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イルカディア帝国物語  作者: KirinK
ギルドナイツ編
8/27

作戦

各部隊長たちと話し合い方針を決めたラルドたち。

その作戦をイリアたちに話すラルドであったが、イリアたちに重大な任務が課せられる…


「なぁ、お前らは人を殺すことに慣れているのか?」

 先ほどのギルドナイツとの戦闘を思い返し、リアロとセラに尋ねる。


「慣れるもんかこえーよ、心の中ではな」

 最初にリアロは返す。


「さっきもよ、今はこいつの首を斬っているが、もしさっき魔法壁が割れなかったら逆だったかもしれない、もし踏み込むのがワンテンポ遅かったら俺が死んでいたかもしれない。そんな考えがずっと回ってる」

 リアロは短剣に映った自分の顔を眺めながら話す。


「やらなきゃ死ぬんだ。それに変に手負いにしてもやり返されそうでそれもこえーだろ?」

 リアロは少し微笑みながら話す。


「私は…何も感じなくなってしまった…」

 セラは腕を組みながら話す。


「いや…感じているだろうが、何も考えないようにしているのだろうな」

「どうして…いやどうやったら…」

 セラに尋ねる。


「昔色々とあってな」

 そこでいったんセラは口を閉じる。


「過去にはいろいろあるんだ。お前もそうだろう? イリア」

 セラは俺に問う。


「あぁ、忘れたくても忘れられない、俺のような境遇の人たちを減らすためにも、俺はここにいるんだ…」

「なら、覚悟するんだ。この先その程度の意思では生き残れないぞ。ラルドの言ったことも間違いではない」

 …セラの言うことは正しい。村長が言ったこともつまりそういうことなのだろうか。

 覚悟…覇者となるためにも覚悟を持たなければならない。覇者となれば、俺の目標へも必ず…










――イルカディア城内

「ギルドナイツを全面的に叩く、これでいいのか?」

 強襲隊隊長ヴァダンは確認する。ちなみにリアロを連れてきたのはこのヴァダンだ。


「そう言ったでしょう、ねぇラルドさん。相変わらず強襲隊は頭が固いですね、覚えられないのですか?」

 魔装甲隊副隊長、ウィーシンが俺に確認をする。ヴァダンの舌打ちが聞こえる…


 こいつは長髪でちゃらちゃらしているが、実力は確かだ。魔法を同時に詠唱する二重詠唱も可能にしている。二重詠唱は魔術の真髄として才能に左右される。また才能があったとしてもその力に見合った修行をしなくてはならない。それを終えてようやく使うことができるのだ。イルカディアでは数少ない貴重な戦力である。しかし、常に一言多い。


「あぁ、徹底的に叩く、総合力ではイルカディアのほうが上のはずだ、今回は強襲隊、アサシン隊、魔装甲隊、魔導隊、あとは一般兵を小隊に分けギルドナイツ本部をこちらから攻める」


 ここでアサシン隊副隊長のヨンが手を挙げる。黒い鎧など暗闇に溶けるような装備を部隊全体で取り入れており武器も短剣や短刀など小回りの利き静かに殺すことが可能な武器である。特にこのヨンというやつは部隊の中でも変わった武器を扱っており、前聞いたときは「ジャマダハル」と言っていたか。闇夜に溶け敵を突き刺す様子は鮮やかである。ちなみにセラを連れてきたのはこのヨンだ。

 この部隊、主に偵察、奇襲、潜入などを中心に行う部隊だ。


「どうした、ヨン」

「隊長がまだ戻っていない」

 アサシン隊隊長…ヴェラッタか…常に何かの任務へと出ており、ほとんど戦争や戦線に参加することはない。だが単独で任務をすべてこなしており、その実績も確かである。


「あいつはいつも大事な時にいないな…今回もヨンが指揮をとってくれ」

 ヨンは頷く。なによりこの状況に慣れているのはヨンであろう。…もうヨンを隊長にしてもいいんじゃないか…


「あと、俺は新兵3人つれて小隊で動くから、一般兵分隊の指揮はバンホイルに任せるぞ」

 バンホイルが頷きながら、


「今回は珍しく新兵に関わっているなラルド、お前が新兵と小隊を組むなんて俺の経験上初めてだぞ」

 バンホイルが俺に話す。バンホイルとは長い付き合いだが、確かに初めてのことかもしれない


「まぁ…いろいろ考えてんだぜ、俺が指揮するから任せてくれ」

 俺は適当に受け流す。


「じゃ、他に質問はないようだし作戦を伝える、がおそらくあっさりと本部まではたどり着けないだろう、無駄なギルドナイツ兵を削っていくために、わざと迎撃させるように本部へと攻める」

「迎撃に来たギルドナイツ兵をアサシン隊、魔導隊、一般兵の部隊の一部で削っていく。釣り出しには強襲隊、魔装甲隊、一般兵の重装使いが担当してくれ。バンホイルは釣り出しの一般兵、削る方は…魔導隊、一般兵の指揮お願いできるか?」

 魔導隊隊長、スラリーに尋ねる。「了解」というように右手を挙げる。確か召喚術を研究しており、数多く使えるやつだ…あまり話したことがないのでわからんが。


「じゃあ、本気で行こう。イルカディアの力を見せつけてやるぞ」

 この言葉に全員の眼差しが変わり、席から立ちあがる。各々の部隊へと術式を使い指示をし始めた。俺もあいつらに指示を出すとしよう。










――兵舎周囲

「――というわけで、俺らはほかの部隊とは違う動きをするからよろしく!」

 ラルドが笑顔で話す。


「違う動き?」

 最初に反応したのはセラだった。


「そ、イリアを炎の覇者にする、その後ギルドナイツ掃討戦に混ざる」

 そうだ、俺は覇者にならなくてはならない。イルカディアのためにも、力のない人のためにも…


「あぁ、あと俺らには重要な役割があるから」


「何をするんだ?」

 俺は尋ねる。


 ラルドから笑顔が消え、真剣な表情となった。

「ギルドマスター…ゼンの討伐だ」

 その瞬間心臓の鼓動が早まる。ギルドマスターの討伐…?

 








 気づくと再びあの場所だ

『ギルドナイツとイルカディア…』


『まぁ、これから戦いが始まるのだが』


『この戦いで救われるやつは果たしていたのだろうか』


『まぁラルドが話した通り、アレキサンダーは得しているがな』

 声は笑いながら話す…その声はどこか寂し気だった


 イルカディアにいる人間を少し出しました。

今後深く関わる人もいればそんな深く関わらない人もいるかと思います…


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