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ぐらり
その人は既に居なくなったが
布団に籠もって寒さをしのぐと現れてくる
じぶんも誰かにとってそうなるのだろうか
人の数は多すぎるというけれど
その人の代わりはいないし
死んでいなければ
どこかで生きているという
この当然の承
日曜日の朝に死にたいと目を覚ましたら
布団ごと吊り橋の上だったら
ひとまず生きようとするだろう
身の震えを布団でくるまりながら
いよいよ布団が当たって橋が揺らぐなら
橋の下にでも投げ捨ててしまうだろう
誰もが主人公というのはよくわからないけれど
誰もに自由な生き様があるのは当然の気づき




