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しにたいしもち
心をさらけ出したことによる何かが、誰かに伝わったらいいなと思いました
しにたいイシモチ
泳ぎつかれて
釣られてみたけど
針にひっかからない
もう沢山を
自分で決めちゃうイシモチ
魚の命も長いぞと
自分の生き続ける理由を知らないイシモチ
訳よりも咄嗟に放りたい自分の命
でも叶わずに失われた魚を前にして
イチモチは僕はまだだと思い知る
潮の流れだけが早すぎて
好きなメロディーをどこかに落としていた
ゆっくり呼吸はできそうだ
あぶくの遮断もできそうだ
僕も僕のままか
いろいろとため込んで
いろいろと記憶を預けて
それでもしにたいなんて
わがままなのかな
長いようでいて短くて
短いようではるかに広い
きょうもげんき
しにたいイシモチのこと




