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イルカディア帝国物語  作者: KirinK
ギルドナイツ編
9/27

ギルドナイツ戦線、開戦

イルカディアを出発したイリアたち、向かう場所は覇者神殿。

そんなイリアたちの前にギルドナイツが立ちはだかる


そしてイルカディア郊外、村ではすでにギルドナイツの進攻が始まっていた…

――翌日、イルカディア郊外

「こいつら…こんなやつらが相手なのか…?」

 一般兵小隊、最後の1人が呟く。ギルドナイツの兵士数名と目の前に1人の女…金髪の二刀流使い…


「これは早く隊長たちに伝えなくては…」

「……ッ!」

 術式を取り出すそうとした腕、肩から手のひらまで4本、剣が刺さる。


「サプライズだ、俺たちが来てるのはな」

 後ろのギルドナイツの兵士たちが話す。


「悪いな、強き者が生き、弱き者は死ぬ、それがこの世界の摂理だ」

 金髪の二刀流使いはそう言うと、最後の1人へと剣を突き刺す…無数の剣が…


「ここからお前たちが先導しろ、私は少し後方から援護をする、私の間合いからは出るなよ」

 そう言うと女…フィネは魔法を唱え、姿をくらませた。



――同じくイルカディア郊外

「急ぐぞ、普通に考えりゃ少しは村へと見張りを置くはずだ」

 ラルドは大声で話す。今再び俺たちラルド、リアロ、セラ、俺の四人で小隊を組み、覇者神殿へと向かっていた。ラルドは属性精霊を無理矢理説得し、俺を炎の覇者にするつもりであった…なんて強情な…だが手段は選んでいられない。ギルドマスター、ゼンを倒すためには覇者の力が重要となる。


「あぁ…もう待っているのか…」

 ラルドは馬を止め呟く。前方には前日の倍近い人数の男たちが武器を持って構えていた。


「あんまり消耗したくないが、行くぞ、こいつらはしつこそうだ、馬を潰されるなよ」

 そういうとラルドは飛び降り、足にマナを流し、突進する。それに習い、リアロ、セラも走る。

 俺は剣を抜き、一瞬ためらう。が、悩んでいられない。生きるか死ぬか…ただそれだけだ。



 雄たけびを上げながら俺は敵兵士へと走る…一番近くにいた兵士へと渾身の力を込めて斬りかかる。魔法壁は破った。そのまま追撃…前日の感覚が再び俺の手、腕、全身を襲う。だが止めない。腹に突き刺した剣を振り切った。兵士は膝から崩れ落ちる。

 

 兵士は最後の抵抗と言わんばかりに、剣を俺に向ける。だがそれを弾き、首へ目掛けて剣を振り抜く。兵士の首は宙へ舞った…血を流しながら。


 俺は二人目へと目を向ける。すでに斬りかかってきているが、それを剣で受け止める。しかし、重く弾くことが出来ない。


 不意に剣が軽くなる。セラがそいつの首を折ったのだ。倒れたそいつ向けて俺は剣を突き刺す。少し動いていた動きがゆっくり、ゆっくりと…止まった。

 次だ、次だ!! 次だ!!! つぎ!!!! つぎ!!!!!!!!!!











「…剣折れるぞ」

 …ラルドに肩を叩かれた。気づけばギルドナイツ兵士は皆血を流して倒れてる。俺は…すでに倒れた兵士に向かって剣を刺し、叩き切っていた。何度も何度も何度も何度も…顔が、いや人間かどうかもわからない肉塊となるまで…

 息を切らしていた。俺は立ち上がる、ラルドに肩を支えられながら。


「行こう、もしかしたらここから先も待ち構えているかもしれない」

 ラルドはそう言って馬に跨る。


「イリア、これ使っておけ」

 リアロから術式符を手渡された。

「それ使えば、剣の切れ味が幾分か戻る…結構消耗しただろ?」


 よく見ると俺の剣は刃こぼれを起こしていた。…ここから先何戦か続くだろう。ありがたく受け取り、術式を使った。

 馬に跨ったが、途端にどっと疲れが出てきた。ここで初めて俺は人の命を奪った実感が沸いた。一体何人の命を奪ったのだろうか…いや、こいつらは俺たちを殺そうとした、だから殺したんだ。そう…言い聞かせるように馬を走らせた…







――覇者神殿、麓の村

「ん~~~久しぶりだからどきどきする…」

 男はつぶやく。足元には村の住民や戦士たちの亡骸がそこにはあった。


「我慢できなかったんですか…サクレンさん…」

 色白で病弱そうな肌は返り血で赤く染まる。


「だってよ~~俺らの目的は覇者になろうとするやつを殺すことだろ? こいつら生きてると邪魔でしょ」

 嗤いながら話す。ギルドナイツ兵士たちは少し顔を引きつらせながら、


「上に村長と生き残りの村人逃げていきましたよ…」

 そう話すとサクレンは、


「あ~おっけぇ~、じゃあお前らはここで見張っててくれよ…来たら術式で頼むぞ~、俺は生き残りを斬ってくるからよ」

 自前のダガーを舐めながら山を登って行った…












『サクレンという男は少しネジが外れていたな…』


『そしてフィネという女…この世界では珍しい体質を持ったやつだ…』


『*******************だな』

 全く聞き取れない、この声は何を語ったのだろうか…


戦闘表現は一生の課題である(二回目)

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