1日目の夜
「ルナ、狩った魔物どうしよう?」
結界の中で纏められた魔物達を見て、マヤは言った。
「ストレージは?」
いや、こんな沢山いらないし・・・このまま結界の外に出して放置も魔物が集まって良くないし・・・
「じゃあ、食べる!他は焼く!」
マヤの態度を見て、ルナがほかの案を出す。
「でも焼いたら、森がダメになるわ。」
ルナのブレスは強力だ。あたり一面焼け野原になってしまう。
「・・・結界の中で燃やす」
フフンといった様子で言ってみる。
「あ、そうか!」
マヤはパチンと両手で叩いた。
2人が休む場所と狩った魔物は別々の結界を張っており、魔物の方は外から見えないように遮視してある。なので死骸を見て休むということは無い。
早速狩った魔物を調理してみる。
コカトリス(?)は大丈夫かな?鶏肉に似てると思うけど。
島にも動物はいた。瘴気に侵された動物が命を失うと、瘴気が抜けて普通の動物になる。勿論食べれる。魔物でも瘴気が抜けると文献には書いてあった。
2人でコカトリスの解体をする。
初めてではあるが、鶏の大きい版だろう。狩ったときに血抜きしておいたのを、切り分けていく。うん、順調、順調!黙々と作業を進めていった。
シンプルに、串を刺して焼いた肉に塩をつけて食べることにした。島では調味料は塩、砂糖があった。
島の西部に洞窟があり、その中に泉が湧き出ており、そこの岩を砕けば塩がが採れた。
砂糖は糖分を抽出する虫がいたのだ。蜂蜜のようなものである。
いずれも採れる量は少量だったため、島民にとっては貴重なものであった。
「「いただきま~す!」」
「あ~美味しい!これ、鶏より美味しいわ!」
満足げに口の周りを舌で舐め、マヤは味わった。
「うん、鶏より味が濃い!食べ応えある!」
すでに3本目を食べ終わり、つぎの1本を手に取っているルナであった。
「あ~!ちょっと食べすぎ!それで終わりだからっ!」
そう言われて名残惜しそうに最後の一口を味わう。
「まだお肉はあるから、また日をあけて食べようね、ふふ。」
調理したお肉はすべて2人で平らげた。
「「ごちそうさまでした~」」
1日目の夜は、こうして過ぎて行ったのであった。