表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の滅亡ルートが回避できません!?  作者: 楓禾 捺瑪
=初恋の攻略者=
9/64

8


レイラが自活できるようにしようと決めたはいいが貴族にとっては非常識な振る舞いであるため、すぐに実行とはいかなかった。身支度させることですら大騒ぎだった使用人達への説得が困難を極めた。

主人のする事ではありません!キッチンは貴族様禁制です!使用人達から仕事を奪う事はいけません!などなど、侯爵家の教育が行き届いたプロ使用人達は悪く言えば頭が硬い。

実家の使用人たちは教えるなら徹底的にと、まだ埃がありますよお嬢様とかお茶が温いですよお嬢様とか味が濃すぎて素材の味が台無しですよお嬢様とか思わず姑かよ!って言いたいほど受け入れてくれてたのに。


「彼らには彼らの矜持があるからね」

「それは分かっているけど・・・」


旦那様はレイラの為だと思うならとあっさり承諾してくれた。元々私が身支度や自活を進んでやる事を知っているからだ。


「教えるのは私なのだし彼らの手を煩わせるつもりも仕事を奪うつもりもないのよ?場所と道具を貸してくれればいいだけなのに、それすらダメだなんて」

「うーん。それならいっそのことディアナ専用で別館を建てようか」

「別館!?い、いえいえそれはダメです!」


なんでもない風にさらりと言う旦那様に私はギョッとして勢いよくソファーから立ち上がった


「君は宝石やドレスを必要最低限しか買わないし、無駄遣いと怒るからプレゼントもあまり贈らせてくれないじゃないか。せっかく必要なものができたのだから私にプレゼントさせてほしいな」


同じソファーに座っていた旦那様は私の両手を握りしめ、ダメかな?と私の顔を見上げた。

くっ!旦那様の上目遣い、愛おしすぎる!!


「わ、わかりました!でも建てるのは館ではなくて小屋にしてください。平民の家規模のものが良いです」

「うんうん、希望通りにするよ」

「それから、その、できれば領地にも同じものを建ててほしいです」

「かしこまりました、奥さん」


図々しいおねだりなのに嬉しそうに微笑みながら承諾してくれる旦那様におもわず抱きついた。

私は本当に幸せだ、子供達にも絶対こんな幸せをあげたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ