転生したらドラゴンだった⁉︎
突然だが、あなた方はドラゴンという言葉を知っているだろうか?
まぁ一度くらいは聞いたことがあるだろう?
だがもし今現状で自分がドラゴンだと知ったらどうするだろう?
まぁ、そうだ。お察しの通り僕は今ドラゴンになってしまっているのである。話は4時間くらい前まで遡る
僕は、受験勉強の疲れを取るために家のそばの山に来ているとこだった。その山は標高500mくらいのまぁ小さな山だったのだが岩がゴロゴロした少し危ない山ではあった。
ちょうど200mくらい登った時だった。
「ゴゴゴゴゴゴ…」
「なんだ?……げっ!ら、落石ぃ⁈」
と、そんなわけで僕は岩に押しつぶされてしまったわけだ。
落石のお陰で内臓破裂、瀕死の重症を負って病院で手術を受けることになったのだが。状況は絶望的。そのまま失敗に終わり僕はあっさりとこの世を去った。
だがこの世界には輪廻というものがある。
僕はあの世の世界の裁判で善人とみなされ輪廻に乗ることができた。
僕は輪廻でアルカディアという緑が生い茂った別世界に飛ばされた。
僕は別世界でもスローライフを送っていれば良いと思っていた。
だが、現実はそこまで甘くはなかった。 僕はアルカディアで2000年に一度生まれてくる竜星という種族の竜人ということがわかった。そして今、僕は生かすか殺すかの裁判にかけられているのであった。
「其奴は国家の敵、竜星王の子供!断固として今、排除するべきであると思いますがな!」
「だが、そいつが仲間になれば我が国はグライド帝国に勝つことができるのでは?」
とまぁこんな感じの話し合いが2時間以上行われているのである。
「カンカン‼︎」
「うむ。ライムルドの言う通りそいつが加勢すれば確実に我が国はグライド帝国に勝つことができるのだろうなぁ。」
「で!ですが国王!其奴は!…」
「ほぅ…私の意見に問題でもあるのかな?」
「く…コホン。もちろんございませんがなぁ?」
とは言うもののライムルドを睨んでいた。
これはまさしくあれだ…ジャイ○ンと、の○たのような関係だ。
「では!これにて裁判は終了だ!皆の者ご苦労であった!解散!」
どうやら裁判は終わったようだ。
絶対的権威を握る者の声とはやはりすごい者だ。
そして僕はこれから5年余りの年月を過ごすことになる。
これは後から聞いた話だがこの世界は地球世界の重力の4分の1になるのだとか。
あと、それから竜人は普通の人より頭が良くて普通の人より4・5倍の頭の良さを持つのだとか
だから僕は2歳で簡単な炎魔術を4歳で上級魔術師が使うことができる氷魔法を習得できたのだろう。
そして今僕は擬態の技を覚える事が出来た。
この擬態の技は便利な物で自分が頭の中でこれになりたい、って思えば木に擬態したり、敵兵に擬態して敵本陣にあっさり潜入ということができるのだ。
「貴様もなかなか覚えてきたな。あそうだ、お前竜人のくせになぜ竜星しないんだ?」
竜星するという言葉は、初めて知った。
「竜…星?」
僕が竜星という言葉を知らなかったと知った教官は今まで見たことないくらいヤバイ顔をしていた。
「え〜〜〜〜‼︎おま!お前竜人のくせに竜星も知らんの⁈」
「はい。」
こちらの世界に来てから僕は恐ろしく無口な子供を演じていた。
「竜星っつうのは竜人が竜人しか使えん力を使って竜に姿を変えることだよ。」
自分は竜人だがそんなことは初めて知った。
試しに腕に力を集中させてみた。すると…ある人格が研ぎ澄まされていく感じがした。今度は体に力を集中させてみた。すると…
「パキピキ」そんな音を立てて体の骨という骨が形を変えていった。そして………何も起こらなかった。
「「は?」」声がはもった。
「んーおかしいなぁ?どうすれば竜星できるんだっけ?」
するとこれの一部始終を見ていた神官が、
「確か、竜に認めてもらうんだったと思いますよ?」
詳しく話を聞くと竜人が竜と戦って認められたら竜星するために必要な力を貸してくれるのだと言う。
ここら辺ではガウラル洞窟の奥地ガウラルの聖地にある炎と風を操る竜ガウラル・ブラストの力を借りるのが一番いいとか。
僕はガウラルの力を借りる為にガウラルの聖地を目指した。
流石に僕一人では、何が起こるかわからないのでアルカディアの精鋭兵を2人連れて行くことにした。
ガウラル洞窟はガウラル銀山の西側にあってアルカディアはガウラル銀山の東側にある。ガウラル銀山の坑道の中は今でも魔物が現れるというので銀山の南側から通っていくことにした。南から通ると1日以上かかってしまうらしい。
翌朝
「おはようございます。準備は出来ましたか?そろそろ出発の時間ですが?」
「ああ。出来た。」
こんなに無口だとおかしくなりそうだ。
「そうですか。では出発しましょう。」
最初の山小屋までは8時間くらいかかるそうだ。鉱山の周りは巨大な大樹が草原に広がっているラーの大森林がある。ラーの大森林に入ってから2時間くらいたった時。
大樹の裏に気配を感じた。2人もそれを感じたらしく立ち止まって剣を抜いた。その時だった。
「ゴウッ‼︎」
鈍い音を立てると同時に仲間の一人が後方に吹っ飛ばされっていった。
彼の鎧は砕かれ、彼は血へどを吐いた。
「くっ!大樹越しに攻撃してこんなに威力があんのかよ‼︎」
仲間の一人は防御態勢を取る。敵はもう2ステップ目を踏んでいた。早い。これは明らかに敵の魔術師だ。
大樹越しに攻撃して仲間の精鋭兵を吹っ飛ばすなんて魔術攻撃しかあり得ないのだ。
「くっ‼︎グランド・フォーラム‼︎」
グランドフォーラムとは辺り一帯を凍らせてしまう氷魔法の事だ。僕が3歳の時に、覚えた。
「ぐわ…」
敵魔術師が音にもならないくらいの声で叫び、やがて砕け散った。
「大丈夫か?」
飛ばされた彼に声をかけてみる。だが、返事はなかった。目の前で人が一人死んだ。
次に敵魔術師を見てみる。多分この攻撃の仕方だと彼は空気中の砂や埃を操っていたのであろう。
砂や埃でも集合させて合わせれば強力なワイヤーができる。
あらかじめワイヤーを作っておいて大樹の周りにでも針目ぐらせていたのだろう。
だがそれは、偶然の出来事なのだろうか?敵魔術師がいたのも偶然?そしてさらにその魔術師が準備していたワイヤーで仲間が殺されたのも偶然か?偶然で仲間が死んでいいものか‼︎ふざけるな‼︎そう、それは仲間にスパイがいることを表していた。