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詩集Ⅲ  作者: 蓮井 遼
4/30

詩「2時34分から3時33分」

お読みいただきありがとうございます。


全てがここまでだったとして

僕は何を残せたのだろう

書き上げたシナリオも

時間が育んでくれた交流も

削がれていく感じがする

丁度ジャコメッティの彫刻のように

黄昏に憧れるゴブリンのように

自分のなかに思いは残らず

それは宙に漂うかのようだ

ここまでのルートを忘れてしまったかのように

夢から覚めて混乱するかのように

確かにあったと言える時間が

あまりに遠くてもはっきり見える

僕はここから来たのだ

でもどうやって辿ってきたのだろう

肝心なのはどこに向かうかと本は伝える

でも彫刻は道を歩き回っているように見える


あのガリガリの人達が手を繋いで

何かを抱きしめている

それは唯一のもの

あのガリガリの子がサッカーボールで

リフティングしている

それが大切なもの

あのガリガリの人がソファで映画を観ている

それが満ち溢れているもの

まるでなんでもできるかのようだ


規定することはできない

ただ変わり続けるから

何者にでもなれるから

自らを失ってゆく

でも何者にでもなれるなら

歩き回る面白さがある





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