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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
一章
40/111

第2回イベント2日目 後半

 さて、爆発が収まると周りは一面が焼け野原、地竜の周りに関しては完全に溶けてるかガラス化してる、それだけでさっきの攻撃がどれだけの熱を持っていたのかわかる。


 当の地竜はしばらくは動けないのかさっきから座り込んだまま動かない。

 流石にその隙を逃すような私達じゃない、すかさず接近して攻撃をしようとした時だった。


『グルルルルゥ゛』

「「!?」」


 迂闊だった。

 地竜はさっきの攻撃で体内に残った熱を一気に噴射してきた。

 おかげでラムネとビルドはやけど、私は高熱の蒸気で吹っ飛ばされたし、やってくれるね。

 ただその放熱も次はない、切り札を使い切った地竜を全力で生命力を削っての勝利、あまりに高すぎる攻撃力と防御力、隠し球だった放熱の異常な熱量さえなければ思いのほか呆気なかったのかもしれない。

 ただ弱かったかと言うならそれはない、正直トムヤムクンの防御力とフィロさんの高速回復がなきゃ途中で全員が熱で蒸発してたし。


 流石に疲れた、VRの世界だから体力的なものじゃないけど、精神的な方ですごい疲れた。

 という事で少し早めの昼休憩、戻ってからはまた探索、リズさんの他にも結構な数のプレイヤーが集まってるらしい場所をどこか知らないから、のんびり探していく。


 歩きながらどこに行くか話していくつか出てきた案が、前回の探索で見つけた場所にもう一度行くか、リズさん見つけるまで全力ダッシュ、もう諦めて偶然合流するまでモンスターを倒して経験値とイベントポイントを稼ぎまくる。

 私個人で言えば3番がいい、経験値が取れるなら取りたい、それにここのモンスターは素材もそれなりにいいものが揃ってる。


「で?どれにするんだ?」

「「3」」

「えっと、3?」

「ごめんなフィロ、こいつらに合わせなくてもいいんだぞ?」

「あれこれ俺も含まれてる?」

「何言ってんのトムヤムクン、お前は元々こっちサイドだ」

「早く行こうよ」


 集計役のラムネを抜けば5人全員が3番に投票してる、フィロさんは合わせてくれてるだけ?

 いやいやこれはもう決まったってことでいいでしょ。

 えっトムヤムクン?氷菓も言ったけどトムヤムクンに投票権はないから必然的に3番だ拒否権もない。


 流石にただモンスターを倒すだけで何もしないのはリズさん達に少し申し訳ないから、経験値稼ぎはマップを埋めながら並行してやっている。

 選択肢としては2番でも良かったかなと思うけどはっきり言ってこの島前回よりも6倍か7倍は大きくなってるかも、正直運営にはやりすぎだとも思ったけど全プレイヤーが集まってるならこの島がこの規模になるのも仕方ないのかな?


「それにしても周りのモンスター少し強化されてるよな」

「出てくるモンスターも少し強いやつになってる?みたいな」

「そうか?殆ど1発だけど」

「右に同じ〜」

「筋力特化と魔力特化はそうだろうな」

「それじゃあ防御力に特化した人の意見は?」

「確かにほとんどが2桁どころかダメージすら受けてなかったりだけど俺が気になったのは数だな、一体からの被弾が増えたわけじゃないけど昨日よりモンスターの数が増えてる、おかげで皆の防衛が間に合わない」

「「自慢話?」」

「違うわ!」


 違うと言われてもねぇ、傍から聞いてると自慢話にしか聞こえないよ、て言うか全員を守りたいとは贅沢な悩みだね、正直今でも十分だし、なんなら私達前衛組は自分の身は自分で守れるよ。


 しばらく歩いてるとどこからともなく霧が出始めた。


「一応警戒、天候とか地形的な場合もあるからな、ただ……」


 ラムネの言いたい事は分かる、と言うかこれは少しまずい状況かな、気配察知も魔力察知もダメにされてる。

 てかここまでされたらもう自然で起きるにはちょっとこの島の難易度が高すぎる。


「きゃ!?」

「フィロ?」


 モンスターの仕業と考えてるとフィロさんが何か見つけたのか一点を見たまま固まってる。


「大きな……ミミズ?」


 えっ、あれミミズなの?キモ、と言うかこっち来てない?もっと細かく言えば私と氷菓とフィロさんの3人に向かって来てる。

 あれ、何かミミズに狙われるようなことしたっけ?


 ある程度の距離に来たから鑑定してみると、どうやら大きい魔力に反応して近ずいて来てるみたいで、その説明を見て納得した。

 確かに氷菓とフィロさんは元々魔力が高い、私は職業と取得した称号の効果で魔力がそこそこある。

 だけどそれならトムヤムクンも狙われてもいいと思うんだけど、本人曰く進化したばかりでそこまで魔力値は高くないらしい。

 それとこの霧は目の前のミミズが原因みたいで、肌から何か白い液体がシミ出すのが少し目をこらすと見える、正直みたくなかった。

 その液体が空気中でいきなり蒸発すると、濃い蒸気みたいになって周りに広がってる、面倒なのは察知系スキルが使えなくなることと絵面が最悪すぎること、良かったことはこの霧に含まれてるらしい魅了効果が私達に効いてないこと、それとミミズに対していい特攻持ちがいた事。

 というわけで……。


「ラムネあれお願い」

「俺かよ、まぁいいけど」


 魅了の状態異常がなければ弱いモンスターみたいであっという間に細切りに、倒したあとでも霧が残ってるってことは、この霧はしばらくこのままか他にもいるのか、どっちにしろここを埋めたら二度ときたくないね。


 そのあとは正に地獄だった。

 巨大な穴を見つけたと思ったら中から出てきたのは巨大なミミズとその目の前のミミズの少し小さいのが溢れる勢いで出てきてること。


 さっきのでも十分にキモかったけど、小さい方がもっと気持ち悪い。

 想像して見てほしい、自分の指とそう変わらない大きさのミミズが巨大ミミズと穴を隙間のないくらいギュウギュウになって登ってくるんだ。

 もし落ちでもしたら本当の地獄行き、トラウマなんてレベルじゃすまない。

 だから私達のやることは決まってる。


 まずは巨大ミミズをラムネが両断、小さいミミズに向かって私と氷菓が全力で燃やす。


「「汚物は焼却……汚物は焼却……」」

「フィロ大丈夫か?」

「うん……もう見たくはないけど」


 フィロさんの言葉に全員が頷く、今日は精神的な疲れがやばい、いつもと比べればかなり早いけど、これ以上の探索は正直面倒だから仕方ない。

 皆も疲れてるってことで今日はこのくらいにしてログアウトする。

 元の目的の経験値稼ぎも朝の地竜とネズミ、あとさっきのミミズで十分に稼げた。

 驚いたのはあのミミズ一体一体が地竜と経験値がそんなに変わらなかったことと、1番大きかったミミズはあの少し強かった地竜よりも経験値が美味しかったこと、2度目はないと嬉しいけど、必要ならまた焼きに行くかもしれない。

 ログアウトして布団を被ると、私はすぐに寝てしまった。

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