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詩集Ⅲ  作者: 蓮井 遼
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詩「狭隘」

感動した歌を聞いたので、こういう詩を書かずにはいられませんでした。

南北緯度、地球は広いのか狭いのかわかりません。


去った者も

生まれている者も

産まれてくる者も

分け隔てなく

血肉となった動物も

人を慰める沈黙の樹々も

変わりなく

全てがこの感動の最中

渦に溶けている

次に免じて備えはせず

あーおーうー

遠のいてゆく


現れることと現れないことの境界に

涙を垂らして空の脊椎が

輪を投げ続け形になって

有る時代に阻まれつつも

無類の彷徨に導かれては

感化され歩みを止めぬその者たち

終わることも遺すことも不確かで

生きるということは有るということで

するということで


この育った観念が

誰かの観念に憑依しているとは気づけるだろうか

今は亡き者も

私も

誰も

あの子も

似ているということを知っているだろうか

どうして命を食らい続けねばならない

それで泣くことを知っているのに

どうしてそうまでして有ろうとしたものを

手放せすことになるの

奪い合った命は記憶から払いのけてゆく

この宇宙空間は

言語とかけ離れた直方体からは

卑劣極まりないだろうか

その場でおとなしくいようとする

ただあまりに近づけば騒々しく

あまり虫たちと変わらない

ただ羽を広げるには巨大になりすぎた

虫たちも鳴く

稼いだり恵まれたりして生き延びる

命であることには囁きであることには

他ならない



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