99章 サムエル・ダニョル・クライシス
源は、レジェンドの村人たちに、ドラゴネル帝国連合軍と戦うためのアイディアを募っていた。三人寄れば文殊の知恵と言われるように、3700人で考えた色々なアイディアだ。
戦うこともそうだが、食べ物のことや治療のことあらゆるアイディアをレジェンドの村人たちは考えて、紙に書いて伝えてくれていたのだ。
文字やあらゆる情報を教えた効果が、ここに現れていた。
源の発想力では、ロングソードはまったく浮かばなかった。確かに大量の敵を相手にするのなら、重さが関係ない源にしてみれば、長くて強度のある剣を持つことは、理にかなっていた。
ちょっとしたアイディアだが、その結果がこれだ。
1万5000人ものレジェンドの壁に襲い掛かっていたドラゴネル帝国連合軍の兵士たちをたった15分で壊滅させたのだ。
レジェンドは、この方法は使えると考えて、何度もこれを繰り返していた。
農民兵の集まりでしかない多くの兵士たちにこの攻撃を打ち破ることは出来なかった。
だが、生き残りもいて、その内容をドラゴネル帝国連合軍の総指揮官も把握すると、むやみな壁への攻撃を一旦やめて、数時間、攻撃は中断した。
レジェンドは、何度か同じ作戦を成功させて、かなりの兵力を減らすことに成功していたが、戦争をすることの負担は大きく、疲労は貯まっていく。
仲間の被害は少なく、ウオウルフの中の30匹だけが負傷したが、死んだレジェンド戦士は一匹もいない。
それでも、かなりのスピードで、疲れは蓄積していった。
壁でビックボウを撃つなどをして、戦う1200人の戦士と農民兵の生き残りの4000人は、交代を繰り返して、1000人ごとの5班にわかれていたが、ウオウルフたちは、数を減らせば、それだけ一匹にのしかかる負担は、減らすことはできなくなるので、戦いは休みなく続けられた。
10万近くのドラゴネル帝国連合軍の兵士を倒すことに成功し、レジェンドの地下広場には、倒れている兵士の山が大量にかさばってしまっていた。
地下広場に兵士たちを落とすと同時に、1万の地上で倒した兵士も落ちていったからだ。
ドラゴネル帝国連合軍が、数時間の間を開けてくれたのは、レジェンドにとってもいいことだった。
ドラゴネル帝国連合軍は、レジェンドの攻略に手をやいていた。せっかく用意した攻城兵器も地下の落とし穴に落ちてしまい。はしごさえも数を減らして、20mもの壁を超えるのは、戦いをはじめる前よりも難しくなっていたからだった。
10回目に攻め込んだ時も、無理やりレジェンドの壁の扉を壊そうとしたが、レジェンドの壁はかなりの強度があり、まったく壊すことが出来なかった。
とは言え、たかが村1つに40万のドラゴネル帝国連合軍が、落とせないとういことなど、認めることもできない。すでに10万近くの被害者が出てくること自体、大失態だった。
なりふり構ってはいられない。
―――数時間後、ドラゴネル帝国連合軍がまた動き出した。
しかし、次は、農民兵ではなく、各国の精鋭である騎士たちが、メインで先頭に動き出したのだ。
そして、地上には、巨大なモンスターや獣人の兵士たちが並び、ドラゴネル帝国連合軍の兵士をほうり投げ始めた。
20mもの上まで投げ飛ばすのだ。投石機にも人が乗って飛ばすほど無茶な作戦もはじめた。
そして、地上からの攻撃だけではなく、空襲部隊も動き出した。
前回、6000人もの空襲部隊をレジェンドは倒したが、それがすべてではなかった。6000もいないが、数千の空襲部隊が、空から攻撃をしかけはじめたのだ。
その空襲部隊の一体一体が、ひとりの兵士をかかえて、火で氷を融かして、レジェンドのドーム天井に投げ捨てていくので、数千のドラゴネル帝国連合軍の兵士が、ボウガンを撃つ穴から入ろうとはじめたりしだした。
陸と空からの同時攻撃をされながらも、源は、地下広場にウオウルフC班の敵の兵士を送り続けなければいけない。
空襲部隊は、油などを空から落として、それに火をつけはじめた。以前の作戦と同じものだが、同時攻撃をされるとやはり手に余る。
リリスが、その火をアイスドラゴンのフレーと一緒に消してくれるが、それにも限界がある。
源は、氷守を作って氷の壁でまた兵士を閉じ込めたが、陸の戦いは、A班とB班にまかせることにした。壁の外にいる巨大モンスターなどを相手をするのは、ギガントウオウルフのガウブたちだ。3mを超えるその巨体とグラファイトの装備によって強化されている彼らを倒せる帝国軍の巨大モンスターはいないと判断したからだ。
そして、地下広場のC班にも兵士を送り続ける。
ビックボウの穴から入って来る兵士は、レジェンドの戦士たちに対処してもらうしかない。ロックを中心にして、入り込んできた敵を排除していってもらった。
源は、ロングソードを持って、ドーム天井の穴から外にでて、空中戦を空襲部隊にしかける。そして、源と一緒にレジェンドの戦士もドラゴネット3000匹に乗って、帝国の空襲部隊と戦いはじめる。
ロングソードを前とは違って持っているだけに、かなり空での戦いを有利に出来たが、なぜか、空襲部隊は、源には近づかないように距離を保って戦うので、倒すのに時間がかかってしまっていた。
レジェンドの戦士たちは、ドラゴネットに乗ることに慣れていないので、やはり慣れている帝国空襲部隊のほうが有利だ。レジェンドにはリリスがいるので、機動力的には上だが、戦う兵士が帝国の方が上なのだ。
総指揮官の指示で、空でもかなりの移動能力を持つセルフィは、相手にせず、撹乱するようにと空襲部隊は、命令を受けていた。
前回の空襲部隊からの情報であらかじめセルフィの能力は伝わっていたのだ。
さすが、ドラゴネル帝国連合軍で、じわじわとレジェンドにも被害が広がっていった。
しかし、源には、これを続けるしかなかった。何とか空襲部隊を時間をかけてでも倒して、陸からの攻撃だけにする必要があった。
地下広場の暗闇のための対策もされていて、松明をそれぞれが用意され、C班のウオウルフにも敵から攻撃され負傷するものが出てきていた。
そうこうしていると、愛が、源に注意を促した。
『源。数千の空襲部隊が新たに飛んできています。以前、見かけた黒い軍団です』
『獣人ばかりで、かなりの武装をしていたあの空飛ぶ部隊か!?』
『はい。あの部隊だと思われます』
どうする・・・ここでまた数千の空襲部隊が到着されたら、さすがに耐えられるとは思えない・・・。
『源。視認でしか確認できませんが、ドラゴネル帝国連合軍の大軍のさらに外側から新たな軍が、レジェンドへと向かって進行してきているようです』
・・・。
『後続の20万のドラゴネル帝国連合軍が、もう到着したのか??』
『これほど早く到着させるのは計算外ですが、何らかの方法で北側から迫ってきているようです』
空からも増援・・・・陸からも増援が来てしまった・・・・。ここまできたら、もう奥の手を使うしかないのか・・・と源は思った。
源は、レジェンドの空襲部隊を中に避難させた。これ以上、一緒に戦えば、空襲部隊は壊滅してしまう。急いでレジェンドの空襲部隊はドーム屋根の中に入っていった。
そうこうしている間に、黒い軍団が、レジェンドの上空を輪になって囲み始め、ぐるぐるとその輪の陣形で、まわりはじめた。
統率も取れている・・・・。前の空襲部隊も、眼の前の空襲部隊も、各国の軍隊の寄せ集めなので、連携が取れないでいたが、黒い軍団は、それ自体が、1つの国の軍隊だろうと分かる。
同じように黒ずくめの鎧で、魔王の軍団のようなそのデザインの特長からもそれはみてとれる。
ここまでなのか・・・・。
と思った瞬間、黒い軍団は、ドラゴネル帝国連合軍の空襲部隊に攻撃をしかけはじめた。
なんだ・・・!?仲間割れか!?
黒い軍団は一気に、レジェンドの上空を制圧しはじめた。源にはまったく攻撃しようとはしてこない。それどころか源を守るかのように源のまわりを徐々に黒い軍団が陣形を組み始めた。
黒い軍団は、ドラゴネル帝国連合軍の空襲部隊を黒い斧や黒い槍で突き刺しては、いのちを絶っていった。人数の数も圧倒的に黒い軍団のほうが多く、また統率した連携は比べるまでもなかった。あっという間に、ドラゴネル帝国連合軍の空襲部隊を蹴散らしていった。
ドラゴネル帝国連合軍の空襲部隊を倒すと、その黒い軍団の一部が、道を開けた。
その道から他の兵士とは明らかに違う風貌の黒と赤色の鎧を付けた鎧兵士が、近づいてきた。その顔は兜で見えない。黒い軍団の指揮官だろう。
赤い戦士は、黒色の空飛ぶ6つの羽を持つペガサスのような馬に乗りながら、源に近づいて話しかけてきた。
「お前が、レジェンドのセルフィか?」
なんだ・・・突然、ドラゴネル帝国連合軍を裏切ったとでもいうのだろうか・・・。
「そうだが、あなたは一体誰なんだ?ドラゴネル帝国連合軍を裏切ったのか?」
兵士は大笑いをした。
「わははは。裏切ったのは今にはじまったことではない。何度も裏切っておるわ」
兵士は、兜を脱いだ。
兵士は、獣人のモンスターだった。左目は、剣か何かで傷つけられ、片目はみえないようだ。黒いパンサーのような強靭なモンスターが、モヒカンのような赤色の毛をつけて、その顔を源にみせた。
「わしは、ペルマゼ獣王国の王。マゼラン・パテ・アガだ」
なるほど、ボルフ王国と一緒にドラゴネル帝国に反旗を翻したペルマゼ獣王国の王だったのかと源は思った。
「あなたが、ペルマゼ獣王国の王マゼラン・パテ・アガ様ですか。わたしは、レジェンドの総責任者セルフィです。なぜペルマゼ獣王軍が、ここに来ているのですか?」
「わはははは。お前は面白い奴だのー。同盟国の1つが攻められておるのなら、一緒に戦うのが、道理だろうよ。それに、お前たちレジェンドは、何度もドラゴネル帝国連合軍を追い帰したというではないか!そのレジェンドをこのまま倒させては、こちらにも不利でしかないだろうが」
「ということは、ドラゴネル帝国連合軍のさらに外側の北から進軍しているのは、ペルマゼ獣王国の陸軍ですか?」
マゼラン・パテ・アガは、大きな声で答える。
「その通りだ!我々ペルマゼ獣王国の兵士とボルフ王国軍。そして、ワグワナ法国軍の三国同盟軍の15万人だ。よくぞここまで粘ったな!ただの村ではないことを貴様は証明しおったのだ!」
ペルマゼ獣王マゼラン・パテ・アガと話している間にも、三国同盟の15万の陸軍が、レジェンドに30万に減らされ、さらに兵量不足から気力も落ちていたドラゴネル帝国連合軍に襲いかかりはじめていた。
同じ農民兵同士の戦争で、レジェンドの戦いで疲労していたドラゴネル帝国連合軍は、後ろから突然、10万規模の攻撃を受けて、混乱し、瓦解しそうになっていた。
ペルマゼ獣王マゼラン・パテ・アガは、源に述べる。
「後の処理は、我々にまかしておけ。もし、万が一の時は、連絡をよこす。その時は、レジェンドも最後の戦いに挑むがよい。次は、我々ペルマゼ獣王国の戦い方をみせてやろう。皆殺しをこのレジェンドで堪能するがよい!」
上機嫌に話す王だと源は思った。相当、戦争が好きなのだろう。ペルマゼ獣王国の者は戦いを好むと聞いていたが、その話は本当なのだろう。正直、複雑な気分だった。レジェンドが助かったのは、ありがたいが、俺としては、別にボルフ王国やペルマゼ獣王国を認めているわけではないからだ。むしろ、ドラゴネル帝国の方に正義があるとさえ思える。そのドラゴネル帝国の農民兵を皆殺しにすると宣言されても、気分が悪いだけだ。
ペルマゼ獣王マゼラン・パテ・アガは、黒い軍団と一緒に、残りのドラゴネル帝国連合軍を空から攻撃をしかけはじめた。
陸と空からの攻撃を次は、空襲部隊を失ったドラゴネル帝国連合軍が味わってしまっている。レジェンドのように守ってくれる壁も屋根もないなか、挟まれたように、じわじわと30万のドラゴネル帝国連合軍が、削られていった。
これが戦争かと源は思った。
勝っているほうは、まるで楽しんでいるかのように、生き物を殺していく。しかも、悪だと思われる三国同盟軍が、勝利しそうなのだ。まだ、数では、ドラゴネル帝国連合軍が多いから分からないだけだが、形勢は、レジェンドを攻め込んでいたドラゴネル帝国連合軍が悪い。
源は、その状況を通信で報告する。
《ボルフ王国とペルマゼ獣王国。そして、ワグワナ法国の三国同盟軍が、ここに到着した。レジェンドを攻撃していたドラゴネル帝国連合軍の背後から突然15万の軍に攻撃されているから、もしかすると、この戦いは、俺たちの勝利になるかもしれない。被害報告を頼む》
《A班被害なし》
《B班被害なし》
《C班32匹が負傷。いのちに別状はありません》
《1班、15人負傷だけです》
《2班、5人負傷だけです》
《3班、被害なし》
《4班、20人負傷で死者なし》
《5班、3人負傷だけです》
その内容は、レジェンド全員に伝えられると、もの凄い喜びの声が上がった。
ふぅー・・・負傷したウオウルフが、30匹程度と40人程度の負傷者がいたが、レジェンドの被害が、それぐらいで済んでよかった・・・。死人はひとりもいない。
なんとか、この危機を乗り切った・・・。この40万の軍隊をこのまま倒すことが出来たら、残りの後続軍の20万の2つの軍にも勝てる可能性は出てくる。
しかも、ドラゴネル帝国連合軍は、兵量不足だ。力が均衡してきたのなら、猶更、撤退する可能性が高くなるわけだ。
源は、レジェンドの上空に飛んで、360度を見渡した。
『源。30万のドラゴネル帝国連合軍が、15万の三国同盟軍と戦っているようですが、そのさらに外側から大規模な軍が迫ってきています』
『何!?規模は?』
『20万程度だと思われます。源』
源は、声を出した。
「嘘だろ・・・」
ドラゴネル帝国連合軍の後続軍が、こんなにも早く到着したというのか・・・。なぜだ・・・。兵量不足だから、一気に攻め込もうとしていたのか・・・。
まずいぞ・・・。
《喜ばしてしまったが、みんな聞いてくれ!新たに20万のドラゴネル帝国連合軍の後続軍が到着してしまったかもしれない!三国同盟軍の15万が、この50万の軍勢に逆に挟まれて勝てるとは思えない。20万の軍勢が、到着するまでに、30分ほどしか猶予はないが、レジェンドの兵力をすべてそそぎこんで、三国同盟軍と30万を追い込めるまで、攻めるしかないだろう!合図と共に、一斉に突入し、合図と共に一斉にレジェンド内に退却する。分かったか?》
喜んでいたレジェンドの村人たちは、気持ちを切り替えて、全兵力をレジェンドの西入り口に集合した。1万のウオウルフ軍は下からの攻撃で、6000人の兵士たちは、3000匹のドラゴネットと3000匹の騎馬に乗って待機した。
全部隊、総攻撃だ。
『源。何かがおかしいです。戦場全体がなにかの力で計画的に動かされているようです』
『計画的?』
『戦場に軍隊が現れるタイミングがまるで測ったかのように動いているようです。源』
確かに、次から次へと軍隊が来ている・・・だが、そんなこと考えている暇はない!今は、なるべく早く混乱している30万の帝国軍を今のうちに減らせるだけ減らすべきだ。
源は再度、確認させるために通信で伝える。
《花火の合図とともに、突撃し、花火の合図とともに、撤退だ。撤退の合図をみたら、すぐにレジェンドの中に逃げるように!これは滅びるか、滅びないかの戦いだ。行くぞ!!》
レジェンドの戦士たちは、一斉に声を上げた。
「「「オーーー!!」」」
そして、花火の合図とともに、外に飛び出して、後ろからドラゴネル帝国連合軍へと突入した。レジェンドの兵士6000人は、それぞれ動物の背中に乗ってウオウルフと一緒に突入する。
ドラゴネル帝国連合軍30万は、空から黒い軍団5000に攻撃されながら、陸からは15万に攻撃され、さらにレジェンドのウオウルフの軍団も挟み込むように、攻撃をされて、かなりの混乱へ陥った。
源は、ロングソードを持って、ひとりだけで、ドラゴネル帝国連合軍だけしかない中央の中に入り込んで大暴れした。
その穴を狙ってレジェンドの兵士たちが雪崩れ込むかのように突撃していく。
源は、一振りするだけで、大量のドラゴネル帝国連合軍の兵を倒してしまう。
しかし、時間がない!あと15分もすれば、その背後から20万の新たなドラゴネル帝国連合軍が突入してくる!
源は、空を飛んで、今までで一番大きな炎弾を出して、ドラゴネル帝国連合軍へと放った。
大量の兵士が、源の炎弾の熱量によって倒されていった。
ドラゴネル帝国連合軍の兵士たちは、さらに混乱した。空から巨大な炎が撃ち込まれているからだ。ほとんど崩壊寸前になっていた。
攻撃に集中していた源に愛が声をかけた。
『源。逃げてください』
ん・・・?
源は、集中して、攻撃している最中に愛が話しかけてきたので、何だと思った。
『どうした?愛。逃げろといったのか?』
『はい。源。今すぐリトシスで空を飛び。ユダ村へと向かってください』
『何を言ってるんだ?今レジェンドのみんなは、戦いの中で、バラバラに戦っているんだ。一斉に連れていけるわけがないだろ?』
『いえ。源。逃げるのは、源だけです。今すぐ、ここを離れてください』
源は、愛が壊れてしまったのかと思った。意味が分からない。
『みんなを置いて逃げるわけがないだろ?壊れたのか?』
源は、20mにもなる炎弾を下へと投げ放った。
しかし、その放ったはずの炎弾は、下で爆発する前に、かき消されたように、突然消え去ってしまった。
何が起こったのかと周囲の警戒を強めた源は、ある個体を認識した。
あきらかに、何かが違う者だ。源は、飛んでいる体をそちらの方へと向けた。
その兵士は、青い鎧を付けていた。兜は被っていない。
男は、源に質問してきた。
「お前が、セルフィか?」
こいつ・・・もしかして・・・
源は質問を返した。
「あなたが、サムエル・ダニョル・クライシス戦士長か?」