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メイドだって戦闘職です  作者: カエデ
一章
16/111

洞窟住居の王様

 結局この2日間、色々と問題もあってレベル上げが出来てない、今日は街の外に出られるといいけど。


 学校が終わって、自室のベッドでゲームにログインすると、昨日のプレイヤーの列はなくなって、普通に通れるようになってた。


 よし、今日は頑張って進化目指そうかな。

 明日からはイベントが始まる、聞くとキールさんは別に戦闘が得意なわけじゃないみたいで、自分の他にも結構な数のプレイヤーが進化し始めてるらしい。

 レベル的には私もそろそろのはず。


 森の中は街と違ってそれなりにプレイヤーがいた。前回と一緒で道中の敵を倒しながら進んでいると、かなりの数のモンスターの気配を察知して行ってみると、崖にできた横穴を見つけた。


 気配察知を使ってさらに細かく探ってみると、それなりに大きな穴なのがわかった。

 同じところにいくつも気配を感じるから多分一種のモンスターが沢山住み着いてるんだと思う。


 この数は流石に面倒だけど、レベル上げにはちょうど良さそう、最悪死ぬかもだけど途中までの経験値は入るし、入口を一時的にでも塞いじゃえばモンスターが外に出てくることもないと思う。


 早速中に入ってから土魔法で入口を塞ぐ。

 明かりも光魔法があるし探索自体は簡単、そう思っていたけど早速トラブルが、入口を完全に塞いだから中の酸素が明らかに薄くなってる。

 これは完全にやらかしたなぁ、あいにく今は酸素を作れるような魔法も道具もないんだよね。

 どうしようか考えていると、薄くなってた酸素がある程度薄まったところで止まった。

 考えられるのは他に出口があるのか、中で何かしらの方法で酸素を確保してるか。


「取り敢えず進んでみるかな」


 酸素があるなら探索も続けられる、引き返す必要も無くなったから進んで行くと少し広めの空間に着いて、中には結構な数のゴブリンがいた。


「定番といえば定番だけど」


 兎に角数が多い、気配察知がまだそこまで性能が良くないのはわかったけどこんなにいたんだ。

 1匹のゴブリンがこっちに気付くと、他のゴブリンも私を見つけて次々と向かってきた。


「しょうがない、ゴブリン相手に負けたくもないし……全員倒すよ」


 私は向かってくるゴブリンに向かって魔魂装で作った大量の剣を握ったり、飛ばしたりしながら切り裂いていくと、次々あっさりと倒れていく。

 そういえば私ステータスが結構強化されてるんだった、それと合わせてスキルで作った剣の攻撃に補正がかかってるってことは、スキル攻撃力アップは魔魂装で作った後の武器にも有効ってことになる。

 改めて思うと今の私って結構強い方なのでは?


 向かってきたゴブリンも倒し終わって、死体も一応回収し終わると、私は人型のモンスターを倒した割にあまり思うことも無くて、なんでか思うけどやっぱり理由は一つだけだった、そんな私は今倒したゴブリン達にこういう。


「次はケモ耳生やして出直すといいですよ、そしたら倒す前にもふもふしてあげます」


 さて、レベルも上がって順調だし、このままどんどん行きますか。

 先に進むと、さっきのゴブリンとは違って武装した個体がちらほら見るようになってきた。


「ギギャアァーー!?」


 上位種なんだろうけど、そこまで強くはなかったね。

 さらに進んで行くと、他の気配に比べて明らかに大きな気配の個体がいる。

 今の状況からここのボスだろうけど、これは行けるのかな。


 中を見るとボスらしき大きなゴブリンと、その周りを杖を持ったゴブリン、その周りで守るように剣と盾を持ったゴブリンが横一列に構えをとってた。

 これは多分私のことはバレてるかな、なら堂々と正面から切り込むしかないね、魔魂装の使い方もいくつか試したいし、さっきまでよりも数は少ないから多少余裕はあるでしょ。


 気持ちを整えてから中に突っ込むと、やっぱりバレてたみたいで、後ろで杖を持ってたゴブリン達から魔法が次々と飛んでくる。

 大丈夫、こういう場面でこそ私の考えた魔魂装の使い方が役に立つ。

 私は飛んでくる魔法に向かってスキルで作り出した短剣を次々ぶつけて潰していく。

 最前列を固めてるゴブリン達が私の前に出て来て囲もうとするけど、私はもうひとつ魔魂装の使い方を考えてる。

 私を警戒して囲みに来ていたゴブリン達の足元、地面から私はスキルで武器の刃の部分だけを作って次々と串刺しにしていく、途中何体か杖を持ったゴブリンも巻き込んで、残すは杖を持ったゴブリン数匹と、中央の大きなゴブリンだけ。


 するとほぼ一瞬のうちに自分の手下が減らされて焦ったのか、たまらず武器をとるデカゴブリン。

 さてここからが本番かな、大きいのがたったことに慌てて魔法を唱えだしたゴブリン達だけど、動かないならただの的、さっきと同じで串刺しになったゴブリンの死体が転がる。


「さて、これで一騎打ちです、大人しくしなくていいけど経験値になってね」


 向かって行く私に対して、デカゴブリンはただ手に持つ大剣を力任せに振るうだけ、それじゃあ私には勝てないかな、本来なら苦戦する相手なんだろうけど、私は進化前でステータスはどれも3桁でところどころ4桁のところがある。

 相手がボスってことだけど力の差がかなりある上にこの戦い方は致命的すぎる。


 私は次々振るわれる剣を躱しながら、素早く背中に回ると、そのまま背後から首を斬り飛ばす。

 首が無くなった身体はそのまま地面に倒れて動かなくなった。

 しばらくすると今1番欲しかったインフォが流れてきた。


『レベルが30に到達しました、進化が可能です』


 やっと来た、それと地味に長かっね。

 すると続けてもうひとつインフォが来た。


『ゴブリンキングの討伐により、称号『ゴブリンスレイヤー』を取得しました』


 あのデカゴブリン、王様だったんだね。どれどれ早速スキルの確認でも。



称号 ゴブリンスレイヤー

·ゴブリン特攻(極)、ダメージ軽減(極)

·ステータスポイント+15、スキルポイント+10

 ゴブリンの王を討ち取った者に贈られる称号、その効果はゴブリンへの特攻だけでなく、ゴブリンからの攻撃を軽減させる。



 洞窟を塞いでまで1人で探索したかいがあったかな、王を討ち取ったんだからこの称号は多分ゴブリンキングに最後の一撃を当てなきゃダメなんだと思う、それと説明だとゴブリンからの攻撃の軽減って書いてあるけど、特攻の方と違って個体名を指定されてないからもしかしたら他のモンスターにも有効なのかも。

 やったねこれでまた一歩人外に近ずいたよ。

 あまり嬉しくはないけど、ゲームならおっけいかな。


 それより今は進化先を見なくちゃ。

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