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盗み聞き…


耳を澄ませて隣の部屋の音を聞く。

この部屋は微かにだが、隣の部屋の音が漏れ聞こえる。

ミリアーナが両親の計画を聞いてしまったのもここだった。

ナイフやフォークの動く音。

先に口を開いたのは父だった。


「先程の見事なものだったな。これからどうするつもりだ?」

「ふふふ、そうですね。侍女が出ていったのは想定外でしたけれど…先程の感じを見るに好都合ですわ。

元々、完璧に操ってしまうと私達の目標達成するまでに時間がかかってしまうということはわかってたんです。ですが、それ以外に良い方法がなさそうだから実行しようとしていた。

けれど、侍女が消えたことによってあの娘の中に人への不信感が芽生えたみたいだから…それを利用しようかと。」


「つまり、その穴を自分たちで埋めて洗脳でもするってことか?」

「えぇ、あの娘が人間寄りの性格になってしまったのは、あの侍女とかの影響でしょう。今からでも私達寄りにすればいい。さっきの反応からみても悪くはないわ。」


「うむ。だが、本当にあれを今から変えれるのか?」

「えぇ、一応計画通り薬は飲ませるわ。効果を変えるの。人はすべて愚か、わたしたちにとってただの血袋。殺してもあたりまえっていう意識を植え付けるの。これなら目的にも合うと思うわ。」


「そうかい。そなたが言うのなら、それでいこう。」

「あら、私のこと信用してくださるのね。嬉しいわ。」


「そなたの研究者としての才は、素晴らしいものだからな。あの方のためにも、我らは早く目的を達成しなければならない。」

「そうね…」


「明日の奴隷市は警戒を強めていこう。ないとは思うが、ミリアーナが逃げ出したり、刺客が現れることもある。」

「わかったわ。…そういえば、第一王子の件はどうするの?」


「あぁ、婚約者決めは二年後になりそうだ。まぁ、ミリアーナで決まりだと思うがな。」

「そう、ミリアーナのお披露目も二年後でいいかもね…」

「そうだな。」


その後、二人が部屋を退室する音が聞こえた。外で見張っていたベスターが来て、私も自室へと戻った。


ふわぁ〜!

大きく息を吐き、ベッドへダイブ。

疲れた。精神をゴリゴリと削られた。なんていうかね…もう動きたくないし、このまま寝たい。

でも、その分収穫も多くあった。

外出の許可は取れたし、薬の効果を変えれたみたい。これは意外だったな。

もしものときのことを考えたら…そのほうがありがたい。

そしてあの人達の会話…

ゲームの中では、最後まで明らかにならなかったことがある。

ディアローズ家は何がしたかったのか…。

奴隷売買は血を飲むのに便利だっからだろうし、危険薬物の販売はより多くのデータを取るためだろうとある程度わかる。

ゲートをなぜ発生させてたのか、ミリアーナに人を殺させた理由はわからない。

先程の会話からわかったのは、『あの方』のために二人は目的を持って動いているということ。

そして、そのために私には人間を殺させて血を吸わせたいということ。

…何がしたいんだろう?ミリアーナを強くして、操りたいって…何のために?

わけがわからない。

あとわかったのは、第一王子の件。

これは二年後って言ってたし…もう考えるの疲れたので、今は後回しにしよう!うん。


部屋に一人でいるのは寂しい。

ミリアーナになってからはずっとアンが居てくれていたから、余計に。

アンは教会に行ってもらい、ランス様に手紙を届けてもらった。

手紙には協力をお願いする旨を書いた。

聡明と噂のランス様ならば、きっと良い選択をしてくださる。

ベスターは領地運営と奴隷売買の証拠を集めてもらっている。

ルル姉には、私を操るために使うであろう薬の効果と回避方法の確定をするために調査してもらっている。

モズじぃには、稽古をつけてもらっていた。

元暗殺者ということで、護身術などを教えてもらっている。

といっても、今はほぼ筋トレだ。ミリアーナは令嬢で、なおかつほぼ外に出てなかった。

今のままだとだめなんだって。

だから最近はヘトヘトなんだよね。


ふわぁ〜。大きなあくびが出る。

明日のためにも、とにかく早く寝よう。

私はクッションを抱きまくらにした。

そして、不安や孤独が溢れぬように…深く眠りについた。

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