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哀しき死

はじめての作品なので、誤字脱字や変なところがあるかもしれませんが、やさしい気持ちで見守ってほしいですm(_ _;)m

最初は現代のシーンで少しシリアスかもです。

皆さんに楽しんで読んでいただけるように頑張ります!!

「私の人生って何だったんだろう?」


佐々木 美利杏 18歳。それが私だった。


今日は高校の卒業式の前日で急に父親に事務所に呼び出されて、車を降りたら…

そうだ、突然現れたこの男に刺されたんだ。

目の前で男は取り押さえられながら狂ったように叫んでいる。


「お前の父親のせいだ!俺はやってもない罪を着せられて失脚した!俺の娘はっ…学校で虐められるようになって自殺しちまったぁ!!あいつも…娘を失うべきだ!!ハッハッハこれで俺の苦しみを味わえばいいんだー!!」


この人は…娘さんを愛してたんだろう。

自分を刺してきた相手なのに同情してしまう。

こんなことをしてもあいつには意味ないのに…

私は地面に倒れた。あぁ…痛いな。


私の父親は政治家の佐々木 賢治。母はモデルの佐々木 美香。これを聞くと大抵の人に羨ましがられるが、現実は違う。


母は放任主義のホスト通い。会うのは年に4〜6回くらい有ればいいほうだ。

父は父で秘書達と不倫。それなのにパーティーとかに出るときは仲良しな家族を演じてる。

見てて気持ち悪い。

ある意味この二人は似た者同士でお似合いのかな?

こんな家族だ。愛情なんてもの求めるほうが間違ってるんだろう。

父は私に完璧を求めた。幼い頃から、学校の中以外は四六時中監視がついた。

勉強に習い事全て1位でなければいけない。少しでも下がったり、逆らえば暴力をふるわれたり、ご飯を抜かれた。

昔は辛くて誰かに助けを求めたかったけど…誰も父には逆らえない。

友達を作ってもどうせすぐ駄目になる。ついていけないとか、父が気に食わない人なら話すなと脅されるから。

適度な距離を取り、1人生きていた。


学校の中は唯一、監視がないから普段は読めない小説や漫画を読む時間にしていた。

物語の中には私の知らないことがたくさんあった。優しさで溢れてて、ずっと読んでいた。

でも、高校に入って高田 舞と出会った。

彼女は他と違った。唯一の親友になれた。

舞…私が死んだら悲しんでくれるかな?

そんな馬鹿な事が頭に浮かぶ。

高校を卒業したらもう舞には会えないかもしれなかった。

親の言う大学へ行き、また今までのように死んだように生きるだけだった。

だから、逆にここで死ねてよかったのかも?


いや、やっぱり嫌だ…嫌だ!!

こんなの…私だってもっと普通でいたかった。

舞ともっと話したかった。

他の子みたく、買い物して、遊んで…

恋もしてみたかった。

愛されるって、愛すって…どういう感じなのかな?


どんどん血が抜けていく…

痛みすらなく、ただただ寒い。


犯人さんもどうせ刺すなら、あのクズ父を刺してほしかったなぁ。じゃないと意味ないのに…

てか、私も被害者だし!

たぶん犯人さんとなら仲良くなれると思う。


はぁ

きっと今回のことも、父なら揉み消すだろう。

そして娘を殺された、憐れな両親をあの二人は演じるのだろう。


許せない。

もっと早く気づけばよかった。

あんな人たち見限って、逃げればよかった。

私には立ち向かう勇気も、逃げる勇気もなかった。ただ人形のように生き、息してただけ…

悔しい。


「ほう、こりゃまた強い魂だな。」


誰?頭の中に声が響く。


「お前はどーしたい?死を回避することはできんが… まあ、言ってみ?」


何この軽い人…どうしたいって

私は自由に生きたい。何にも縛られずに。


「うむ。ふふふ。合格かな。」


何が?そう思ってももう声は聞こえなかった。

力が抜けていく。私は死ぬんだ。

私の眼に最期まで映っていたのは、真っ赤な血の流れる色。です

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