第3章まえがき
2月10日二回目の更新です。最新話から飛んできた方はお気をつけをば。
キノコ人間ことおっさんとの出会いはオレにとって、まさに初めて尽くしだった。
当時のオレを形はどうあれ初めて外に連れ出したこと。
うちの村では知り得なかった世界の常識を教えてくれたこと。
そして、食べられるキノコと食べられないキノコにキノコのおいしい食べ方と無限の可能性について。
正直に言おう。
キノコのことばかり喋るおっさんは脳が菌糸類で出来ている。そんなふうに考えている時期がオレにもありました。
いやね、実際外に出て依頼をこなしているとどうしても食べ物不足に陥るのよ。
そんなとき、知ってて良かったって思えた知識が、まさにキノコ知識。
現地調達の重要性をヒシヒシと感じたね、ありゃ。
………まぁそのおかげでキノコ好きの幼女とかいう不名誉なあだ名がつけられたりしたけど。
特にヨウセイノコシカケとゴブリンノコシカケの違い。
これ、今じゃ詳しい人なら知っている知識だけども、たぶんおっさんが最初に気付いたんじゃないかな。
ヨウセイノコシカケについてはオレの産みのお母さんまで関係してくるからなぁ。
どこで何が繋がっているかなんて、わからないものよ。
つるぺた女神なエイオスに訊いたことあるけど、仕組んだわけじゃないって言ってたし。
全部偶然だとしたら、これ以上ないほど奇跡的な組み合わせだと思う。
当時アルドの代わりにオレがおっさんに連れて行かれたのが、全ての始まりにして人生最大のターニングポイント。
これがなければ今のオレ、ひいては今の現状はあり得なかっただろう。
すべてが終わった今だからこそ言えることだし結果論になっちゃうけど、間違っていなかったことだけは確かだ。
……やばいやばい。おっさんのこと褒めすぎてむず痒くなってきた。
おっさんにこんなこと死んでも話せないわ。恥ずかしすぎる。
オレとおっさんは、こう、なんていうか互いに利害があったり尊敬しあうような仲じゃないんだよなぁ。
冗談を言って罵り合いながら接することができる貴重な存在というか……まぁまさに悪友ってものかな?
そういう存在って大事だと思うよ、うん。
というわけでおっさんの話はおしまい。
次の章では、これまたオレの人生に欠かせない……というかおっさんが起爆剤だとしたら、こいつは誘爆剤。
オレにこの人生誌を書くようお願いしてきた、雅との出会いがメインになる。
こいつもこいつで一般人から見たら十分に酔狂なやつだ。
普段は猫かぶっていやがるから、思う存分、雅の異様さについて書いてやろう。
オレが書く、オレの経験してきたことが書かれた人生誌なんだから、おいそれと修正しようにも出来ないだろうし!
そうと決まると、がぜんやる気が出てきた。
雅にはたくさん感謝することがあるけど、それと同じぐらい苦労させられたからな。
ただ雅との出会いを書く前に、おっさんと死にかけたとき以上に死にかけたこと書かなきゃいけない……。
思い出すのもイヤな出来事だけど書くしかない……うーん、ゆううつだ。
次話投稿は今日の夜12時前後になります。
[2019/02/10 12:36]
誤字修正しました。得に→特に
誤字連絡ありがとうございますぅ!
[2019/02/11 08:35]
寝落ちしちゃった♡
次話投稿は今日の昼にします。




