表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

10話「精霊とメイドの才能」

「なぁ春」

「どうしたの?」

「このいらすとというのはモデルがいなくても描けるのか?」

「まぁそうねぇ……モデルがいるに越したことはないけれど」


細部まで観察してかけるから違和感が少ないの、と説明すると納得したようにあるは頷いた。


「それじゃあ今描いたりできるのか?」

「もちろん、というか別にイラスト自体は機械がなくても描けるのよ」

「そ、そうなのか!?」

「まぁただの技術だもの」


私はそういうと紙とペン(実際にはようなもの)を用意する。


「それも精霊の力……なのか?」

「え?あぁそうよ。紙は原料は木だからクローリスから、ペンは……これは水と雲で代用しているからニンフとクヌトスからね」

「クローリスというのは……植物と言ってたか……?ニンフは初めに出てきた水の精霊だったな」

「よく覚えているわね、ちなみにクヌトスは雲の精霊よ」


一通り説明を終えると私は早速ペンを動かして一人の女性を描く。


「これは……春自身、か?」

「半分正解よ」


私の描いた絵を見て尋ねてきたアルに答える。


「これは……お姉様よ」

「……!」

「ふふっ、綺麗でしょう?私のお姉様」

「……あぁ」

「……また今度、あなたも描いてあげるわ。よかったらモデルになって頂戴」

「俺も描いてくれるのか?」

「えぇ、描くのは好きなの」


自分で描いたとはいえ、久しぶりにお姉様の姿を見た私はほんの少しだけ寂しさを感じる。

けれども、それを悟られないように笑った。

きっと、ここで寂しい顔をすればアルはきっと本当に申し訳ないと謝ってしまうだろうから。


「春様ぁ!!」

「あら……そろそろ時間見たいね」

「そうみたいだな。……それじゃあ、今日はエスコートさせてもらうからまた後でな」

「えぇ、わかったわ」


















「春様、どうですか?きつくありませんか?」

「えぇ……まぁ……多少は苦しいけどこれくらいなら大丈夫よ。というかあなた、これいつまで……」

「……ねぇ春様ぁ」

「ど、どうしたのよ……?」


ドレスを着付けて……いや着物じゃないから着付けというのはおかしいかしら、着せてもらっていると侍女がいわゆるジト目でこちらを見てきた。


「その“あなた”って呼ぶのやめません?せっかく春様付きのメイドなんですから名前で読んでくださいよぉ」

「……いやその」

「……もしかして春様、私の名前覚えてません?」

「……」


図星を突かれて視線を逸らした私に、メイドは頬を膨らませて私の目の前に回ってきた。


「んもう!じゃあもう一度自己紹介しますね!私の名前はリーファ、リーファ・トルリアといいます!」

「えっと……リー……リーファ、トル……トルトン……?」

「ト・ル・リ・アです!」

「……その、リーと呼んでもいい?名前覚えるの苦手なのよ……」


やっぱり覚えられなかった名前に覚えやすい名前を提案すると、メイド……リーはぱぁっと顔を輝かせて大きく頷いた。


「わかりました!うわぁ愛称とか初めてなので嬉しいです!あ、もしかしてアル様のことアル呼びなのって距離を縮めるために〜とかじゃなくて覚えられないからですか?」

「……正解よ」


私が名前を覚えるのが苦手というのを知ったリーはなぜかご機嫌で私の着替えの続きを始めた。




「さ!じゃあパーティに行く前にちょっとだけダンスの練習しましょう!ドレス着て踊れないと恥ずかしいですから!」

「い、いいわよ私は踊らないもの」

「ダメですよ!アル様にエスコートされるんですからもれなく踊ることになります!というか主役なんですから踊ることになります!」

「う……わ、わかったわよ……」


今まで踊るなんて、村の踊り子のような踊りしかしたことがない。

あとは二つ目の世界でダンスの授業で少し踊ったことがあるくらい……

フォークダンスなんてできる気がしない。


「ほら、アル様はダンス上手ですから最低限だけやりましょう。ちゃんと踊れるようになるのはもっとゆっくりで大丈夫ですから!」


そう言われて少しずつステップを踏んでみる。


「って春様うまいですね!?」

「裾を踏みそうになったらわからないように精霊たちの力を借りてるのよ」

「あ、さっきから春様の足元をチラチラ飛んでいるのってもしかして精霊さんだったんですか?」


さらっと言ったが、衝撃なことを口にしたリー。

私はゆっくりと動いていた足を止め、リーに尋ねる。


「リー……あなたまさか見えるの?」

「え?み、見えますけど……そこにいますよね?黒い髪の小人みたいな……」

「え!じゃあこれはこれは?リーファさん見える?」


視界に入っていたのが嬉しかったのか、シルフィが嬉しそうにリーの目の前で手を振ったりしている。


「ふふっ、可愛いですね〜、見えてますよ〜」


リーはシルフィが可愛くて仕方がないというような表情で手を振り返している。

どうやら見えるだけじゃなく、声もしっかりと聞こえているようだ。


(おかしい……リーからはあるほどの魔力を感じないのに……かなり少量の魔力でも大丈夫なのかしら……?いやでも流石にこの量の魔力は少なすぎるし……)


「えっと、春様?」

「ん?あぁ悪いわね、ちょっと気になっただけ。それよりリー、あなた魔力を持ってるのね」

「え?あ、はい、まぁ……」


でもなんで?というように頭を傾げるリー。


「魔力の量が多いとか質がいいとかじゃないと精霊の姿は見えないし声は聞こえないのよ。今までに不思議な光を見たことは?」

「あ、見たことあります。蛍みたいな……」

「多分微精霊ね。この世界の主な精霊よ。やっぱりリー、あなた魔法の才能があるわ」


しかし、なんだか嬉しくて(というより楽しくて?)口角が上がってしまう私と裏腹に、リーは寂しそうな表情をした。


「それ、昔先生にも言われました。……私魔法学校に通っていたんです、魔法使いになるために。……でも、だんだん魔力操作ができなくなっていってしまって。才能がなかったんですよ、私には」

ここまで読んでいただきありがとうございます。

活動報告でも報告したとおり体調を崩しておりまして……一週間ほど日が空いてしまってすみません。

おそらくこのようなことがまたあるとは思いますが、その際は待っていただけると幸いです。

よければ次回も読んでいただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ