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レオナードの選択


この少女が何を考えているのか、分からないから演技をした。

一瞬で見破られちまったけどな。

組み敷いてみればわかる。自分より弱い、魔料操作だって俺のほうが上手いし…

なのに…なんでだろうな?

ちょっと力を込めれば殺せるのに…殺せない。

勝てる気がしない。脅しても無駄だった。

諦めて交渉に乗ってみると、面白いことを言ってくる。

どうせ、この話に乗っても乗らなくても奴隷にさせられるんだろう。

ならば少し、このおかしな姫に付き合ってみるか…と思った。


「いいぜ。その話乗ってやるよ。」

俺の言葉に満面の笑みを浮かべるその姿は、さっきと別人に見える。


「よかった〜。ありがとう!貴方が居てくれで良かったわ、レオナード!

あっ、レオナードって呼びづらいから…レオって呼んでもいい?」

…なんていうか、警戒したり考えたりするのも馬鹿馬鹿しくなってきた。


「おう、いいぜ。よろしくな、姫さん。」

俺の反応に一つ一つ喜びにこにこしてるのを見てれば、年相応の少女に見えた。

まぁ、悪い選択ではないなと思った。

その後、俺と姫さんは奴隷契約をした。

命令は書かないと言ってたけど、それを簡単に信じれるほど俺はキレイじゃない。

もし嫌になったときは逃げればいい。

そのためにも信用させとくか…くらいにも思ってたな。

ブレスレットの魔水晶は美しい赤色で、姫さんの瞳と同じ色だった。

他の奴らが戻ってくるまで、二人で口裏を合わせたり状況確認などをした。


その後。姫さんの両親たちが戻ってきて合流。

馬車に乗り姫さんの屋敷へと帰ることになった。

俺は黙って後を付いていく。

オーナーはまだ姫さんに怯えていた。

はっ、ザマァ。

馬車の中は気まずくて重苦しい。


「ミリアーナ、プレゼントは気に入ってくれたかしら?」

女が嘘クセェ笑みで尋ねる。

たしかにこれは、親子って感じはしねぇな。


「はい、とっても!お母様、お父様今日はありがとうございます!」

「気に入ったならいい。…そういえば、オーナーへ魔力を当てたらしいな。なんでだ?」


「ごめんなさい!…その、オーナーさんが私のものに手を出してくるし、あまりにも視線が失礼すぎて、怒ってしまって…」

「そうか。魔力操作は誰に教わったんだ?」


「魔力は基本操作だけ庭師の方に教わりました。でも、まだあまり上手くなくて…調整を失敗してしまって…ごめんなさい。」

姫さんがしゅんとうなだれて言う。


「別にいいさ。あれは代わりがきく駒だしな。ただ、気になっただけだ。」

話を逸らすように、女は続けた。


「そういえば、ミリアーナ。レオナードのことはベスターに任せることにするわ。彼に従者として必要なことを教えてもらうの。

それでもいい?」

「はい。お願いします、お母様。」

「レオナード、ミリアーナの従者として恥ずかしくないように成りなさい。」

「かしこまりました。奥様。」

俺ができるだけ丁寧に話すと、女は機嫌よく満足気だった。

ってか姫さん、魔力操作を庭師に教わったって言ってたけどどういうことだ?

謎だけが増えていくな…

淡々と馬車は進み、その屋敷が見えてきた。

王様が住んでいてもおかしくないくらい美しいが、全て黒の屋敷は不気味でもある。


馬車を降りたところには、さっき話に出ていたベスターという男が立っていた。

そして、俺と姫さんはその人に案内され屋敷の中を進む。

残りの二人はまた馬車に乗り出ていった。

姫さんの部屋と思われる前でベスターが止まった。


「姫様、本日はお疲れだと思いますのでお先にお休みください。彼への説明は私がしておきます。」

「ありがとう、ベスター。お願いするわ。じゃあまたね、レオ。」

「ん。あぁ。」

姫さんが部屋に入り扉が閉まった瞬間。

俺の首にはナイフが添えられていて、ベスターから殺気が向けられる。


「これは警告です。貴方がどう姫様の信用を得たのかは知りませんが…姫様の害になると判断したら私は容赦なく、あなたを殺します。

姫様の為になるというなら何もしません。

いいですね?」

すっと殺気が引いていく。

ナイフが優雅な仕草でしまわれる。

ははっ…こりゃやべえな。


「…随分、姫さんのこと慕ってるんだな。」

「あの方は私達にとって恩人であり、希望だからな。」

それだけいうと、ベスターさんは淡々と屋敷の案内や仕事についての説明をしてくれた。

俺の部屋となる場所の前で足を止める。


「明日から本格的に指導を行います。本日はゆっくり休みなさい。」

それだけ言い残し去っていく。

広い空間に家具も一流のものばかり、使用人の部屋にしてはこれはすげぇ。

…それにしても、恩人で希望ね…

明日からは退屈しなくて済みそうだな、なんて思いつつ俺は休むこととした。

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