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世界最後のライブをあなたに。  作者: 高橋テツヲ
3/3

イントロpart3

 学校探索から1週間。

 文明崩壊からかなりの時間が経ってきて、至る場所から腐った食料の匂いや、カビの匂いが酷くなってきた。もちろん自分が一つの街の家をすべて掃除して回り、草むしりやらなんやらをする暇などあるわけがない。生きるだけで精一杯なんだ。

 そうしていつもの寝床から起き上がり、学校から持ってきた食料品の段ボールを開ける。

 乾パンの缶を一つ取り出し、無機質なステンレス製のありふれた机に置いた。

 食事の前に新しい服に着替えた。テレビ局跡からほど近い場所は市街地となっており、服屋の跡からいろいろな服を拝借してきている。

 着替えが終わったら屋上に置いてある雨水タンクの雨水をろ過した水で手を洗う。ろ過装置は小学生の頃に見た図鑑を参考にした自作のものだ。

 椅子に腰かけ先ほどの乾パンを食べた。ぱさぱさとしたクッキーにも似た食感は嫌いではない。だがたまに、肉や野菜などの食材も食べたくなる。

 とりあえず今日は本屋から持ってきた農業系の本を読みながら、野菜を育てる準備をしていこうと思っている。

 

 しばらく読んでみて、秋ジャガイモを育ててみようかと思う。アツアツのじゃがバターを是非食べたいものだ。バターはないから塩でも適当に振りかけようか。

 早速畑を作るための土地なども探してみようか。

 記憶が正しければ拠点から南にまっすぐ大通りを行って、3つ目の大通りに出て、左折して、次の大通りを右折してまっすぐ行けば、いくつかの畑があるような地域にでる。だがその地域は一切手入れなどしていない土地なので恐らく背丈ほどの草が多い茂る小さいジャングルのようになっていると思う。それに、遠すぎるし、大地震が起こったら津波も来る可能性もある。

 とりあえず、ジャガイモを育てるのは拠点の真横にある鉄道の高架跡の上にでも作ればいいだろう。

 さて、続いては育てるために必要なものとかだが、桑、スコップ、土、肥料、バケツ、ジョウロ、種とかだろう。これらのものは拠点から南に大通りを行き、一つ目の大通りを左折して少し行けばつくホームセンターで手に入れればいいだろう。

 ということで、とりあえず必要なものを手に入れるために車を停めているところに行って、出発させた。

 拠点の前の道もだんだんと草木が大きくなってきて、人がいないことを物語ってきている。

 10分もしないうちにホームセンターに着き、必要なものを車に積み込み始めた。家具の運搬に使った軽トラを今回動かしてみたが、これでもかなり詰めて荷物を積み込んだ。

 土はどのくらい必要なのかわからなかったのでとりあえずできるだけ多めに詰め込んだ。

 ホームセンターに来てみて、必要になりそうなものが多くあったのでそれらも一緒にもって帰ることにした。草刈り機もあったので、一緒に持ってきた。

 

 拠点に帰ってきて大事なことに気付いた。


 「高架橋ってどうやって登ればいいんだ…?」


 一番根本的なことを見落としていた彼は問題を解消するために近くで高架橋に登るための方法を探そうとしたが、拠点のすぐ近くに非常用の階段があるのが見え、そこから線路に上がった。

 線路は草が多い茂っていた。

 とりあえず、すぐにエンジンを起動させた草刈り機で周りの草を刈り上げていった。

 邪魔な草の束は高架橋の下に投げ捨てた。

 そして、レールとレールの間に土を入れていき、入れ終わったら水を上からたっぷりとかけた。

 ホームセンターで肥料を探していたのだが、土を見つけたときに一緒に腐葉土も見つけ、有機野菜のほうがいいと思い、肥料は今回は持ち帰らず、代わりに腐葉土を持ち帰った。

 今入れた土と一緒に腐葉土も混ぜて、養分がたっぷりありそうな土となった。

 そうしたら種をまき、埋めて、水をやるといった作業を繰り返していった。

 できる限りの量を植えたので、豊作となるといいなと思いながら非常階段を下りて拠点へ戻った。

 

 拠点へ戻ったら、まず靴の泥を落として着替えた。畑仕事のあとはかなり疲れていて、すぐにでも風呂に入って休みたいところなのだが、風呂を用意するのに結構かかる。屋上で焚火をし、鍋で大量の水を煮込み、煮込んだら冷たい水とちょうどいいくらいの量を混ぜ合わせて適温にして浴びる。

 だが、今は夏の真っただ中なのでめんどくさい作業は省いて、水風呂に浸かるようにしている。

 暑い中での作業の疲れが一気に冷やされていき、疲れが取れていく。

 風呂上がりには乾パンと飲料水をのみ、ライトノベルを読む。


 夜になり、ランタンを付けて本を読んでいたが、さすがに疲れたのですぐに眠ることにした。

 

 もしも…もしも他に人がこの世界に居るのなら、明日会えればいいと思い深い眠りへと落ちていった。


  …………………


 昨日の練習で疲れていたのか、よく眠った。

 朝起きてみると午前9時だった。

 夏休み中だから別に遅刻という訳でもなく、今日もよく寝たなと思った。

 「ほら、仁朝ごはんできているから早く食べなさい。」

 母親がリビングから俺を呼んでいる。

 父親は仕事で福井に単身赴任中だ。たまに日本海で獲れる魚をこっちに送ってきてくれる。

 「おはよ~。今日はパン?」

 リビングへと着くとキッチンで食器洗浄機から二人分のコップを取り出してテーブルへと並べている母親がいた。

 「そうよ、手洗ってきなさい。」

 そうしてカウンターキッチンの前を通り奥にある洗面所へ入り、手洗いうがいをした。

 普段の肌色のタオルで口を拭き、手を拭き、ダイニングテーブルの席に着いた。

 「いただきまーす。」

 朝食はさっき言っていたように食パンがあり、それと目玉焼きの簡単なご飯だ。

 「今日は部活は無いの?」

 「今日は休みだから一日中家にいるよ。」

 「なら少し買い物手伝ってくれない?仁の新しい靴とかも買いに行くから。」

 実は最近靴のサイズが合わなくて新しい靴に買い替えようと思っていて、母親に話していたところだった。

 「んー、じゃあそうする。」

 「おっけ、それじゃ、ご飯食べ終わったら支度しておいてね」

 「はーい」

 俺はあらかじめ焼いておいてくれたトーストにバターを塗りつけむしゃむしゃと食べた。このバターは母親が近所のスーパーでは売っていない、少し特別なバターとして直売所で買っている。味はおいしく、バランスがすべてにおいて程よい好きなバターだ。

 そうしてあっという間に食べ終わったらいちごジャム、チョコも他の食パンにつけて食べた。

 「ごちそうさまでした。」

 「はーい、じゃあ支度よろしくね。」

 そうして洗面所に行き、歯磨きをして部屋へ戻って普段着に着替えた。

 母親は部屋で化粧をしているようでもう少し時間がかかるようだったので、ノートパソコンを開き友達と連絡を取り合う。 

 『暇ー』

 朝一からそんなことを言っているのは守月だ。

 『もっちゃん、それならこの曲コピーしてよ』

 そうして送ったのは、10年ほど前のアニメの曲だ。

 『いいねこれ~!』

 そうして新たな二人でやるコピー曲を決めた。

 『これさ、仁ちゃんだけじゃなくて大岡とかいまむーちゃんとかにもコピーしてもらってバンドでカバーしたい!』

 『あー、いいねそれ!ちょっと聞いてみよっか』

 『はーい』

 そしてバンドメンバーの全員入っているグループで提案したところ二人ともOKを出した。

 そうして連絡をしているうちに母親の準備が終わったらしく、母親の運転でショッピングセンターへと向かった。


 15分ほどかけてそのショッピングセンターへと着いた。

 「とりあえず、そこの靴屋でいい靴探してみようかしら。」

 母親の提案をもとにいろいろと靴を見てみたりする。

 「この靴でいい?」

 「そうね、じゃあレジ行くよ。」

 レジでの会計を済ませたらさっき言っていた直売所へ車で向かった。

 

 ショッピングセンターから直売所までは近く、車で数分で着いた。

 母親はカートに人参、ジャガイモ、枝豆、トマトとどんどんいろいろなものを詰め込んでいく。

 「仁、夕ご飯は刺身と手羽先のどっちがいい?」

 「手羽先でいいよ。」

 そして、カートには手羽先が追加された。

 最後にとても混雑しているレジへ向かっていった。

 レジでの会計を済ませると母親のエコバッグに大量の食材を詰め込んでいった。

 「さて、これで買い物は終わったし、帰ろっか。」

 「はーい。」

 

 家へ着くと今朝みんなで言っていたアニソンのコピーを早速始めた。

 アニソンとしてはそこそこ珍しいと思われるオルガンの音色を使った曲で、中級くらいの難易度だ。最低限両手引きができなければこの曲は弾けないだろう。

 そのアニソンを聴きながら耳コピをしていき、休憩もはさみながらその曲のワンコーラス分のコピーが完了した。

 「ふぅ、終わった…。」

 昼食は朝食で余った食パンの残りを食べ、午後は好きなライトノベルを読んでいた。

 

 夕方になってくると、本を読むのは辞めてパソコンゲームを始めた。

 中学生の頃に買ったパソコンのスペックはひどすぎて、なかなか重いゲームができずにいる。

 将来進学したら新しい高スペックのパソコンを購入したいと思う。

 今やっているゲームは日本で最近話題になっているホラーゲームだ。

 いろいろな配信者もやっていて、フリーゲームなのでパソコンさえ持っていれば誰でもできるのだ。


 「それにしても、こえぇ…」


 「仁、夕食よ。早く来なさい。」

 そうして朝食の時のようにリビングへ行き、その奥にある洗面所で手洗いうがいをして席へ着いた。

 「いただきまーす。」

 食卓にはご飯、味噌汁、サラダ、昼間に買った手羽先とヨーグルトという、一般的な夕食があった。

 その食事を摂りながらテーブルの近くにあるラジオを聞いていた。

 「…本日のテーマは日中関係についてです。中国の政治に詳しい船橋さんにお話を聞きましょう。」

 母親もそのラジオを聞いていた。

 「尖閣諸島に入ってくるとか、本当に困るわねぇ…」

 「…どうもこんばんは船橋です。今日のテーマの日中関係についてですが、率直に申し上げて、悪いと言わざるを得ないでしょう。尖閣諸島での領土問題や中国人による土地の買収など、様々な問題があります。今のままでは日本は中国に乗っ取られてしまうでしょう。なお、…。」

 日中関係については前々から多く言われてきているので、少し気になる部分もある。

 俺としては、戦争なんてせずに平和に暮らしていければいいと思っている。

 

 「いやな時代だなぁ…。」

どうも皆さんこんにちは!

新型コロナウイルスこと中国ウイルスは日本では大分収まってきたように感じますが、まだまだ気を付けなければなりませんね…

さて、先月誕生日を迎えて18歳となり選挙権を持ちました。

最近の政治だと都知事選が話題になっていますね。

皆さんも「自分一人の意見で何も変わらない」なんて考えず、ぜひ選挙に参加しましょうね!


今回もご愛読ありがとうございました!次回もお楽しみにしてください!

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