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prologue ───少年の決意───

 





 ここは、この世界最大の大陸であるモーラス大陸でも最も勢力の強い王国【ライオット王国】である。国名は初代王《ライオット・ベネディウス一世》からそのままとられたものだ。多くの小国に分断されていた大陸を僅かに一代で一国を残し統合、または同盟国とした敏腕政治家としての顔をもつ反面、戦場では最前線に立ち、兵士たちからも大きな信頼を受ける素晴らしい王だった。

 その王の誕生から60年余、そのライオット王国のとある村は、戦火に包まれていた。


 

閃光一閃。



  もう夜も深いはずなのに赤く染まる夜空、その原因はその空から降ってきたミサイルだった。そのミサイルが村の家屋を燃やし、そこらじゅうが炎で包まれていた。科学技術がここ数十年で飛躍的に進歩し、戦争で使われる兵器も格段と威力を増していた。そのうちのひとつである小型ミサイルは、大きさは人の体に足らずとも、一発で半径数十メートルの範囲を消し炭にしてしまう。



「父さん。僕達どうなるの?」



 この時、僕の歳は8歳。父親は敵地から帰還してからの僅かに3日の休暇中だったところだ。



「きっと大丈夫さ、お前には母さんも父さんもついてる。安心してここにいるといい」



 ここは街の地下に作られた地下室(地下室と言っても村人全員が余裕を持って入れるくらい広いのだが)、いわゆるミサイルなどを凌ぐために作られた避難所だった。



「そうよ。母さんたちは支給品を貰ってくるから、少しここで待っていてね。すぐ戻るから」



 そして、ひとりじゃ持ちきれないからと父さんが母さんを連れ、緊急用の支給品を受け取りに行った。



 ……それが、僕がみた両親の最後だった。



 父さんと母さんが支給品を取りに行き、姿が見えなくなった数分後、地下全体を震わせる巨大な爆音が響いた。揺れる地面。恐らく何かの兵器が地下まで届いたのだろう。

 次々と鳴り響く轟音、壁や天井にヒビが生えだした。僕の周りには悲鳴や泣き声が響き渡っていた。



 『ズドン』



 そこに1つの大きな衝撃、それにより地下全体が激しく揺れた。

 その衝撃で頭を地面に強打した僕は意識が飛びかけていた。



 天井が崩れてくる………。



「あぁ……僕、もう…死ぬのか………。」



 薄れゆく意識の中で幼いながらにそんなことを思っていた。



 そこに……淡い青色の光が…………



「我らを守りたまえ」



 ふと、声が聞こえた。



 それは若い男のような、それでいて女とも取れる中性的な声だった。



 僕はその声を聞いたのを最後に意識を手放したのだった。







 …………………………………………………………









「ここは……どこ……?」



 目覚めるとそこは病院だった。



「母さんと父さんは?」



 ベットからゆっくりと降りると、点滴の台を引きながら両親の姿を探した。



「母さんと父さんはここにはいないのかな」



 病院にいるなら、病院の人に聞いた方がはやい。そう思った僕はフロントに行き、父さんと母さんの居場所を聞いた。



「父さんと母さんがどこにいるか分かりますか?」



 「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」




 「レオン・クライヴです」




 「クライヴさん.........っっあ」



 その看護師は少し言葉が詰まっていた。

 どうしたのだろうと思った僕が声を発するより先に



「……あのね…その……お父さんとお母さんは………」



 その日の夜は一晩中泣いた。

 なにも出来ずにただただ怯えて意識を失っていた自分を悔いた。あのとき自分がもっと強ければ、大切な人を守れる力があれば………



 "地下避難施設の瓦礫の下敷きになって……"


 ──お亡くなりになられました。



 戦争が憎かった。生まれる何十年も前から続いている戦争、これから何十年やったって終わりの見えて来ない戦争。

 そしてなにより自分が憎かった。幼く、非力で、行動力もない。そんな自分が死ぬほど憎いと思った。だからこそ強くなりたい。そして、強くなったら自分がこの手で戦争を終わらせるんだ。




 少年はそう決意を胸に秘めたのだった。







初めまして。濱俊ごん太郎です。

この度はこんな話を読んでいただきありがとうございます。

小説を書いてみたいと思ったので、空き時間を使って書いてます。

初心者なのでおかしい、または不可解な所がございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。

週一の更新にしたいと思っていますが、出来るか微妙な所なので、そこは割愛ください。

こんな私ですが、どうかよろしくお願いします┏○┓

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