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079 皆のお仕事

 


 俺が子爵に叙爵されると同時にブリュト島は正式に俺の領地となることは決定事項なのだが、人口が0人なので入植を進める話が陛下と父上の間で今でも持ち上がっている。

 勿論、俺はそれを拒否している。

 名目上は移動手段が俺の空間転移だけということで大量の人員の移動はできないと言って断っている。

 まぁ、移動手段が空間転移しかないのは本当だが、大量の人員の移動ができないって言うのは嘘ですね。

 事実と嘘を織り交ぜることで真実味を持たせている。

 それに子爵で領主の俺が部下や領民の移動で毎回のように転移をするのかって話を前面に押し出している。


 ブリュト島は俺の保護下で半人工的に色々な魔物を繁殖させる場にするつもりなので人を必要以上に入れる気はない。

 希少な魔物を保護して数は少なくても安定的に希少なアイテムを入手できるようにしたいのだ。

 なので陛下にはやんわりと、そして強くお断りをいれている。

 無理やり入植を進めようにもあの島は天然の要塞になっているから容易に上陸はできない。


 そんなブリュト島の拠点となる屋敷と周囲の開墾も完了した。

 拠点周辺に魔物が入ってこないように警戒にあたっているゴーレムは合計40体で、防衛型20体と攻撃型20体となっている。

 防衛型はオリハルコンのボディでランクAの魔物の攻撃であってもカスリ傷が付く程度の強度を誇り、攻撃型の20体はミスリルに神銀を少し混ぜた合金で軽量化を図り機動力を上げている。


 農作業用ゴーレムは20体で全て鋼のゴーレムで毎日田畑の世話をしている。

 地下資源採掘用のゴーレムも20体でこちらはアダマンタイト製のボディとして劣悪な作業環境にも耐えるようにしている。


 このブリュト島の地下資源は豊富でミスリル、アダマンタイト、オリハルコンなどの希少な鉱物が採掘できる。

 それだけではなく、希少な魔物も多く生息しているし、中央大陸では見られない植物も多いので、まさに宝の宝庫である。


「何なのよここは・・・」


「これはまた・・・」


「クリストフのことで驚くのは止めようと思っているのに・・・」


「こんなところが・・・」


 ブリュト島にある屋敷や田畑、そして屋敷の周辺で稼動しているゴーレム達を見たカルラ、ペロン、クララ、プリッツの順の感想である。


「フィーリア、4人の部屋割りを頼むよ。その後はお茶を入れてくれるかな」


「畏まりました」


 フィーリアが4人を引き連れて2階へ上がっていき、4人の部屋の説明をし部屋を割り当てる。

 屋敷の2階には部屋が10室ある。

 エントランスより階段を上がって左右に5室ずつあり、カルラたちは左側の4室を使うことになったようで10分ほどで5人が降りてきた。

 フィーリア以外の4人には個別に屋敷を建てる予定なのでしばらく生活できる部屋があれば良い。


「クリストフ・・・いや、いいわ・・・ボクはもう驚かないよ」


 俺は1人掛けのソファーに座っていたので、カルラとペロンが右側のソファー、クララとプリッツが左側のソファーにそれぞれ座って、カルラが何やら口を開いたが言うのを止めたようだ。


 フィーリアがお茶を入れてくれお菓子を出してくれたので、フィーリアも俺の対面に座らせ俺は話し始める。


「今現在、王都のブリュト商会で働く者を除き、私に仕えてくれる全ての者がここに揃ったわけだね。まぁ、これまでと変わらない面々ではあるので気心の知れている者ばかりだと思う。今後、ブリュトゼルス辺境伯家から移籍してもらう者もいるけど、その者たちはこのブリュト島に立ち入ることはないと今は思っている」


 ここで俺はお茶で喉を潤し、一呼吸おく。


「それはボクたち以外の者にはこのブリュト島に立ち入ることを禁止するってことかな?」


 カルラの質問に俺は首肯する。


「僕たち以外に立ち入りを禁止する理由がこの島にはあるってことかな?」


「ペロンの言う通りだね。実際に見てもらえば分かるだろうけど、この島には多くの宝が眠っているからね」


「その宝を独り占めするために出入りできる者を私たちだけにするということかしら?」


「人聞きの悪い言い方だけど、クララの言う通りだね。その宝で私は財力を蓄えるつもりだよ」


「ブリュト商会で稼いでいるのにまだ稼ぐの?」


「クララは相変わらず手厳しいね。でもこの島に入れるのが今のところ私以外は居ないし、希少な鉱石や植物、それに魔物などを見つけたのも私だし、得た宝をブリュト商会を通じて販売して財を成してもいいと思うんだよね」


「それらをブリュト商会で販売するってことはブリュト島のことは直ぐに分かってしまうのでは?」


「プリッツの言う通り、出所がこのブリュト島であるというのは直ぐにでも分かるだろうね」


「でも、この島には立ち入れないということだね?」


「そうだよ、ペロン。この島の周囲は断崖絶壁で囲まれており海から上陸ができないし、その断崖絶壁には数万羽のシーバードが巣を作っており仮に空から近付く者がいてもその者を追い返してくれるだろうね」


「シーバードって確かランクDの魔物よね?」


「単体ではランクDだけど、たしか他種族が縄張りに入ってくると大群で襲ってくるからランクBやランクAの力がある魔物だったと思うよ」


「カルラとペロンの言う通りの魔物だね。その魔物が外敵からこの島を守っているし、更に私が島の周囲に結界を施しているので、もしシーバードを抜けてきても私の許可がなければ上陸はできない」


「えぐいわね」


「そう言うなよクララ」


 頬を指先でポリポリとかいて、俺もそう思っているとアピールする。


「で、私たちの仕事は何かな?」


「まぁ、そう焦ることはないよ。まずは色々と見てもらって、その時に担当者を指名するよ」


 そして、全員を連れて先ずは地下2階の倉庫を訪れる。


「ここは倉庫と作業場だね。中を見てもらえば分かるけど縦横1000m。それだけのスペースが4つある」


 俺は一番近い扉を開けて入っていく。


「ここはこの屋敷の周辺に出没した魔物をゴーレムが駆除しているのだけど、その駆除された魔物の剥ぎ取りを行う作業場と倉庫を兼ねている。剥ぎ取り作業に関しては奴隷を数人購入してあたらせようと思う」


「僕たち以外にも人をいれるの?」


「自由に出入りできる者は私たちだけだね。しかしこの倉庫を含めて屋敷などの管理は私たちだけではできないから奴隷を住み込ませるつもりだよ。そうじゃないとプリッツたちに部屋の掃除までしてもらうことになるからね」


「それもそうだね。ボクたちだけでは全てを管理はできないね」


『(コクコク)』


 他の3部屋も見せて説明していく。

 さすがに希少な鉱石が保管されていたり、希少な魔物の部位が保管されていたので4人はビックリしていたが、何度もここを訪れているフィーリアだけは平常稼動だった。


「倉庫の管理責任者はプリッツにするつもりだよ。魔物と鉱物は日々増えていくから宜しく頼むよ」


 地下2階へは大きなリフトが地上に通じているのでゴーレムたちはそのリフトを自由に使って魔物や鉱物を運び込んでいるので消費しなければ日々増えていくことになる。


「僕1人で管理するの?」


「先ほども言ったけど、奴隷を雇うから魔物の解体と倉庫管理に何人必要か考えておいてほしい」


 次は屋敷の周囲を切り開いた田畑を見せる。


「ここは20haあるかな。今は半分の10haで麦を育てているけど収穫はまだ先だね。春になれば野菜も育てる予定だし、初夏になれば米もね」


「20haってそんなに開拓してどうするのよ? 私たちと奴隷が何人か、1haでも十分の食料だわ」


「穀物は余れば売ればよいからね」


 次は少し森に入り、自生している植物を紹介する。


「森は自然に任せればいいけど、ここに自生している植物は希少な物が多いから管理しながら収穫をする。簡単に言えば取り過ぎないように管理ね。先ほどの田畑とあわせてペロンに頼むよ」


「範囲が広いけど・・・頑張るよ」


「カルラは屋敷や周辺の治安維持の責任者ね」


「私だけ何か簡単ね。部下はつけてくれるんでしょ?」


「勿論だよ。どれだけ必要か考えておいてほしい。後、これは全員なんだけど奴隷を購入したら教育を施してやってほしい」


「教育ね・・・了解したわ。部下については明日までに考えるってことでいいかな?」


「そうだね、明日以降に王都や主要都市で奴隷を集めようと思うから考えておいて。あと、最初だから分からないことばかりだと思うんだけど、失敗してもそれを改善すればいいから根気良くやってくれればいいからね。奴隷も必要になった時には追加するから遠慮せずに言ってほしい」


「ちょっと、私の仕事はないの?」


「クララはしばらく王都の屋敷で働いてもらうよ。何でも屋になるけどよろしくね」


「了解~。部下も居るんでしょうね?」


「勿論だよ。それと最終的にはブリュト島は奴隷や奴隷から解放した者たちに任せる予定だからそのつもりで育ててやってね」




 

年始特別更新はここまでです。

以後は不定期更新で更新頻度は遅いですので

先にお詫びしておきます。

ペコm(_ _)mリンコ

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