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凍結のダブルパーソナリティ  作者: 岩月敬一
プロローグ
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プロローグ

初めて書く作品です。暖かい目で見ていただけると助かります。

 そこはまるで地獄の様だった。いや、最早地獄と言ってもいい。


 あたり一面は炎が広がっており、死体も老若男女問わずそこら中に転がっていた。生存者らしき人物は誰一人として見当たらない。


「おいっ! おいっ!」


  そんな中、一人の少女を抱えている少年がいた。


 二人とも歳は11といった所か。少女のお腹には穴が半径五センチほど空いており、血が止まらない様子だ。

 少年はそんな少女の傷口に手をかざしている。


「待ってろ、今止血してやる!」


 そう言って止血しようとした少年の手を少女が止める。


「いや……もう手遅れだよ。そんなことより……頼みたいことが……あるんだ」


「いいから黙っとけ!」


「話を聞いて!」


 少女に気圧された様に少年は黙り込んだ。


「ありがとう……それじゃあ……お願い、この国を変えて、もう……私達みたいな……死に方をする人が……いなくなる……様に」


「いやっ! 二人でやるぞ! お前を今から助けて、二人で成長して、それから……それから……」


 言葉を続けようとするもどうしても涙で次が出て来ない。

 そんな少年に少女は微笑みかけ、


「ほら、泣かない……今から死ぬ人の前で……なんて顔してるの。それに大丈夫、君なら……絶対に……やり遂げられるよ」


「違う! そういう意味じゃない! 俺はお前とやりたいんだ!」


「もう……わがままだな……君は」


 少し呆れたようにそう言うと、少女は少年の頬に手をやった。


「大丈夫だよ、私が……死んでもあっちで……ずっと……見守ってあげるから。それよりも……早く行った方がいいよ、火が……もう……そこまで来てるから」


「けど……けど……」


「わかったら行く……頑張ってね」


「……わかった。じゃああっちでちゃんと見とけよ、俺が頑張ってるところ」


「……うん」


 これ以上反論するのは無意味だと考えたのだろう。言おうとした言葉を呑み込み、少年は覚悟を決めたように立ち上がり、少女の元から離れて行った。


 その顔から涙の跡は一切消えていた。さっきまで泣いていたのがまるで嘘の様だ。


 歩き始めた少年だったが、回り一帯は火の海と化しており、とても生身で抜けられそうではない。

 それでも少年は歩くのをやめず、火のすぐそばまで行く。


 そしてこう言った。


「凍てつけ」……と


 次の瞬間、あたり一帯は凍える様に寒くなり、冷気が目視出来るほどになっていた。火のあった方を見てみると、今まで燃え盛っていたのが嘘の様に消えていた。


 何が起こったのかはわからない。いや、すごいことが起こったのは確かだが、一体何が起こったのか正確に分からないのだ。

 ただ一つ言える事は人間技ではないという事だ。


「やっぱりすごいね……君は。きっとやってくれる……って信じてるよ」


 一度も振り返ることのない少年を見ながら少女は安堵の表情を浮かべた。


 しかし、安堵をしてはいけなかった。


 なぜなら、彼がどの様な方法でこの国を変えようとしているのか、彼女は知らなかったのだから……

面白く無くてもこれから頑張って面白くしていくので、ぜひ次話も読んで下さい。

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