第2章まえがき
この話と次話は同時投稿になります。
村を離れて行商人に連れて行かれたときは悲しかったなぁ。
書き終わったはいいものの、何日か憂鬱になったもん。
いつになっても、あのときを思い出すだけで胃に穴が空きそうだわ。
でも、最後の最後でアルドと会えたことはすごく幸運なことだった。
あそこでアルドにお別れができなかったら、今のオレはないだろう。
けどあの時アルドが引き止めてたら、たぶんそのままおっさんのところから逃げ出していたかもしれないなぁ。
まぁ今の生活を考えると、あのときおっさんに連れていかれたのがオレで大正解だったわけだけど。
そう考えると、アルドには頭が上がらない。
しかし思い返すと、おっさんと初めて会ったのが7歳の頃だなんて信じられないわ。
そんなに時間経ってたっけか………あのおっさんも変わんないよなぁ。
そういえばおっさんにこの間お願いしていたうちの村のキノコ鑑定結果だけど、思っていた以上に素晴らしい出来だった。
やっぱキノコについて語らせたらおっさんの右に出る人はいないわ。
ちゃんとイラストまで作ってくれてたし。こりゃ依頼料上乗せでお返ししてやらないとな。
……そんなおっさんがオレのことを初めて買い取った最初で最後のご主人様ってのがいまいち気にくわない。
だって別名キノコの擬人化とかマタンゴとか言われてるやつだぜ? んでもってそれを言われて喜んでいるような変態だぞ。
どう考えても常人ではない。あれが常人だったら世界中に変態がいなくなるわ。
……あれ、ちょっと気付いちゃったけど……もしかしてオレの周りって変なやつばかり?
次の章で書くのはキノコ狂いと初めて会ったことだけど、その次って順番で言えば百合キチ馬鹿だし。アレックスは唯一手放しで褒められる常識的なやつだけど、そもそもアレックスは人じゃないし。レナなんて常識持ってるけど存在自体がやべーやつだからなぁ。
うーん何でだろ………オレしか常識人がいない…………。




