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051 学生旅行4

 


 マジかよっ!

 本気と書いてマジと読むっ!

 パート2!


 盗賊のアジトに向わせた護衛騎士たちが、捕まっていた者たちを連れて村までやってきたのは日が暮れてからだった。

 捕まっていた者たちはまとめて奴隷商人に売られる予定だったので意外と多く21人もいたよ。

 で、盗賊17人と捕まっていた者たち21人を小さな村では抱えきれないということで俺がセジャーカの街に向かうのにあわせて一緒に連れていくことになった。

 村からは5台の馬車を供出してもらい盗賊を2台に押し込め、捕まっていた者たちは3台に分乗してもらった。


 で、冒頭の発言に戻るわけですよ。

 今はベレス男爵の手の者があの2人を取り戻そうと襲ってきているんだけど、ハッキリ言って相手じゃない。

 だって、俺が防御結界を張っているのにそれを突破できるわけがないよね。

 慢心しているわけではなく、客観的に見て俺の防御結界を破れる者がいないという結論に至ったのだ。

 そして移動砲台たちによる一方的な攻撃が加えられているということなので、追加で8人を捕縛し何事もないようにセジャーカの街を目指す。

 因みに死者は19人にのぼったので、しっかりと火葬をしておきました。


 まったく、何で貴族派はこんなにバカばかりなんだろう・・・

 俺が偶々バカに当たっているのかな?

 そういえば、『災い転じて福となす者』なんていうギフトがあったよな・・・

 これって面倒事に巻き込まれるっていうギフトなのかな?

 説明ではそんな感じではなかったけど・・・


 うちの移動砲台たちは結果的に盗賊や襲ってきたベレス男爵の手の者を何人も殺している。

 精神的に強いのかカルラとクララは盗賊を討伐し結果として殺してしまうのは貴族として当然のことだと、人を殺したことにそれほど嫌悪感はないようだ。

 しかし、ペロンとプリッツは最初青い顔をしていたし、昨夜も寝付けなかったようだし今も青い顔をしている。

 平民のペロンはともかく、プリッツは騎士爵家の嫡男なんだから人を殺す覚悟は持っていなければね。

 まぁ、覚悟があっても初めて人を殺した嫌悪感は襲ってくるかもしれないけど。

 ガンバレ男の子!


 ん?

 俺は嫌悪感がないのかって?

 そうなんだよね~

 日本人の頃ならあれだけの死体を見たら間違いなくパニクっただろうと思う。

 でも、こっちの世界に転生?したためか命に対しての執着と言うのか、なんと言って良いか分からないけど魔物や人が死んでも何も思わないんだよね・・・

 俺って殺人鬼?って思われるかも知れないけど、まだ人殺しはしたことはないからね。

 人を殺さなくても無力化できるだけの実力はあると思っているのでまだ人殺しはしていません!

 ・・・間接的には何人か死に追いやっているけど・・・


 夜襲や奇襲に備えながらセジャーカの街に到着した。

 結局ベレス男爵の二次攻撃はなかったが、俺的には肩透かしを食らった気分だ。

 でも襲撃があるよりはない方が良いけどね。


「クリストフ様、大変な目にあわれましたな。あとのことは私の方でお館様の指示を仰ぎ対処します」


「では、ジリザスにあとは任せますね。特にベレス男爵家の家臣の隔離と警備はしっかりと頼みましたよ」


「はっ!」


 このジリザスはヘッケナー・ジリザスというドワーフで、このセジャーカの行政官を任されている。

 ドワーフなので素行はややガサツなところがあるが、行政官としてはセジャーカの街をしっかり治めていると父上から聞いている。

 初めて会ったけど、人柄は良さそうだと思う。


 これで盗賊たちを引き渡したので俺の臨時のお仕事は終わった。

 でも護送途中、盗賊の幹部2人にクララが近付くと「ヒッ」とか言って怯えていたから幹部2人のクララに対する恐怖はしっかり植え付けられたみたいだ。

 ははは・・・クララは何もしていないけどね。

 思い込みって怖いね。


 それとウィックのナイフが刺さって(・・・・)しまった(・・・・)盗賊とベレス男爵家の家臣なんだけど、盗賊の方は気丈にも俺を睨んできたが、ベレス男爵家の家臣の方は目を抉られたのが相当ショックだったのか虚ろな目をしているよ。

 てか、盗賊君やお前を刺したのは俺ではないぞ。

 勘違いしないでほしいな。


 俺たちはジリザスが用意してくれた高級ホテルに案内され、まだ日が高かったので街中の散策をすることにした。


「ペロン、プリッツはどうする? 顔色が悪いからホテルで休んでいてもいいよ」


「何言っているの! ペロン行くわよ!」


「プリッツも行くよ!」


「日が暮れる前に帰ってくるんだぞ」


 可哀想にペロンはカルラに、プリッツはクララに引きずられて出かけてしまいましたよ・・・

 一応、4人にはそれぞれ2人ずつ護衛をつけているから大丈夫だと思うけど、ペロンとプリッツに関してはペアとなっている女の子が活発だからそれに関しては諦めてもらおう。


 ん?

 何でカルラがペロンを連れていくのかって?

 そりゃ~ね、分かるでしょ?

 え、分からないって?

 まぁ、あれだ、ぶっちゃけ、恋仲ってやつだ。

 気付いたらそうなっていたんで、おいらもビックリですよ。

 しかし・・・肉食系カルラと、草食系ペロンって・・・お似合いだよね?


 こんなことなら俺も誰か女の子を誘ってくれば良かった・・・

 な~んちゃって!

 誘う相手もいないんだから、ないものねだりはいけません!

 この世界にきて肉体が若返ったせいか全然性欲ってのがないんだよね。

 まぁ、あと数年もすれば嫌でも性欲まみれになるかも知れないけどね。


 では、俺も出かけますかね。


 

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