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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
一章
26/111

ぼっちの鍛冶師

 今日はログインしてすぐに家事ギルドに言って作業の続きをする。

 あとは針使った作業ですぐに終わると思うし、昨日のレベル上げでも思ったけど皆とそこまで差がなかったからね、私も置いてかれないように頑張らないとね。


 途中の思い付きも含めて作り上げてから家事ギルド出て、リズさんのお店に向かってるんだけど……。


「………」


「……………」


 少し歩くスピードを上げたり、お店を見るふりして止まってみたり……うん、完全につけられてるね。


 流石にあとをつけられたままお店に行くのも迷惑だろうし、仕方ないから途中でまくかな、そう思って途中何度か入り組んだ道で突き放すんだけど、何故かしばらくするとまたつけられる、これはもうお話案件かな。


 曲がり角を曲がって待ち伏せすると思いのほか簡単に捕まった。


「わぁあ!?」

「さて、通報されるか、訳を話してから通報されるか好きな方を選んでください」

「それ選択肢になってなくない!?」


 この状況でいいツッコミをしますねこの人。


「待って待って!僕は怪しい者じゃないよ!ただ君の装備が気になって!」


 なるほど人の装備見て情報得るためにストーカーですか、よし通報ですね。

 メニュー開いて早速操作を……。


「待って待ってほんとにただ気になっただけなの!」

「なら普通に声掛けて下さいよ無視するかもしれないですけど」

「それ答える気ないよね!?」


 どうしようか、もう行っていいかな?行っていいよね?

 まだやりたい事もあるからこのまま無視して行ってしまおうかと思っているといきなり自己紹介が始まった。


「僕の名前はミュー、孤高の中級鍛冶師にして将来はこのゲーム1のマスタースミス!」


 またキャラが濃いですね、個性の濃さは知人でもうおなかいっぱいたんだけど。

 ストーカーするなり開き直って自己紹介し始めた孤高、つまりぼっちの鍛冶師ことミューさん、見た目は肩につかないくらいの綺麗なオレンジに赤と灰色のメッシュが入った前髪の女の子?多分私と同じくらい、胸以外……。


「っ………………」

「お、お近ずきの印にフレンドとして追加しないかな?」


 怒ってるように見えたのか、少し噛みながらフレンドの話を持ちかけてきた。

 実際に怒ってるのはあるけどね、ん〜、鍛冶師ってクレイさんがいるんだよね、あんまり関わりないけど、どうしようかな……。


「鍛冶師ってどれくらいの腕前?」

「ふふふ、よくぞ聞いてくれました。私はベータ版の時から鍛冶をやっているんですよ!その時の知識の全てではないけど、今でも使える技を使って腕を鍛え続けて、今ではこのゲームの鍛冶ではトップと言っていいくらいの自信はあるよ!」


 へぇ、それは凄い自身だね。


 ベータ版の頃の知識を使って1人、この街にこもってひたすら鍛治の鍛錬、これなら頼めそうかな?

 ということでミューさんの腕前は知らないけど、どれ位の腕があるのか見てみたいし、トムヤムクンの防具の相談ってことで1度連れて行ってみようかな。


「じゃあ今回の私のストーカーを通報しない代わりに頼み事と大きな貸しとして覚えておく」

「あ……それ本気だったんだ……あれ?なんかこっちの被害が大きい気が……」


 当然でしょ、という訳でトムヤムクン、知人の鎧の製作をお願いしてみる。


「仕方ないか……それくらいならいいよ、まさか好奇心でタダ働きすることになるなんて……」

「依頼だからお金ははらいますよ本人が」


 半分脅しでも結局作ってもらうのはトムヤムクン、私がやるのは協力を約束させるだけ、だから本人からお金をとっても別に気にしない。


 という訳で皆を呼んで改めてリズさんのお店に向かう。


「で?誰が僕に依頼くれる人?」

「いやまず誰だよ」


 確かにラムネの言う通り、てことで軽く自己紹介。


「僕はミュー、鍛冶師だよー」

「ボクっ娘!?」

「ボクっ娘?」

「クレイ……?」

「あっ、いや!?違うんだリズ!」


 怖いくらい笑うリズさんに連行されて行ったはさておき……。

 簡単に自己紹介してからトムヤムクンが装備の依頼をする。


「素材はこれでいいかな?」

「え!?凄い!これって鉄だよね」


 普通の鉄を取り出しただけで凄いテンションが上がってる、話によるとこの街に出回ってる鉄は材料の鉄鉱石から精錬した物みたいで、そこまで鉄の純度が高いとは言えないらしくて、私の持ってるものはゴーレムから解体していて全く不純物が混じってないらしい。

 そりゃ驚くか、自称このゲーム1の鍛冶師が初めて見るんだから。


「これならいい物ができそう!早速工房に行くねぇ……」

「嵐みたいな奴だったな」


 それは確かに思ったけど、話が本当なら腕も立つはず、という訳でトムヤムクンの防具がしょぼくなるのか一級品になるのかは乞うご期待。

 という訳で本来の目的の防具のお披露目、それじゃ先ずはラムネから。


「……なぁライム、俺の頼んだ方は良いんだけどさ、執事服まで頼んだ覚えはないぞ?」

「ノリでやった後悔はしてない」


 なんだかんだ試しに着てくれるラムネは優しいんだろうね、そして執事服を着るラムネへの皆からの感想がこちら。


「「めっちゃ仕事に厳しそう」」

「そんなか?」


 その後頼まれた方の防具に着替えて、そっちはまぁ良くも悪くも似合ってる。

 次は氷菓の防具のお披露目。


「おいライム!?なんで私の防具こんなにフリフリなんだよ!それとローブについてるフードのこの猫耳何!?」

「いやどう見ても私の趣味でしょ」

「なんの罰ゲームだよ!」


 まぁそこは慣れてもらってね、防具の見た目とか特に言われてないから。

 次にビルドだけど、こっちは本人も色々注文してくれたからね。


「この服動きやすいぞ!ありがとなライム!」

「そりゃやるなら中途半端にはしないよ」


 まぁ喜んでくれたなら何よりかな、さてとここからは私も次に来るのが確定してるイベントに向けてレベル上げを始めなければ。

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