船のお披露目と湖の主?
今日は昨日作った船で湖を回る予定。
という訳で今はその湖に向けて早速移動中。
「なあライム、お前……足早くないか?」
やっぱりそうなのかな?昨日はフィロさんの装備を作るのに変にやる気だったからかなって思ってたけど、やっぱり早くなってるのかな。
「少なくともお前の歩く速度は走ってるってレベルだぞ?」
「え、そんなに?」
自分では気が付かなかったけど偶にラムネ達を置いていってたらしい。
「ライムもそうだが、全員1度ステータス確認するか」
「「ほーい」」
というわけでもうすぐなんだけど、少し止まってステータス、そしてそのステータスを見た直後の反応はと言うと。
「………」
「なんだこれ……」
「これはこれは」
「おお!」
「だいたいわかるが、全員そうか」
「えっ、み、皆してどうしたの!?」
もう言葉もないね、てかなんでこんなに上がってるの?
ああ、でも……思い当たる節がある……。
「「覚醒の宝珠か(ですね、だな)」」
「覚醒?」
今日はよくリアクションが重なるね。
「なるほどな、それならすぐに効果が分からないのも納得だ、そしてビルド、お前それいくつ交換したんだよ」
「残ったポイント全部使った!」
「アホか!」
いやぁ、我らがお父さんことトムヤムクン、今日もツッコミ頑張ってるねぇ。
「あ、でもこれ5個しか使えないぞ?」
「まあ、使用後にどれくらい変わるのかは知らないが、そんなに使ったら明らかなバランス崩壊だ」
「ちぇ〜」
それでも使えないものを持っておく気は無い、て言って皆に渡してた。
いや私は要らないよ、この前ふたつ貰ってて自分でも交換したからもう丁度5個なの、てかそれ言い方悪いけどゴミ渡されてるだけじゃん。
「………」
なんでだろ、使えない覚醒の宝珠が手元に100個以上……あれ?結構ポイント消費したと思うけど、そんなに交換してたの?
「まあ、今後仲間になったやつにでも渡せば?」
「ネットだと今後の運営次第だけどギルドなんてのも追加されるんじゃないか、なんて言ってるからな」
ねえラムネ、ちゃっかり管理押し付けないで、あとトムヤムクンそれはフォローにもなってないよ。
街から湖まではそこまで距離はないらしくて、モンスターの少ない迂回路じゃなくて、森を突っ切った私達は結果10分と少しで着いてた。
これ私1人だったら1分かからないかな?
「へぇ、ここが湖ね」
「綺麗ですね」
「めっちゃ泳ぎたい!」
水泳とかのスキルもあるみたいで、泳ぐのも悪くは無いけど今日は釣りしに来てるから却下、そもそも水着がないからね。
リアリティの設定はそこまで高くないけど、水中戦って何か制限とかはかかるのかな?
「早く行こうぜ」
それじゃあお披露目と行きますかね。
「へぇ、初めてにしてはいいんじゃん?」
「水漏れもしてないです」
「念の為なので先頭トムヤムクンの最後尾フィロさんで」
「なるほど」
「おい!?」
珍しくラムネと気があったね。
早速乗る前に、注意としてビルドに船の上で思い切り踏ん張るなとは言っていおいた。
テンションが上がってやっちゃっただとシャレになってない。
「自動で進むんだな」
「ちぇっ、漕ぎたかったな」
「またの機会にね」
何度も言うけどビルドの筋力は水上だと普通に脅威なんだよね色々な意味で。
「で?釣りのスポットってことは釣りでもするのか?」
「うん、釣竿も人数分作ってある」
釣りのスポットにわざわざ船を作ってまで来てるのに釣りをしないのはもったいないからね。
という訳でこちら。
普通の釣竿 レア度2 道具 品質B
重量10 耐久値200
木でできた普通の釣竿。特に効果はなく魚が釣れるかは持つ者次第。
「めちゃくちゃ釣るの難しそうなんだが?」
トムヤムクン酷いいいようだね、これでもそこら辺の枝と夜の森に巣食う蜘蛛から集めたちょっと丈夫な糸で作ったんだよ?
まぁ説明は普通じゃ無いけど釣餌もあるからなんとかなると思う。
「ほぅ、持つ者次第なんて随分と言ってくれるな」
若干1人燃えてるけど気にしちゃダメだと思うからあれには関わらないようにしよう。
「ラムネ君って釣り得意なの?」
「得意って言うかな……」
「あれはただの釣りガチ勢」
「釣りバカ?」
自分も言っててあれだけどラムネにもなかなか辛辣なコメントが出てくるもんなんだね。
しばらく皆で楽しく釣りをしてると、早速やらかしてくれるバカがいた。
「こんな小さな餌じゃなくてもっと大きいの出そうぜ大きいの」
結局暴走しだしたビルドがアイテムボックスから、いつぞや倒したモンスターの肉をばら撒き始めた。
「よし釣るぞ!」
「いやよしじゃねぇよ!」
うん、ツッコミを入れるのはいいんだけど……。
「なにやってんの?」
「できるだけ活きのいいままの方が餌にはいいかなって」
「へぇー」
「見てないで助けろー!?」
やってくれたね、てかどうなっても知らないよ私は。
という訳で私はスっとフィロさんの隣に避難、純粋に楽しんでるフィロさんがなんでかすごい眩しい、相変わらず氷菓とトムヤムクンは間違った釣りを、ビルドはビルドでサメでも釣りたいの?ラムネは1人静かに竿に集中してるし。
「ん?」
「どうしたの?氷菓ちゃん……あ!?ラムネ君の釣竿が」
遊びながらも?氷菓は一応周り見てたみたいで、それに続いてフィロさんがそっちに顔を向けた。
てか一旦トムヤムクン引き上げてあげなよ、なんか凄いぶくぶく言ってるけど、あっ、止まった……。
「よし、話題を変えよう」
「勝手に殺すな!?」
ああ、飽きてたのね、てかブレないねーほんとに。
見るとそこには竿が90度曲がってもう折れてるでしょって言いたくなるような釣竿を構えてるラムネが。
「いや離せよ!?落ちるぞ!?」
「舐めるな!」
仕方なさそうな顔の氷菓に引き上げられたトムヤムクンからの注意を聞かずに全力で竿を引くと、案の定耐久値の方が先に力尽きて半ばポッキリ言っちゃった、あぁ〜あ……。
「……」
いやそんなに無言で折れた釣竿返されても……。
「なぁライム」
「はい?」
「最近ゴーレムから鉄取ってたよな」
あ……はい、作れと言う事ね。
簡易式の錬金術用の魔法陣をセットして作業開始、材料だけならいくらでもあるしこの際ならいい物作って見ようかな。
使うのは、最近やり過ぎでなんでか肥やしになってきた魔鉱石だけ、竿から糸の代わりのワイヤーと釣り針、おまけして簡単な作りの巻き取り部分の制作。
形が作れたら一気に合成、結びつけるんじゃなくて完全に合成してるからね、耐久値を振り切らない限りは壊れないでしょ。
魔鉱石の釣竿 レア度6 道具 品質A
重量15 耐久値700
·入れ食い
魔鉱石で作られた釣竿。耐久値だけを徹底的に強化されていてどんな大物も釣り上げられそうだ。
少し重くなっちゃったけど、使うのがラムネだから大丈夫でしょ、むしろ軽すぎか。
「ほい、大事にしてね」
「ああ、とりあえずあいつ釣ったらとりあえず食うか」
「塩は買ってあるよ」
ここまでして釣る魚だからね、なんだかんだで楽しみなところはあるし、どうせなら少しでも美味しく食べたいよね。
「じゃあ私も少し協力しようかな」
そう言うと氷菓がいきなり船から飛び降りた。
大丈夫だろうけど下を見ると、魔法か何かなのか浮遊して魔法の詠唱をしていた。
『アイスフィールド』
船の周りが数メートル先まで凍りついちゃった。
「ラムネが珍しく燃えてるからね、できるだけ万全で挑むならしっかり踏ん張れる足場は必要でしょ」
「ありがとな」
うん、もうなんでもありだね。てか氷菓は魔核の首飾りのせいで魔力以外に魔法もやばい事になってるね。
2属性の同時展開、私も今度やってみようかな。
「ビルドさっきの撒き餌頼む」
いやあれはただの解体肉であって撒き餌じゃないよ?
まぁ相手があのサイズだからね、撒き餌で合ってるのかな。
ラムネがただ静かに釣り糸を垂らして佇んでる最中、待ってる私達はって言うと……。
「このお菓子美味しいな」
「ラムネ君頑張ってるのにお茶してていいのかな」
「あいつが好きでやってんだからいいだろ」
「あのな……なんで俺の分の執事服があるんだよ!」
「今のトムヤムクンは執事なんだから主人の前で立ってなきゃダメだよ?」
「だからってなんで氷菓の執事なんだよ!?」
そう言いながらもちゃんと後ろで待機してるんだから満更でもないでしょ。
私は私でビルドにアイテムボックスから新しくビスケットを出しながら空いた器と取替えながらフィロさんのカップに紅茶を注いでる。
「へぇ、それじゃあ皆は小さい時から一緒なんだね」
「そうだなぁ」
「ライムは人見知りだから、初め私が誘ったんだぞ!」
「ああ、そんな事もあったな」
随分と懐かしい話してるね、まあ実際人見知りだったし、初めはビルドと氷菓が、そこにゲーム繋がりでトムヤムクン、後は近所付き合いでラムネが3人にゲームを勧められて、最後に私がビルドに強制連行、それから今まで色んなゲームをしたし、色んな苦難を皆で乗り越えたよね。
「ッ?……」
どうやらかかったのか、ラムネが少し厳しい顔になってる。
と言うかそろそろ目開けたら?手の感覚で釣るのもいいけど足元が波打ったまま固まった氷の床だから転ぶよ?
「くっ……!こいつは思った以上につえーじゃねぇか!」
あぁ完全に1人の世界だね、さてさて果たしてさっきのがかかってるのか。




