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1話「とある魔女の三つ目の世界」

……眩しい。

どこ……ここ……

私…は……


「だ、誰か現れたぞ!」

「せ、成功か!?」


あぁ……なんだろう……

よくわからないけど……


「この感覚、懐かしいわぁ……!」


「うわぁ!?」

「おい!ど、どうなってる!?」


久しぶりの感覚に慣らすように、少し風で遊んでやる。

すると、昔のように風が私の周りを纏い始めた。


「ふふっ、本当に久しぶり……」


「すまない!こちらの話を聞いてほしい!!」

「……あら?」


楽しくなっていろいろ試していると、どこからか声がする。

下を向いて見れば身分の高そうな人間が二人と、魔導士っぽい服装と騎士っぽい服装の人間が数人いることに気がついた。

そしてそれと同時に、自分の真下に魔法陣が展開された後があることにも気がつく。


(そういえば……()()()()には完全に魔力がなかったはず……それにこの場所は……)


少し冷静になりつつ、今するべきことを考える。

すたっ、と地面に降り立つと騎士らしき人間たちが警戒を強めた。

けれどそれには気づかないふりをして、玉座に座っている人間に向かって挨拶をする。


「これはこれは、まさか王様がいらっしゃるとはつゆ知らず、ご挨拶が遅くなってしまって申し訳ありませんわ。つい久しぶりの感覚で楽しくなってしまったの」

「あ、あぁ……こちらこそ、急に申し訳ない。いろいろ事情があったのだ」

「いえいえ、お気になさらず。それよりも、ここはどこかしら?」

「ここはガーランド王国。そして私はこの国の王、ドルトル・ガーランドだ。突然のことで驚いたかも知れぬが、我々の国は今さまざまな機器に直面している。そしてその状況を打開するために聖女を召喚することにしたのだ」


(これが俗に言う、異世界召喚とかいうものかしら)


「そして呼び出されたのが私……ということなのね」

「どうか……力を貸してはくれぬだろうか」

「私からもお願いする」


先ほど私を止めた人間が、王の隣から声をかけてくる。


「聖女様、どうか私共に力を貸していただきたい」

「……そうね」


ピリついた、緊張した空気。

私の謎の力に怯える者、興味本位で眺める者、返答を待ち構える者。

その中で、私は答える。


「……悪いけど、私に聖女は向いていないわ」


そう一言呟き、私は魔力を体に纏わせ、姿を変える。


「な、なんだ!?」

「おいみろ!聖女様のお姿が!」























「私は風音春。またの名をエアル・ウェント。人間に転生していた、風の魔女よ」










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