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TS幼女の転生秘録  作者: 自堕落天狗
第0章 全ての元凶 ~ クソ女神との出会い ~
4/55

オレの名は

本日2話目になります。

最新話更新からいらっしゃった方は1話目からどうぞー。

「あんたたちはさぁ。ねぇ? なんでそんなに転生だーとか異世界だーとかで馬鹿みたいにはしゃぐの? ねぇ?」


「すいませんでした………」


「謝ってなんて一言も言ってないんだけど。なんでそんなに馬鹿でアホで短絡的なのかって聞いてるだけなんだけど」


「ごめんなさい………」


「人の話聞いてないでしょ。また殴られたいわけ?」


「そんなことないです………」


「私だって暇じゃないの。分かるでしょ? いくら神様の時間は無限だったとしても、あんたらみたいなのイチイチ相手にしてたらこっちだって疲れるの」


「おっしゃるとおりです………」


 おはようこんにちはこんばんわ。どうもオレです。


 さっき目の前にいた美人な女性は、どうやらやっぱり神様だったようです。

 その神様、今オレの頭を踏みつけながらぐりぐりしてきやがります。いえ、お踏みになっております。

 顔が地面にめり込んでとても痛いです。ちょっとずつ沈む深さが大きくなってきているのは勘違いじゃないと思います。


 土下座しながら神様に踏みつけられ、お説教されること数十分。

 意識が戻ってからずっとこんな感じで罵られてしまい、オレの精神力はごりごりと削られています。つらいです。


「はぁ………まぁ、少しは反省したみたいだし、これぐらいにしておいてあげるわ」


「ありがとうございます………」


 オレの後頭部にあった脚がどけられ、ぷるんと顔面が地面から浮き上がった。

 思わぬ反動で思わず身体が反る。


 やっぱりこの空間、よくわからないなぁ。

 ……けどきっといわゆる『死後の世界』なんだろうな。

 ってことは、オレ……死んだんだな。


「ちょっと萎れすぎじゃない? まぁそのほうがやりやすいけど」


 ずっと土下座してたわりには痺れていない脚に力をこめて、オレは立ち上がる。

 神様……いや、女性だから女神さまか。女神さまのほうを見てみると、やっぱり仁王立ちしてた。

 決めポーズなんだろうか。


「決めポーズってわけじゃないわ。このほうがしっくりくるだけよ」


 あっ、さいですか……ってか、やっぱりナチュラルに思考を読まれた。


「あのー女神さま。オレ、地球で何かあって死んじゃったんですよね?」


「えぇそのとおりよ!」


 偉そうに顎をなでながら、得意げに喋る女神さま。

 なんでこんな偉そうなのかは置いておいて、オレは女神さまに問いかける。


「ということは、神様に選ばれた的なアレとか転生しますかYes or Noみたいなのじゃなくって」


「そ。完璧に肉体的な意味で死んだってことよ」


 あーなるほどなるほど。じゃあ、あれか?

 居眠り運転のトラックに跳ねられたとか電車に引かれたとかそういう類のものね。


「いや、そういうんじゃないけど………ってか、あんた死んだときのこと覚えてないの?」


 女神さまが初めて疑問の表情をする。

 死んだときのこと覚えてないとか、そんなことはないと思うけども思い出してみる。


 たしか………あれ? えっと、たしか―――――オレ、何してたんだっけ?

 オレはウンウン唸りながら思い出そうと試みる。

 が、いくら頑張っても、なんで死んだのか、一切思い出せない。


「えーマジでぇ? これ忘れちゃってるパターンか……」


 嘘でしょーとボリボリ頭を掻く女神さま。


 死んだときのこと忘れるなんて、これ絶対死んだことに気付いていない地縛霊とか、ショッキングすぎて記憶飛んじゃってるとかいうアレな感じじゃん!

 やばい! オレ地縛霊みたいになりたくない! 異世界に転生して楽しく過ごしたい!


「地縛霊みたいにはなりゃしないわ。すでにあんたの魂は地球から離脱してるんだし………あんた。地球での記憶思い出してみなさいよ。なんかあるでしょ、覚えてること」


 女神さまの一言で、オレは地球での出来事を一生懸命思い出す。


 オレは男で、16歳の高校2年生で、通学には自転車だった。

 勉強は歴史とか公民とか暗記モノは苦手だったけど、数学や技術は得意だった気がする。

 スポーツも苦手って程じゃないけど、部活には入ってなかった。

 なんか毎日のように野郎と取っ組み合いをしていたような感覚が残ってる。

 その割に女子と話していた記憶はほとんどない。

 そうだそうだ。アニメとかで人気な異世界転生モノが好きで、家とか通学中ずっとなろうとかノクターン読んでた。


 ………うん、忘れてない。全部覚えてる。


「ガキのくせして18禁作品見てるんじゃないよ!! ったく……あぁもったいない………せっかく新魂(あらたま)だったのに、大事なところほとんど忘れてるじゃない!」


「だから忘れてないですって!」


 もったいないもったいないとブツブツ言う女神さまに食ってかかる。

 忘れてることっても、死因ぐらいじゃないか。なにがもったいないんだか。


「じゃあ聞くけど。あんたの名前は? 家族は? 友達は? 覚えてないの?」


「そんな基本的なこと忘れるわけないじゃないですか! オレの名前は………名前……」


 あれ、オレってなんて名前だったっけ……?


次話投稿は2019/01/02 18:00を予定しています。

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