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奴隷市場へ


次の日、馬車に揺られて着いた先に在るのは大きな洋館だった。

奴隷市場というくらいだから、スラムのような場所を想像していたので、少し拍子抜けだ。


中からボヨン…恰幅の良いひげの男性が出てくる。見た目で判断してはいけないと分かってるけれど、いかにも悪いことをしてそうな見た目。

この店のオーナーらしく、父と母に挨拶を済ませると私に目を向けた。


「そちらにいらっしゃるのが…ディアローズ家のお姫様でしょうか?」

「あぁ、そうだ。今回は、この娘の誕生日プレゼントに一つ買いたいのだが、何かいいのはあるかね?」


私は軽く会釈だけすると父の後ろへと隠れた。

外の人を怖がってるように見えるし、なによりオーナーから向けられるジトーとした視線が気持ち悪かった。


「そういうことでしたら、今回とてもいいものが入ってますぞ!ぜひ、ご覧いただきたい。美しい姫様にピッタリのものでっせ!」


オーナーの後に続いて、洋館の中を歩いてく。

ディアローズ家の屋敷は黒がメインだが、この洋館は暖色系がメインの落ち着く雰囲気だ。

これはあくまで外面だって、すぐに知ることになるんだけどね。


エレベーターのようなものの中へ入っていく。これは特定の人物の魔力で動いているようだ。

ぐんぐんと下へ降りていく。

扉が開いた先は…想像以上だった。

通路の両側にはたくさんの牢があり、中にはたくさんの人や獣人、魔人だけでなく魔物のいる牢もあった。

牢を叩き暴れる人はいないけれど…代わりに血だらけで倒れている人が何人もいた。

怖い…

同じ人であるはずなのに、こんな扱いをするなんて…。

今すぐに助けたいけど、何もできない自分に腹が立つ。

噛み締めていた口の中には血の味が広がっていた。


「今回は、お得意様のディアローズ家のご来店ですので貸し切りとしておりまっせ。この辺りのは、まぁ、量産系のものなので研究や使い捨てようですなぁ。

姫様におすすめさせていただくのは特別なものでVIP用ですので、奥のフロアに置いてあるんですよ。」


にたにたと私へ語ってくる。

気持ち悪い。イライラする…でも、私の18年間で培った営業スマイルで対応する。


「そうなんですね。楽しみです!」

歩いた先にはたしかに開けたフロアが出てきた。

ここは、今までの場所とは違って牢も大きくきれいだった。

中にいる人達も先程よりもきれいな格好をしている。


「今回は、いい血のものは入っているかね?」

父がオーナーへ尋ねる。


「へい。入ってまっせ。三人ほどいますので、後ほどいつもどおり出荷させていただきます。あとは、事前に注文していただいていた研究用の人間10匹、魔物25匹も準備できております。」

「さすが、お仕事が早くて助かるわ。」


三人の話を聞いていると、怒りが収まらなくなりそう…私は心を無にしてひたすら後ろを歩く。

牢の中から向けられる視線が痛かった。


「着きました。こいつが今回姫様におすすめの品でっせ!」

私は顔を上げ、その人を見た。

いた。

私が今日会いたかった人。

私の知っている姿よりは幼いけれど、彼だとわかった。

彼の名はレオナード。ミリアーナの従者でゲームの隠しキャラだった。

黒髪黒目に右目の下の涙ぼくろが特徴の色気のある青年。

でも、こちらを睨みつけるその表情は私の知ってる彼よりも幼く、ギラついていた。

手枷と足枷をされている。首には黒くてゴツゴツとした首輪がついていた。


「名はレオナード、13歳。闇と魅了魔法の素質がありますな。後は前居た組織で暗殺業をしていたのでそういう技術もあります。なにより、これはインキュバスなんでっせ!」

その言葉を聞いた両親の顔色が変わった。


「えっと…インキュバスだと何かがいいのですか?」

私は母に尋ねた。


「えぇ。インキュバスの血は人の血なんかよりも吸血鬼にとって良いものよ。とっても美味しいし、それだけ力も強い…。それに、インキュバスは人よりも丈夫で血の量も多くて回復も早い。最高の血袋よ。」

なるほど…


「しかも、これはいろいろとできるみたいだしな。従者にはピッタリだろう。侍女ではないが、ミリアーナどうだ?」


私はレオナードを見た。

彼は暴れず黙ってこちらの話を聞いている。

でも、その視線だけは鋭く、彼の心情を表している。

ごめんなさい。でも、私は…私のために彼がほしい。

父や母と同じことをすることへの嫌悪感や罪悪感はあるが…迷いはなかった。

どうせならしっかりと悪女を演じるわ。


「私、これが欲しいわ。お父様、お母様…いいでしょう?」

私と、彼の視線が合った。

彼の瞳の中に無邪気に笑う少女が映った。


やっと、レオナードが出せました(ー_ー;)


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