私の妹だ!」

「ほお!そっちのメイドちゃんが嬢ちゃんの妹かい?宜しくな!俺はギデ、炭鉱夫をしてんだ。本業は採掘なんだが、戦闘もそこそこ行けるぞ!ビルドの嬢ちゃんには助けられた中でな、そんな事から入らせてもらった!入るからにはどんどん採掘してやる、期待してな!」


 ギデさんが自分の紹介を終わると今度は氷菓が紹介してくれる。


「こっちは順番にカイザー、テル、ティス、3人ともこのゲームを初めてから色々と話に付き合ってもらってる」

「カイザーと言います。名前については触れないで下さい。錬金術師をしていて、氷菓さんとは日々研究の話をしています。同じく本業とは違いますが戦闘も出来ます」

「えっと、私はテルって言います。木工師をしていて、前に氷菓さんの杖を作らせてもらいました。コレから宜しくお願いしましゅ!うぅ………」

「あはは……ほらほら泣かない、私はティス。職業じゃないけど木こりをやってるよ。さっきテルが言ってた杖の時に氷菓ちゃんから依頼されて今の関係になったってわけ。テルも入るみたいだから着いてきたんだ♪コレから宜しくね」


 改めて思ったけど、皆結構このゲームで色々と知り合いが多いみたいだね。


「それじゃあ今度は僕らかな?」

「そうね。知ってる人も居るみたいだけど、ここは改めて。私はユウナ、農家をしているわ。うちの野菜達はどれも栄養満点だから、コレから宜しくね」

「うわぁ……ユウナさん宣伝上手いですね」

「こう言うのはその場のノリよ、次はミューちゃんよ」

「はぁ。えっと、ミューと言います。職業は鍛冶を専門にしてます。武器や道具の依頼なんかは大歓迎だから任せてね!」


 ユウナさんのアドバイスを早速実践してみたのか、最後は笑いながら話を締めくくった。

 これで新しく来てくれる人達の紹介は終わったかな。

 すると結局なんの成果も無かったのか、俯いたまま入って来たトムヤムクンと、それに続いてラムネとフィロも帰って来た。

 丁度いいからその場でまた全員が自己紹介をして、話は今後についてになった。


「先ずはギルドの設立は上手く行った。そこで問題なんだがな、俺達のギルドの拠点をどの国に作るかって訳だ」


 そう言って問い掛けるように全員の顔を見るラムネ。


 ギルドの設立自体にはなんの問題もなかったらしい、問題になってくるのはその後の、どの国、と言うよりはどこの土地に建てるのかってなるんだけど、他の国どころかこの街がどこにあるなんて街なのかも分かってないわけで。

 話し合いの結果だけ言えば全員が何処でもいい、もしくはギルマスに任せるの2択だった。


「もう少し何か無いのか?」

「あれば言ってるでしょ」

「氷菓の嬢ちゃんの言う通り何だが、俺らはそもそも他の国を知らな過ぎてるってのがあるな」

「なるほどなぁ」


 そこで今度は、全員で他国について特徴を調べてみることに。

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