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生き残り少女は頑張って生きます。  作者: かい
ルナとの出会い
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ルナの誕生

満月の夜、それは産声を上げた。

「ぴ~ぴ~ぴぇ~」

殻を自分で力強く割って、元気よく鳴く。

島民全員でその誕生を見守った。

「・・・ド、ドラゴン?」

つぶやくような声で1人の島民が言った。

集まった皆は、固まってしまった。

よりにもよって、最強種のドラゴンだったとは・・・。

「可愛い!お誕生日おめでとう!」

マヤは早速ドラゴンの赤ちゃんを抱きしめた。


もうすぐ産まれるよと、島民が知らせに来たのが3時間ほど前。

すっかり寝る時間は過ぎてしまったが、どうしても赤ちゃんに会いたい。

眠いのを我慢して、産まれてくるのを待っていたのだ。

名前をルナと名付けた。満月に生まれた赤ちゃん、雌かどうかもわからなかったが、マヤは絶対女の子!とつけた名前だった。

島民はどんな魔物が誕生するのか、孵化して確認できれば事態によっては処分するという条件を出していた。だが、そんなことは今のマヤには言えない。


結局、産まれたドラゴンはマヤの妹分として、島で育てることになった。

ドラゴンの成長は早い。

産まれた時は50㎝くらいの背丈だったのが、たった2か月でマヤを抜いてしまった。

マヤにとても懐いていて、後ろをついて廻る。

瘴気の影響も少し出てきたが、薬を飲ませて様子を見ている。

島民としては不安ではあるが、島でたった1人の子供であるマヤの、あの楽しそうな姿を見ているとルナを処分することなど出来るはずもなかった。


それから3年が経ち、マヤは7歳になった。

祖母は亡くなり、島民の数はさらに減って、20人になってしまった。

残っているのは女性11人、男性9人。

瘴気に侵されながらも、働ける者は女性4人、男性3人。

マヤは皆のために、一生懸命働いた。自分は、自分だけは何故か瘴気に侵されない。

周りの皆が弱っていくのを見て、居たたまれない気持ちになってくる。

何とかしなければ・・・何とか!

そんな時、突然ルナが声を出した。

ドラゴンの鳴き声ではない、人間の言葉をしゃべったのだ。

「マヤ、アセッタラ、ダメ」

マヤは、びっくりしてへたり込んでしまった。






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