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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
一章
39/111

第2回イベント2日目 前半

 今日はイベントの2日目、今日も朝からログインして早速探索をする予定。


 ゲームにログインしたわけだけど、これといってモンスターも出てこないし、この場所は全体が安全地帯になってるみたい。

 フィロさんのお兄さん、確かフロストさんだっけ?あの後どこに行ったのか分からないけど、フィロさんによるともうゲームにはログインしてるみたい。

 この崖の上は完全に平原になってて隠れるような場所もない、そもそも気配探知にも魔力探知にも反応がないからここにはいないのかな。

 こんな高い崖何度も昇り降りは面倒臭いだろうし、その前もあの長い洞窟を知ってたから、私みたいな移動系のスキルか何か持ってるのかな?


 2日目の探索の目的は、昨日と同じで広がった島の探索、まあ私はもう島の全体はわかってるから、マップを埋めなくていいなら後はポイント稼ぎってことになる。

 それとできるならリズさん達と合流すること、フレンドの一覧とチャットのやり取りで生きてるのはわかってる。

 聞くとリズさん達は今多くのプレイヤーと協力して拠点作りをしてるとか、だけど人数もまだそんなに居ないらしくて、私達から見えるような拠点はまだ立てられないとか。

 島の防衛が目的に含まれてるからそのへんもイベント前からリアルで連絡とってたんだろうね。


「さて、俺らもリズさん達と合流はしたい所だが、現状は場所もわからないしとりあえずはのんびり探索、途中で合流できたなら拠点をそっちに移す、ここはライムが居れば何時でも来れるからな」

「じゃあ昨日のスタート地点まで行くから近くに来て」


 この転移魔法の便利なところは触れてなくてもいいこと、範囲の指定ができること、生き物や物体だけを指定できること、必要に応じて変えられるからなかなか優秀な魔法。


 転移して下に降りると早速昨日と少し違った点がある。


「少し空気が悪いか?」

「あと魔力も少しだけど変わってる」


 ラムネと氷菓の指摘してる通り空気が少し汚染されてて、長くいると状態異常にかかるんじゃないって雰囲気なのと、空気中の魔素にも薄くだけど闇属性の魔力が流れてる。


「この様子だとどっかの象が言ってた空から来る的ってのが関係してそうだな」


 敵がどんな感じかは分からないけど、なんとなくだけどヒントっぽいものは少し出てきた。

 回復は基本的にフィロさんに任せて、私達は昨日とは反対の森の中を探索していく。


 それからしばらく戦闘して思った。


「出てくるモンスター、少し強くなったか?」


 多分敵からの攻撃を直に受けてるトムヤムクンがよく分かってるんだろうけど。

 この島の全てを探索したわけじゃないし、もしかしたらこっちは敵が強くなってるだけだったり、だけどこれは違うと思う、レベルで言ったら10くらいの違いがある。

 そこら辺のモンスターの10レベル差なら別に気にはならない、けどトレントとか地竜の場合話は別。


「いやキツいって!」

「いいから抑えて」「いいから抑えてろ」


 うわぁ、氷菓もラムネもなかなか鬼ね、でもステータス元に戻せばいいだけで実は私達は思ったほどピンチでもない、じゃあなんでそれをやらないかといえば、それはラムネから必要以上のステータスは隠せって言われてるから、確かにほかのプレイヤーに付け回されるのは勘弁だしいいけどね。


 それから今の現状は、どうやら地竜の巣にでも入ってしまったのか、さっきから地竜ラッシュが終わらない。

 今は私とトムヤムクンで突進してきたのを抑えてから、そこをビルドと氷菓とラムネが片っ端から倒してる。

 素材と経験値が結構手に入ってるけど、このラッシュは流石にキツイかな。


「これで何体目だよ」

「今ので27です」


 トムヤムクンを回復させながら数えてたのかフィロさんが倒した数を教えてくれた。

 数で聞くとそこまで多くもないけど、戦ってる側からしたらこの数分のうちに強化された大量の地竜が襲ってきて、それを6人でギリギリで処理してるからなかなかに大変だった。


 最初から飛ばし過ぎてるかと思って、少しゆっくり進もうかと話し始めたところに、地面が大きく揺れる。


「「……」」


 まぁ……全く予想してなかったわけじゃない、だけど普通の地竜でこれって考えると、今来てるやつは本気で気が抜けないかも。


「なぁラムネ、ステータス少し戻していいか?」

「はあ?何言ってんだトムヤムクン、足りない分を工夫、そうして乗り越えられなきゃこの先キツイぞきっと」

「マジかぁ…」

「トムヤムクンファイト〜」

「頑張れ!!」

「大丈夫私の魔法耐えてるんだから」

「えと…頑張ってください!私も頑張ります」

「おい氷菓!?お前だけなんか違くね!?あとライムお前ば棒読みすぎる!」


 まったく、文句が多いですね。

 そして近ずいてきた巨大な竜、名前には上位地竜と書いてあるのを見るとさっきの地竜の上位版かと思ったけど、今回の地竜は四足型だった。


「ライム、逃げられるか?」

「出来なくはないけど、本当に退くの」

「危なくなったらな」


 そういうとは思ってたから、全員がすぐに戦闘態勢をとる。


「トムヤムクンはフィロと氷菓を頼むな」

「ラムネ達は?」

「自分で何とかする」


 ん?つまり私とラムネとビルドはあいつからターゲット貰っても自分で対処しなきゃ行けないのかな?

 まぁやるだけやるけど……。


 流石にこの図体の敵にお腹だけ攻撃してても仕方ないから、空中に仮の足場とそこら中に魔魂装でただの棒と板を作る。


「とりあえず空中で足場の代わりに使う用の棒と板は作ったから自由に使って」

「了解、それじゃあ、行くぞ!」


 という事で始まった戦闘だけどこの地竜、防御力を除けば対して脅威には感じない、動きは遅すぎるし、攻撃だって当たらなければどうということはない、なんならさっきまでの地竜の方が数的にもスピード的にも面倒だった。

 私の出した足場のおかげもあって、ラムネもビルドも捕まらずに攻撃を続けてる。


『………』


 そんな時、地竜はいきなりしゃがんで顔を隠し始めた。

 このままじゃ一方的なのはわかってると思う、だけど何をする気なのか。

 すると地竜の体温が急激に増していくのがわかり、私達は一斉に地竜からトムヤムクンの後ろに戻った瞬間にそれは起こった。

 大盾を挟んだ向こう側では、とんでもない熱量の爆発が起きていて、見るとトムヤムクンがフィロさんの回復アリでギリギリ耐えていた。

 トムヤムクンでギリギリって、私達が退避が遅れてたら完全に蒸発してたじゃん、ステータス戻しても良かっただろうけど、結果論とかそんなのを話し合うつもりは無い、耐えられたならそれでいい。

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