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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
一章
50/111

第2回イベント7日目 中盤2

(ラムネ視点)


 さて、死ぬ気は無いんだが実際に契約ってのがなんなのかまだわかってないんだよな。


「それでは契約を行うぞ」

「その前に、実際に俺は何をするんだ?」

「主はただ座って、身体の中の荒れる気と魔力をできる限り、いや、ほぼ完璧に通常時の流れを保って欲しい」

「なるほどな。因みにそのコントロール少しでも崩したら?」

「私も推測でしかないが、少し乱れただけでもかなりの激痛と聞く、そんなものを完全に制御できてなかった場合、主の精神が保証できん」


 なるほどな、たしか前にライムも似たこと言ってたはずだが……。あいつもどっかの龍と契約してんのか?


「シルヴィ、契約の前にライム呼んでもいいか?」

「構わぬが……なんでだ?」

「気と魔力の両方の制御ならあいつが良くわかってそうだからな」

「そうなのか?」


 許可も貰えたところでライムに連絡を取る。場所だけ伝えるとすぐに来るらしい。


「なんで呼ばれたの?」

「それなんだけどな」


 来てそうそうに呼ばれた理由を聞かれて、それについてなるべく最初の辺りから説明してくと、何となく理解したらしい。


「つまり2つを同時に制御する方法を知りたいと?」

「まあそういう事だな」

「別に大したことはしてない、元々自分の中にあった力だから、イメージ次第でどうにでも」

「マジでそれだけ?」

「それだけ」


 この顔は冗談言ってる感じじゃないんだけど……イメージってなんだ?


「何か他に具体的な説明って無いのか?」

「んー……ラムネは気力操作と魔力操作って取ってる?」

「取るだけなら一応は」

「なら同時に使える?」

「無理だな」


 それにいつもは気の方がメインだからな、魔力の操作なんてほとんどできないって言えるくらいには自信が無いな。

 そもそもこの2つのスキル同時に使えなくないか?


「それならなんでもいいから、混ぜるイメージをしながら使ってみて」

「混ぜるって何をだ?」

「そんなの絵の具でも粘土でもなんでもいい、ただ2つを混ぜるイメージを持たなきゃダメ。反発してると痺れて動けなくなる」


 やっぱライムも動けなくなったんだな。混ぜるイメージ、絵の具か………。


「ん」

「おお、結構安定してるかも」

「凄いぞラムネ!こんなに早く出来るようになるとは!」


 シルヴィがめっちゃ褒めてくれるんだけど、別にこれが初めてじゃないってのは俺の心に閉まっておこう。


「ありがとなライム、これで始められるのか?」

「ああ!これで始められーー」

「何を始めるんです?」

「「!?」」

「ッ!」

「おぉっと、危ない危ない」

「何者だ?」

「ははは、これだから人間は、もっと余裕を持ったらどうです?まぁいいでしょう、私は魔王軍第7軍副長、ザルギースと言う者です。以後お見知り置きを、と言ってもあなた方はここで死んでもらいますが……ッ!?」


 どっからか出てきやがった変なタキシードの男が殺気を丸出しにしたところに、どういう訳かフィロの兄が2人、それと俺の目がおかしく無ければこの2人のステータスさっきよりも高くないか?


「変な魔力を察知して来てみれば、なんだこいつ」

「不意を付いたと思ったんだけどね」

「ははは!その程度では私は攻撃出来ませんよ、それから同じ事を2度言うのは面倒です。死ぬ者に説明する必要も無いのでとっとと死んでください」

「丁寧な口調で何が死んで下さいだ!」


 いきなりな展開に完全に棒立ちしてると、レーゼがツッコミ入れながら敵だと思う男を吹っ飛ばしてどっか連れてっちまった。


「あいつは引き受けるよ、今回はボスは譲ってあげるから、頑張ってね〜!」


 随分と余裕だな……。出てくるタイミングと言い、さては見てたんじゃねぇだろうな?

 それだけ言うとさっきのを追いかけて森の方に消えていく。


「で?早く初めなよ」

「お前本当にマイペースだな……」

「いいからやるぞラムネ!」


 たく……。俺はシルヴィに急かされるまま地面の上で座禅を組んで集中する。

 さっきの感覚、混ぜるイメージ……。


「いくぞ……『我、光の上位龍が命ずる。我が名の元、龍の血よ、彼の者に力と加護を、そして今此処に我らを結ぶ絆の誓いを……』」

「綺麗ですね(もしかして私にもこんな演出があったりしたのかな?)」

「クッ!?……ウゥゥ………!!」


 やべぇ……少し気を抜けば意識を持ってかれそうだ……だけどそんな事になったら俺は強制的にログアウト、そうなったらこの世界から俺の身体が消えて失敗する……!

 今だって何時ゲームから追い出されるかわかんねぇっての……。

 集中しろ!!


「てい」

「いってぇ!?ライムテメェ冗談やってるならたたっ斬るぞ!」

「焦り過ぎ、少し冷静になる、成功させるんでしょ?」

「ッ!?それぐらい分かってる。スゥ……ハァ………」


 一度冷静になれ。押さえ付けず、反発させず、自分の中の気と魔力の流れを確り把握しろ……。

 と言っても流れなんて無いなこりゃ、こんな嵐みてぇに荒れた流れを整えろって……相当鬼畜じゃねぇか………。


 まあ、やんなきゃいけねぇんだ!やり直しなんてしてる暇はねぇ、多分さっきの奴以外にもまだ居る、それにあいつは自分の事を副長って言ってた。

 つまりあいつよりも強い奴が居るのはまず確定って言ってもいい。

 ならここで絶対物にする!


「頑張れラムネ!」

「シルヴィも応援したいのは分かるけど自分も確り制御しなよ」

「わ、分かっている!」


 それからあの酷かった激痛がしないくらいには安定して更に数分。


『特殊条件を満たしました。』

『特殊条件の達成により、スキル『龍人化』を取得しました。』

『個体名シルヴィとの契約が完了しました。』

『特殊条件の達成により、称号『龍の絆』を取得しました。』


 やっと取得か……キツかったこと以外になんも覚えてねぇ………。

 すると背中に衝撃を受ける。


「ラムネ……上手くいったぞ……良かった………良がっだよぉ……」

「あぁ、ハイハイ言っただろ?俺は死なねぇし、失敗もさせねぇ」


 やっとだ……マジでキツすぎるだろ……。

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