3
攻略対象その5、コリン ラピスラズリ
ゲームの舞台である国立ジュエル学園の教師で22歳。貴族で子爵家の子息でもあるが教師なのに無気力で飄々とした何を考えているか分からないキャラである。故に攻略難度が一番高い。
教師と生徒の禁断の恋愛自体が障害となるため、恋路を邪魔する障害である悪役令嬢は必要なくて唯一娘が登場しないルートだ。恋のライバルとして他の公爵令嬢が出てくるがこの令嬢は最終的にはヒロインを認め応援にまわるので娘とは違い断罪などはなかった。
ルートに入るまではヒロインを虐めた事実のある娘の婚約破棄は行われるが、それ以外に断罪はないので彼は気にすることはないだろう。
以上の5名はゲームスタート時から登場するが、最後の1人は娘の婚約破棄イベント時に誰のルートにも入っていない場合に登場する隠しキャラがいる。
攻略対象その6、パトリック ルビー
近隣の国であるルビー王国の王子、16歳で女性が苦手な純情ヘタレキャラ。交流留学の名目で登場する。
この段階で悪役令嬢はヒロインをイジメた事実があるからハッピーエンド・ノーマルエンドの結末は修道院行き。
ところがパトリックのバッドエンドとパトリックルートに入らなかった場合のハーレムルートでは娘が死ぬのである。
この2つの死に関わるキャラクターが
アメリア ルビー
パトリックの双子の姉でルビー王国の姫。
パトリックと共に留学してくるサブキャラのひとりなのだが、ヤンデレの冷酷なキャラでヒロインを溺愛するあまり暴走して悪役令嬢を誘拐し自ら拷問して殺してしまうのがパトリックのバッドエンド。
暴走はしないけどまたヒロインを害さないように命じて娘を暗殺するのがハーレムエンドだ。
とんでもない姫だよ!
婚約破棄イベント時に5人のルートに入っていれば隠しキャラのパトリックルートとハーレムエンドは回避出来る。
しかしイベントを把握してても親である私が学園に干渉することは無理だ。そもそも娘は必ず婚約破棄されるから名誉は傷つくし、ヒロインが教師以外と結ばれれば断罪されるのだ。
「うーん、やっぱり娘がヒロインをイジメるような子にならないように教育する事が必須よね」
「うーあっかーしや」
いつのまにか私の座っている椅子の足に娘が掴まり立ちしている。悪役令嬢補正のせいか釣り目だけど瞳は旦那様と私の色を合わせたような深い青緑色で髪は私と同じ銀髪で・・・紛れもない私と旦那様の宝物。
ゲームの結末には絶対させない。
「母様が頑張るから」
抱き上げた娘に呟くと、無邪気な笑顔が向けられた。
正月休み中にもう少し頑張りたい