90章 帝国兵量奪還作戦
源は、調査団たちのところに戻る前に、空高く飛んで、帝国の兵量がどこに集まっているのかを一人で調べに行く。夜の暗い中で探していては、みつからないと思ったからだ。
40万の軍勢の中にも、沢山の兵量があったが、その量なら、数日分といったものだと思った。たぶん、後続の軍が大量の兵量を運んでいると思われる。
40万の大軍の指揮官はさすがで、兵量のまわりをかなりの数の兵で強固に守っていた。夜であっても、40万の夜営地の真っただ中に忍び込んで、襲えるとは思えなかった。
源は、本当の兵量貯蔵場所をかなりの上空から探した。
愛の仮想映像を使って、離れた場所の映像をズームするようにみせることができる。不鮮明な映像を処理して、解析し、クリアに見えるようにするのだ。鮮明な画像で調べていくが、愛の解析力でも、それらしいものは見当たらなかったので、後続の軍隊に向かった。
20万の帝国軍を発見したが、そこにも、兵量の貯蔵場所は発見できなかった。
40万の帝国軍がいた場所から300km離れたところに、巨大な河があった。その巨大な河は、ルミール河と呼ばれているものだ。河の幅は10kmにもなるのではないかというほどで、ほとんど巨大湖の規模だ。
そこにも、兵量らしきものは、発見できなかった。
『源。兵量は5000艘の船の中に貯蔵されているようです。船に乗っている兵士の数を考えると、船が水に沈んでいる深水が深いからです』
『なるほどな。それに20万の帝国軍が、まるで船を守るかのような配置になっているな』
もし、兵量を守るために、ここまでの軍勢を配備させているのなら、相当頭がきれる指揮官が総指揮を取っているかもしれないと源は思った。20万もの兵士を使って兵量だけを守らせようとしている。
ボルフ王国連合軍が、陸からこの兵量を狙ったとしても、船を移動させれば、ほとんど手出しできない。空から攻撃したとしてもたかが知れているだろう。帝国軍も空からの攻撃ができるモンスターなどがいるからだ。河から船で攻め込んでも、20万の兵士たちは、いつでも船に乗り込める。
源ひとりなら、川にもぐって、船底に穴をあけて、沈没させていくということも出来るとは思ったが、それでは、川から兵量を再度、収集されてしまう。
出来れば、火で兵量を焼きたいところだが、この20万の軍勢が、兵量が焼かれる時間まで待ってくれるとは思えなかった。しかも、火を消すための水はすぐそこにあるのだ。
船の数は、もの凄く多くて、5000艘ある。歩兵隊のほとんどは、この船に乗って運ばれてきたのだろう。
一艘一艘が100人単位の人が乗れるほどの全長30mもある大きな船だった。
まったく人が乗っていない船もあれば、そこそこの人数が乗っている船もあり、どうやら深水の位置をみれば、船全般に、兵量が乗せられているようだった。
兵士を固めて乗せているのは、敵から兵量を守るということもあるかもしれないが、味方の見張りからも兵量を守る意味合いもありそうだ。つまみ食いするような奴らもいるからだろう。
源は、情報を解析して、目の前の空間に大きく、大雑把な帝国軍の配置を表示してもらい、どのようにすれば、兵量を狙えるのかを考えた。
そして、愛の提案する計画を採用することにして、それの準備をしてから、調査団の場所に戻り、みなにその作戦を報告して、一斉に空を飛んで、夜になる前に、計画実行可能場所に、連れて行って待機させた。
刻一刻と、作戦実行の時間が迫る。
―――巨大河ルミールの東側にドラゴネル帝国の兵量が乗せられている船が停船されている。その反対側、10kmの先に、西側の岸があるが、さらに陸を20kmも離れたところで、レジェンドの調査団が、夜を待って待機している。
戦士100人。ウオウルフ140匹。ロック。リリス・パームと動物たち。そして、エリーゼ・プルとバーボン・パスタポもリリスと共にアイスドラゴンのフレーの上に乗って待機していた。
戦士100人の指示を農民兵の代表者であり、戦士の長となったローグ・プレスが行う。それぞれが小さな種火を持って時間を待つ。
巨大河ルミールの幅は10kmもあって、反対側から船を狙らわれるなどとは、露にも思わないので、ドラゴネル帝国の20万の軍団は、河を背にして、東側の陸の方向を向いて船を守っていた。
リリス・パームは、火のついた松明を暗闇の平原の中、1つだけ持ってフレーに乗っている。
源だけは、ひとり、西側の河の岸で待機していた。源以外の調査団は、すべて陸の20km先にいるのだ。作戦のためにそのような配置になっている。
太陽は、夕日の光りとなり、今から10分後には、夜となる。
その時間で、源は動いた。
リトシスを使って、水の中に潜っていく。
源のまわりは、まるで空気のような丸い空間になって、水に濡れない。そのまま、まるでリトシスで空を飛ぶように、源は水の抵抗なしで、素早い動きのまま、水の中を進んでいく。
空気抵抗を無しで飛ぶように、水も同じように進めていた。
源が進むのは、東側の岸の停船している5000艘の船の方向だ。たったひとりで、10kmの距離を数分で辿り着く。
源は、ひとつひとつの船の底にグラファイロープを付けていく。岩を粘土のようにこねてつけられるように、船の木にも、グラファイロープを塗り付けていくのだ。
並べられたほぼ、すべての船に、グラファイロープを1時間ほどで付けていった。どの船にロープをつけたのかのチェックは愛がしてくれている。
そして、なるべく最初は、気づかれないように、ゆっくりと、5000艘の船を西側へと移動させていく。
リトシスの効果を持った船は、リトシスの効果が発揮される前よりも、安定して、まるで船が固定されているかのように、揺れていないのだが、確実に動いていた。
リトシスの効果がある物は、空気抵抗も、水の抵抗もないので、河に波紋さえも作り出さない。しかも静かに動く。
気づけるとしたら、船に乗っていない帝国軍人たちだが、多くは河側をみるのではなく、東側から敵が来るかをみていて、しかも、ゆっくりと船は動いているので、数分は、気づかなかった。
東側の岸から10mも5000艘の船が、離れてから、やっと叫び始めた。
「おい!船がいつの間にか、岸から離れているぞ!」
岸側の兵士たちが、船に乗っているはずの兵士たちに大声で話しかけようとする。
「何があった!?どうして、船を動かしているんだ!?」
と叫ぶが、船の中の兵士は、まったく気づかない。それほど、リトシスは、静かに船を動かしていたのだ。
「どうして船が横に移動してるんだ?」と状況が分からない陸側の兵士たちは頭をかしげる。
ある程度、東側の岸から離れると、源は、スピードをあげていく。
どれだけ早く移動させても、リトシス内では、変化はないので、船の中の兵士は、気づかない。しかし、外に出た兵士たちが、異変に気付き、すでに船が東側の岸から遠く離れていることに驚く。
「どうして、船が移動してるんだ!?しかも、何だこの速さは!!」
船に残っていた兵士たちは、うろたえるが、船は速度を増すばかりで、止まる気配がない。物凄いスピード200km/hで移動しているのに、安定感があることに戸惑いを隠しきれずに騒ぎ出した。
数分とせずに、5000艘の船は、西側の岸へと辿り着いてしまい兵士たちは叫ぶ。
「おい。もう西側の岸にきちまったぞ!」
それに驚いていたが、さらに兵士たちは混乱した。
なぜなら、船は、水の上ではなく、陸の上でも変わらない速さで、進んで行ったからだ。
「はぁ!!??どうして、船が陸の上を移動してるんだ!?」
兵士たちの中には、自分の頬を叩いて、夢でもみているのかと思っている素振りをする。1艘なら陸も移動できるかもしれないが、陸の上を移動しているのは、5000艘の大船団なのだ。
『源。リリス・パーム様の松明の光りを感知しました。あと約10km、5度南です』
『了解』
源は、5000艘の船の進む方向を修正して、さらにスピードを上げていく。
すべての5000艘の船が、陸の20キロ先まで移動したところで、動きがとまり、地面へと降ろされると、船はバランスを崩して、横に横転していった。
もちろん、その船の中の兵士たちも地面へと落とされ、怪我をするものもいれば、船にしがみつくものもいた。
5000艘のすべての船が横倒しになって陸で倒れている状況だ。
そこに走り込んできたのが、レジェンドの戦士を背中に乗せた、ウオウルフたち黒い影だった。
横転している船のまわりを走り込み、兵士が乗っている船を見つける度に、源がレジェンドから持って来た火薬筒を投げ込み火をつけていく。
空からは、リリスが、エリーゼ・プルとバーボン・パスタポもリリスと一緒に、船を確認していく。
リリスたちは、ウオウルフや戦士とは逆に、兵士の乗っていない船を見つけては、その船をフレーのブレスで、凍らせていく。
次々と燃やされていく船をみても、兵士たちは、消すこともできない。なぜなら、河の水は遥か先、20kmも先だからだ。
ウオウルフに乗った戦士たちは、火薬を投げ込みながら、船を燃やしていく。
源も、兵士の乗っていない船と、フレーに凍らせた船にグラファイロープを再度つけて、船団から移動させて、燃えない位置へと船を次々と運んでいく。
兵士の乗った船だけは燃やされていくので、兵士たちは、四方八方へと逃げていく。
逃げずに守ろうとする帝国兵士とは、戦わなければいけない。ウオウルフや調査団がそういった兵士を見つける度に倒していく。
エリーゼ・プルとバーボン・パスタポもリリスは、リリスに言って、フレーから降ろしてもらった。自分たちも戦うと決めたのだ。
帝国兵士が腰の剣を抜いて、エリーゼ・プルに斬りかかるが、エリーゼは、カーボンソードでその剣を受けると、帝国の剣は、折れてしまった。
そのまま、エリーゼは、兵士の胴体を狙って剣を振り下ろす。
帝国兵は、鎧を着ているが、その鎧を簡単に、切り裂き倒してしまった。
女性と言えども、剣士のエリーゼに、軽くて強度のあるカーボンソードを持たせれば、これほど強くなってしまう。
バーボン・パスタポは、カーボンアックスで同じように、戦おうとする帝国兵士を倒していく。相手が盾を持っていても、カーボンアックスに攻撃されれば、ひとたまりもない。
アイスドラゴンのフレーは、兵士の乗っていない船を凍らせながらも、敵の兵士を発見すると、氷の槍を作り出しては、帝国兵士を貫く。
通信によって、リリスから源に連絡が入った。
《セルフィ。聴こえている?》
《ああ。ハッキリと聴こえているよ》
《フクロウたちの目で、帝国軍の空襲部隊が、河を渡って、移動してきていることがわかったわ。20分もしたら、ここに着いてしまうと思う。夜の中なのに、火で船が燃えているからもう、遠くからでも発見されているはずよ》
源は、全体に指示を出す。
《分かった。リリスは、引き続き、フレーを使って船を燃やさないようにしてくれ。
調査隊は、兵士が乗っている船が見つからなくなったものから、通信で、報告しろ。何か変化があったらすぐ報告しろ》
140匹のウオウルフが、走り込んで、5000艘の横転した船にかけよりながら、見つければ火薬を投げ込むのを続けるが時間に猶予はない。
1体が50艘の船をチェックする割合で、行われる。
船の全長は、30mほどなので、各自1.5km以上を走りながら、火をつけている状態だ。
あと10分で、選別を終わらせなければいけない。
混乱して逃げて行く帝国兵士は、レジェンドの兵士だとは思わないと思うが、帝国の空襲部隊は、冷静に戦い始めるはずだ。
そうすれば、ウオウルフや戦士たちの姿をみられ、レジェンドだということもバレてしまう。
もし、空襲部隊が来てしまえば、源がすべて倒すぐらいのことをしなければいけなくなる。
何とか時間内に、兵士の乗っている船は、燃やし、兵士の乗っていない船は、凍らせたり、別の場所に移動させて、燃やさせないようにしたい。
これらを続けて、2000艘の船が、燃やされずに移動していた。燃やされた船も2000艘だ。残るは、1000艘のチェックだけとなる。
すると、通信で、ローグ・プレスの助けを呼ぶ声がした。
《セルフィ様!物凄く強い帝国軍人5人が、暴れています。誰か救援をお願いします。4匹のウオウルフでも倒せません。位置は、燃えている船の東南の隅です》
源は素早くリトシスで向かいながら、指示を出す。
《ロック。リリス。向かってくれ。俺も向かう。他の戦士やウオウルフは、そこには近づかないようにしろ。敵は強敵のようだ。ヘタに攻撃をせず、ただ足止めだけをしろ》
―――5分前、ローグ・プレスは、5人の黒い装備をした男たちを発見した。レジェンドの戦士たちではない。ターバンのように黒いスカーフを顔に巻き付け、軽装の装備で、炎に燃えている船の間に、5人は集まっていた。
ウオウルフ2匹が、その黒姿に攻撃を加えようと、ウィンドソードで斬りかかるが、黒姿たちは、ウィングソードを見事な体捌きで、躱していく。
ウオウルフ2匹の連携は素晴らしく、一匹が攻めると、時間差攻撃で、リズムを崩しながら攻撃するが、それでも、黒姿たちを捉えることができない。
黒姿は、躱している一方だったが、突然、ウオウルフの胴体に蹴りを喰らわすと、ウオウルフは、数m吹き飛んで、燃えている船にぶつけられた。
「キャウン!」
ローグ・プレスと一緒のウオウルフも駆けつけ、ウオウルフは、4匹になるが、黒姿は、その4匹のウオウルフの攻撃さえも、躱していく。
そして、ウオウルフの顔面を蹴り上げて、一匹のウオウルフを倒してしまった。
ローグ・プレスは、応援を要請した。
数分後、ロックが、その場を発見したが、2匹のウオウルフが倒れていた。
ロックは、背中のビックボウを取り出して、走りながら、ウオウルフに当たらないように、高目に狙いを定めて、矢を放つ。
だが、黒姿は、そのビックボウの矢を受け止めた!
ビックボウは、普通のボウガンよりも威力があるものだ。城に置かれているものよりは中型だとは言え、簡単に止められるものではないはずだった。
あと、数分で、空襲部隊が到着してしまう。
ロックは、ビックボウを背中に戻して、ロングカーボンアックスを両手に持ち、黒姿に、振りかざすが、黒姿は、簡単にその攻撃を躱して、ロックの腹に蹴りを打ち込む。
ウオウルフは、飛ばされたが、ロックには、攻撃は効かなかったが、ロックの突進を止めた。
ロックは、ロングカーボンアックスをかなりの速度で振りぬいているが、攻撃は当たらない。
ロックは、まるで独楽のように、回転しながら、数人の黒姿にロングカーボンアックスを振りぬくが、下に伏せられ、ロックの足を狙ってきた。
足をひっかけられたが、ロックには、特に問題はなかった。だが、わざとロックは、体全体で、黒姿に倒れ込み、自分の重さでひとりを無理やり潰した。
ロックが、倒れ込んでいるところを4人の黒姿が、一斉に、ロックへと蹴り込もうとしたところを4人は、逆に吹き飛ばされた。
ロックの体の上で回転して弾き飛ばしたのは、源だった。
源は、「ロック」と言って、倒れているロックに手を伸ばしたので、ロックが手を出すと、源は、そのロックをグルと一回転して、回し、源に蹴られて、のけぞっている黒姿のひとりに投げ込んだ。
ロックは、驚きながらも、そのまま大きな拳をバランスを崩している黒姿に打ち込み、二人目を倒した。
「おい!俺を投げるか?普通・・・」
源は、ロックを投げたあと、素早くリトシスで、他の黒姿の前へと移動した。まるでお化けが進むかのように、不自然に直線的に、もの凄いスピードで間合いをつめられ、黒姿は、驚きながら、パンチを繰り出すが、源は左手で、そのパンチを受け流して、右手で逆に黒姿のボディを殴りつけた。
黒姿は、燃えている船にまで飛ばされ、絶命する。
《あと、二人》
と通信で源は伝える。
と、黒姿ふたりの真上から、フレーが、ブレスを吹きかけると、黒姿は一瞬で、氷になってしまった。
《手強い敵は、倒した。全員、予定の場所に素早く移動》
と言うと、ウオウルフたちは、戦士を乗せて、暗闇の中を走り抜けていく。黒姿に倒されたウオウルフを抱えて、移動するウオウルフもいる。
リリスやエリーゼ・プルとバーボン・パスタポもリリスと一緒に、フレーに乗って、移動していく。
源は、ロックを連れて、100mほど高く空を飛び、燃えている船団2500艘ほどに向かって、巨大炎弾を5発連続で放つと、炎弾は、大爆発を起こして、燃え切っていなかった船をこの粉々にして、燃やし尽くした。
そして、素早く別の場所に移動させた2500艘のグラファイロープを持って、素早く、1km上空に飛ばすと、燃えている船の上には、ドラゴネル帝国の空襲部隊が、飛び回りはじめた。危機一髪だった。
源たちは、その遥か上空にいて、気づかれることはなかった。
移動させた船に、ウオウルフ140匹と100人の戦士が乗っていた。予定場所は、燃やされていない船だったのだ。
フレーも、船に接触して、リトシスの効果で空を飛んでいる。
《負傷者、行方不明者はいないな?》
ローグ・プレスは、答える。
《2名のウオウルフの負傷はありますが、命には別状はありません。140匹のウオウルフと100人の戦士、無事、船の中です》
《よし、ドラゴネル帝国兵量強奪作戦、成功だ!今回は、俺たちの勝利だ》
というと、調査隊が、声をあげて喜んだ。
《今日のみんなの努力は、必ず貧民地のみんなのためになる。生き残った4000人の農民兵もすでにレジェンドで保護されている。みんなで、レジェンドに戻ろう!》
みんなは歓声をあげた。昼間にみた2万の農民兵の虐殺戦争の借りを返すことができたと考える調査団もいた。今はレジェンドの人間だが、貧民地の農民兵は、かつての住民たちだったからだ。
2500艘の船の中には、貧民地の20万人の食料1年分ほどと大量のお金が積まれていた。ドラゴネル帝国連合の兵士に渡すはずの報奨金だろう。
源たち調査団は、夜のうちに、貧民地へと移動して、農民だけに教え、船の中の食べ物とそのお金を配り、船を遥か遠くの山に捨ててきた。
これで、農民は、戦争に負けても、略奪はされるかもしれないが、食料を隠しておけば、餓死で、死ぬようなことにはならないだろう。
2万の農民兵のうち16000人が、安否不明だということも告げた。
ボルフ王国は、農民兵に武器さえも持たせずに、送り出したことも伝えた。
そして、レジェンドからは、6万人分の武器は渡してあることも教えたので、農民兵たちも催促できるようになるだろう。
ただ、レジェンドは、戦争には参加するかは、まだ不明だということを源は話して、レジェンドへと戻っていった。
今回の兵量の量を考えれば、数カ月分のドラゴネル帝国80万の兵量だっただろう。あとからまた、兵量は送られ続けて来ると思われるが、その送られてくるまでの時間は、十分に食事をとれずに戦うことになる。
80万という数が、逆に帝国連合軍を苦しめることになるのだ。
そして、今回は、レジェンドが関わった証拠もなく、闇夜に乗じた作戦だったので、戦争に参加しないという選択枠も残されている。これからレジェンドは、村人全員で、会議を開いて、戦争に参加するのかを決めることになるのだ。