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無題。

作者: .apollo






私は何者か。




私はどうなりたいか。




どう生きたいか。






―――つまり、どう死にたいか。











全てが虚しい。



生産性がないことは分かりきっている。



ただ時間を消費するだけ。



でもどこにも行けない。



ここから出たいと



いつも思っているのに



目指す場所が見つからなくて



行きたい場所がいまだないからと



モラトリアムに(ひた)った気でいる。









なりたい自分がないわけじゃない。



やりたいことだってもちろんある。



でもそこに行き着くまでの道のりを想像して



気後れする。



いつのまにか道から降りている。



あれだけ感じていた虚しさ



未来への不安、恐怖心を忘れて



怠惰になり下がる。



とかく人は忘れる生き物だ。









こんな私がどうして変われるだろうか。



いつになったらここから脱け出せるだろうか。



私は今本気で脱け出したい。



何に代えてでもここから出て



何の迷いもなく心の底から胸を張れる道を



歩きたいと思っている。



死ぬほど感じている。



けどその思いも



今日寝て明日の夕方くらいには



きっとほとんどなくなっている。








こんな自分が変われるには



何かしらの環境の変化や



何かしらの強制力が働かなければ無理だろうと



私の理性は告げている。



ここまで脱出への思い、革命への思いが



高まって、(あふ)れて



(みなぎ)っているにもかかわらず



外的要因がなければ変わり()はしないと



冷静な私の理性は告げている。









ここに来て私は、絶望を感じる。



もう私はひたすら



この生温かく居心地の良い



泥沼のような場所に



()かったままなのかと



そう思えば、涙さえ出てくる。




何も変わらない



時のとまった場所。



自分の老いだけがとまらない場所。



ここにいてこの先



全く何も変わらないのであれば、



()()()()()()()()()()()()



()()()()()()()()()()()()()()()
















―――ならばいっそ()()()()()()()


だって、何も変わらないのだから。
















この時



今この時をもって



私は死ぬのだ。



もう決めた。



怠惰で 怖がりで


恥ずかしがりで 分からず屋の


私という人格は



脱け出せない日々に絶望し



死を選択した。

















そこに()()()()()()()問いかける。


「体は置いていったらどうだ?」と。
















確かに。


もう自分には、体は必要ないか。




当然のように納得し、体を置いていった―――




















残った私は何だろうか?



この私は何者だろうか?



これからどうすれば良いのだろうか?



残り物で余り物の私は何なのだろうか?


















私は何者か。



私はどうなりたいか。



どう生きたいか。



つまり、どう死にたいか。
















生きるといふことは


死ぬことと見たり。


散り様こそ人の生き様なりけれ。




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