第1章まえがき
……とまぁ、こんなふうにしてオレはこの世界にやってきたのだ。
びっくりしたろ? みんなアイツのこと敬ってるけど、実際はただの口より手が出るヤツなんだぜ? あの畳に画鋲な女神さま。
いやぁ、改めて思い出すと、信仰してる神さまがこんなやつだなんて、シスターが知ったら泡吹いて倒れるだろうなぁ!
普通殴ったり蹴ったりするのが神様なんて思わないだろ?
でも残念、これが事実です。この世界の神様は残念なことにそんなやつです。
………いっそこの記録、盛大な暴露本してやろうかな。
あいつが教会とかで祀られるの見た度に笑いこらえるの必死だったし。
……胸が事実と違いすぎてな!!
どうせ見栄を張って降臨とかしたときは寄せて上げるブラとかパット入れてたか肉体言語で魂に嘘情報書き込んでいたに違いない。虚しいなぁエイオス! 虚しいのは胸だけにしろってあれほど言ったじゃないか!
女は胸だけじゃないとか言ってたくせに、かわいそうなやつだよホント!
………あかん。書いてて涙出てきた。
ちっちゃい胸も良いところはあるよ、うん。
こんな虚しくなるのも、全部あのクソ女神のせいだ。
……………気を取り直して、転生してからのこと書く。
エイオスを怒らせたオレは気がつくと赤ちゃんに転生していた。
その赤ちゃんってのは、いまのこの身体のことだ。
このときのことはあまり覚えていない。
言葉もわからなかったし、目もほとんど見えていなかったからおぼろげながらしか書けないけど許してくれ。
ただ、今考えるとメルの人生はこのときから波乱万丈だったんだな、と思う。
[2019/01/29 20:17]タイトルを『まえがき』から『第1章まえがき』に修正