プロローグ
R18タグを外して再掲しました。
こちらでもよろしくお願いします
――――どのくらいの時がたったのだろうか、わからないわからないわからないわからないわからない……
俺は生きているのか、死んでいるのかそれさえわからない。一つわかることは何も見えない、いや何もないのか……
明かりがついた。篝火のようだ。ふいに誰かの声が聞こえてきた、目の前に座っているようだ。
『久しぶりだね、とても長い間眠っていたようだね――。』
この声は……懐かしい、俺はこの声を聴いたことがある。だが今のはなんだ?この声が言ったことが聞こえなかった。
『――? 憶えていないのかい? あれだけ長い時を過ごしたというのに』
どうやら――というのは俺の名前らしい。しかしこの部分だけ何かにかき消されるように聞こえない。
『まぁ仕方ないな。あれだけのことがあったんだ。記憶が無いのも頷ける。』
そういえば俺は声を出すことができない。体を動かす感覚もない。自我だけだ。自我だけがここに存在しているようだ。
『――の記憶を戻すために今まであったことを振り返ろうか。』
『そうだなぁ…この物語は何から話せばいいのか……』
『簡単に伝えられればいいのだけれど、僕の言語力ではどうも伝えられないんだ。』
『でもこの話は是非とも伝えたい、多くの戦士たちの物語さ。魂に刻まれた物語。』
『少し長くなるのだけれど大丈夫かい? まぁ、時間はたくさんあるさ、もう何もないのだからね。
僕も時間を持て余しているんだ。』
『とりあえずまずはどんな世界に生まれどんな生活を送ってきたか、そこから話を始めようか…』
声がそう言った瞬間
あぁ…
なんだ…この感覚は…
まるで…吸い込まれるような……
目の前に広がるのは晴天、そして俺は……とある男の主観へと意識が変化する……