悪女 ミリアーナ・ディアローズ
私が生まれ変わったと思われる、ミリアーナ・ディアローズは…悪役令嬢と呼ばれるキャラだった。
ディアローズ家はランロルクス王国の中でも、1、2を争う広大な領地と莫大な富を持っている。
そして、吸血鬼の一族だった。
吸血鬼は血を飲むことで、力や魔力を強化することができる。死ににくくなり、老いることもなく、美しさを保つ。
しかし、血を定期的に飲まないと…自我を忘れ血を求め暴れることになる。
こうなると誰かれ構わず襲うことになる。
昔、まだ、魔族と人が争っていた時代。
吸血鬼はたくさん人を殺し、人に殺された。
時代が平和になって吸血鬼は数を減らした。
吸血鬼の生き残りが築いた領地こそが、ここディアローズ領だ。
この一人娘がミリアーナ。
銀髪の髪はこれぞ悪役令嬢!という縦ロール。
生気を感じさせない紅い瞳。
吸血鬼特有の鋭い牙。
常に人に興味がないようで、冷たい彼女はだったが…その妖艶な美しさは人々を魅了した。
学園内には彼女を信仰する一派もいるほどだった。
そんな彼女が何故悪役令嬢と呼ばれるか…
ミリアーナは第一王子の婚約者であった。
その婚姻はディアローズ家の圧力、王家としても吸血鬼の能力、ディアローズ家を抑えるためのいわゆる政略結婚だ。
学園でも王子と彼女が話すところはあまり見られない。
そんな中…特待生のヒロインが王子と関わる機会が増えていく。
ミリアーナ信仰一派の者たちは、ヒロインへ嫌がらせをするようになった。
ミリアーナ自身はいつも通り無関心でいたのだが…ヒロインが光の聖女と呼ばれ、ストーリーが進むごとに、ミリアーナ自身がヒロインを攻撃するようになっていく。
自身の従者に命じ、ヒロインを暗殺させようとしたり…ミリアーナの残酷性や闇が次第に暴かれていく。
学園内でおこる謎の失踪事件の犯人もミリアーナだった。
吸血鬼である彼女が血を吸い殺していたのだ。
また、ディアローズ家は、禁止されている奴隷販売や危険薬物の製造、販売を行っていた。
モンスターゲートについても深く関わっていることが判明する。
真実にたどり着いたヒロイン達は、ディアローズ家を断罪する。
後が失くなったミリアーナは全ての魔力を開放し、自らモンスター化、ラスボスとして登場する。
それはあまりにも恐ろしく、美しい姿で…
彼女は失踪事件で殺した生徒たちをモンスター化させ操り、ヒロインたちと対峙する。
ヒロインに生徒たちについて聞かれ彼女はこうはなった。
「?罪悪感をかんじないのですかって…何を言っているのかしら。彼らは自ら望んだ。私に血を吸われたいと、一生私に仕えると。だから私は彼らを最大限使う。ただそれだけ。」
これをはじめて聞いたときは、舞と2人。ミリアーナについて語った。
こんな悪女生かしておけるか!とバトルにも力が入ったものだ。
ヒロインたちが無事にラスボスであるミリアーナを倒すと、物語は終わりを迎える。
好感度に応じたイベントが発生してハッピーエンドとなる。
ディアローズ夫妻は、長年の罪の重さから即処刑される。
魔力を全て使い果たしたミリアーナは、目覚めるまで魔結界の張られた牢に入れられた。
のだが…何故か忽然と姿を消してしまう。
牢は破られた形跡もなく。まるではじめからいなかったかのように…。
というのがエンディングなのだが…
実は1つだけ違うエンディングを迎えるルートがあった。
そして、そのエンディングが解明されたことにより、ミリアーナは以前以上の人気キャラとなった。