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イルカディア帝国物語  作者: KirinK
ギルドナイツ編
13/27

目覚めた狂気

互いにダメージを負ったイリアとフィネ。

イリアはフィネへと詰め寄るが、思いがけない出来事が起こる

――炎の覇者神殿、入口

「はぁ……はぁ……」

イリアは息を切らしながら立ち上がる。一瞬だが気を失っていたようだ。左腕が動かない……折れてはいないようだが、魔法の反動だろうか。

周囲に目を配り、フィネを探した。だが、姿が見えない、手応え的には死んではいないはずだ。強力な古代魔法同士のぶつかり合いは、周囲の景色を変えていた。


不意に剣が飛んでくる。右手の剣でそれを防いだ時だった。

聞きなれない音とともにイリアの剣は折れた。剣が飛んできた方向を見ると、フィネが立っている。イリアと同じように息を切らせ、両腕を力なく垂らしていた。


「覇者か……マスターもこれほどの力を隠していると思うと、ゾッとするな……」

フィネがつぶやく。剣を2本召喚し、イリアへと走り出す、がそのまま前に倒れ剣が消える。


「私が、私がマナ切れだと……?」

力なくつぶやくフィネへとイリアは歩み寄る。


「3人を……どこへ飛ばした……」

イリアはフィネへと尋ねる。


「教えたところで、どうにもなるものか……貴様もほとんどマナは残っていないだろう」

剣は折れ、マナもない。だが、3人の元へと行かねばらならない。イリアは貰ったポーションを飲みながら続ける。


「いいから教えろ!」

その時。イリアは、宙に黒い羽根が舞っていることに気づく。


「なんだ……この羽根……」

イリアはそれを受け止め、まじまじと見つめる。鴉、いや鴉よりもそれは大きく、どこか不気味な雰囲気を纏っていた。


「なぜ、いや、ありえない」

フィネは動揺したように呟く。何かを恐れるような目。フィネが何かを恐れている様子は、イリアにも理解出来た。


バサッ、バサッ

「カカカカカカッすげーすげーーよ、これ!」

高笑いと翼が羽ばたく音がする。



サクレンだった。その姿に先程の面影はなく、表すのであれば「異形」。額からは黒ずんだ角が2本。肌は全体的に黒ずみ、背中からは黒い羽根に覆われた翼が生えていた。



「ギルドナイツから……クソ! たしかに殺したはずだったのに……」

フィネが呟く。それに対しイリアは尋ねる。


「なんなんだ、あの姿は?」

「イルカディアではまだ出ていないのか? まぁ、すぐに流行るさ」

フィネは呆れたように話す。


「“デビルの血玉”もっとも、“悪戯な飴玉”や“アナザー”などと呼ばれているがな、馬鹿らしい」

(何の話だ……?)

イリアは理解できない、フィネは何の話をしているのか検討もつかなかった。


「サクレン……貴様いつの間に“喰った”?」

フィネは立ち上がりながら尋ねる。


「ハハッ……気づけなかったのかよフィネ〜」

サクレンだったものは答える。体に赤色と黒色のマナを纏いながら。


「書いといたんだよ……口の中によ!!」

「転移術式……それも血玉と口の両方に刻んだのか」

笑いながら答える。フィネが小刻みに震えているのにイリアは気づいた。


「死ぬ瞬間によ〜〜口の中に飛ばして“喰ってやった”よ」

そう言うとサクレンは翼を広げる。再び宙に不気味な羽根が舞う。


「今からよ……復讐するんだ……あいつに!!!」

腰から術式を取り出す。それに赤黒いマナを込めると光がサクレンを包む。

フィネは剣を召喚しようとしたが、虚しくもそれは現れなかった。そしてサクレンは消えた。


「あいつとは……マスターか?」

フィネは座り込みながら、呟く。イリアはそれを見て、再び質問をする。


「なあ、忘れてないよな? 3人はどこだ?」

それに対しフィネは笑いながら答える。


「マスターのとこだ、本来なら貴様ら4人ともマスターの元へ転移させ、マスターがそれを殺す、私達はそれぞれの役割を命令されていた」

「だが、もう遅い……まさかサクレンが……デビルになるとは……クソ!」

フィネは地面を叩く。そこでイリアは思い出した。


「お前、マスターのとこまで転移術式を持っていないのか?」

だがフィネは再び笑い、


「持っていたとして、私がお前に渡すと思うか?」

だがイリアは引かない。


「このままだと、お前のマスターも危ないんじゃないか?」

「マスターに限ってそんなことは……」



「今のお前が助けに行ったとしても役には立たないだろう、だったら俺が」

イリアは続ける。一刻も早く3人の元へと行きたい気持ちを抑えながら。


「……あとでこっぴどく叱られるな……」

フィネは腰から術式を取り出す。


「いいか? これは共闘じゃない、たまたま行き先が被っただけだ」

そう言いながら、フィネは立ち上がりイリアの腕をつかむ。マナを込めようとするが、術式は展開されない。


「……悪いがマナを込めてくれ……」

イリアは焦る気持ちを抑えながら術式符を受け取り、マナを込める。

青白い光が2人を包み込む。向かうはラルドたち3人とマスター、ゼンの元だ。

ギルドナイツ戦線の決戦が始まる。






















気づくといつもの空間何も無い闇。


『デビル……デビルか!』

声は笑ったように呟く


『このあと――――にあうキーポイントだな』


『やつは変わったやつだからな』


『とりあえず、ギルドナイツとの戦いに終止符を打とう』

声はそう言った。どこか楽しそうに。


多忙により更新出来ずごめんなさい

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