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214章 祭り

『ワグワナ法国の統治は、順調?』


『そうかな・・・。でも、リリスが贈ってくれた動物たちのおかげで、農民たちは、とても喜んでくれて、中には俺たちへの理解を深めてくれた人たちもいるよ

ありがとう。リリス』


『セルフィには、それ以上のこと、国自体を与えてもらったのよ

それぐらいは、協力させて

そうそう、お祭りの準備は整ってるわよ

みんなとても、はりきってるわ』


『そうか。レジェンドも恒例となりつつあるんだけど、新大共和ケーシスでも、もうお祭りが出来るのはいいことだ』


『受け入れ準備は、整っているからね』


『ありがとう』


源は、数日前からレジェンドと新大共和ケーシスで行われる聖書の祭りの宣伝をワグワナ法国の民たちに向けて行っていた。

どれだけのひとが、見学してくれるかは分からないけど、行ってみるか。


中央広場へと向かうと、もの凄い数のひとたちが、集まってくれていた。


おおーー!こんなに


『無料で食べ物が食べられるという話が広がって、これだけの数の人たちが集まったようです。セルフィ様』


『ああ。なるほどね。そっちがお目当てか。まーそうだろうね』


源は、ソースを使って、集まってくれた数万のひとたちに話しかけた。


「これから、転移ゲートを開きます


大きなゲートは、新大共和ケーシスに通じています

小さめのゲートは、わたしの町レジェンドに通じています

お好きな方をお選びください

ワグワナ法国の民であれば、入国が許可されていますので、聖書のお祭りを楽しんでいってください

無料だからといって食べ過ぎてお腹を壊さないようにしてくださいね

祭りは、三日続けられます

その間の寝泊まりも、宿は用意してありますので、ご安心ください

ワグワナ法国へと帰りたいと思われた場合は、ゲートは、ひらきっぱなしにしておきますので、帰ることができますし、レジェンドと新大共和ケーシスどちらにも、行き来ができるようにしてあります

近くにいる物質モンスターのミカエルに声をかけてもらっても、瞬間移動で戻ることができます

迷子などになった場合や、何か問題が起こった場合は、ミカエルに相談してみてください

では、あわてず、ゆっくりゲートに入り、そのまま、新大共和ケーシス、レジェンドへと入ってお楽しみください」


中央広場に、大きなゲートと小さめのゲートが、複数現れた。


ワグワナ法国の民たちは、どちらにしようかと悩んで、各自ゲートへと入っていった。

その間にも、ミカエルが、慌てないように歩いて移動してくださいと声をかけつづける。


大きなゲートをくぐると、もの凄く大きな黒い壁と扉が、目の前にあった。

新大共和ケーシスの南門へと転移していた。


新大共和ケーシスの民たちが、笑顔で、人々を門の中へと誘導してくれる。

町の中にはいると、みたこともないような建物や乗り物などがあり、ワグワナ法国の民たちは、驚きを隠せない。


「ボルフ王国は、本当に滅んでいたのか・・・」


「なんだ・・・あれは・・・」


子供たちが乗っているキックボードのようなバイクに目を向ける。


そして、街の中には、とても多くの露店が出されていた。

みたこともない食べ物なども大量に露店でだされていて、ワグワナ法国のこどもたちは、かけよって注文した。

すべて無料だ。


「あれは、なんなのだ?セルフィ殿」


ガマル・ルィール・チェクホンは、色々と質問してきた。


「あれは、氷に甘いタレをかけて食べる。かき氷というものです

あれは、たこ焼き、たい焼き、りんご飴、焼きそば、チョコバナナ、イカ焼き、お好み焼き―――」


「イカ?イカまで用意できているのか?」


「はい。帝国から取り寄せました

焼いているから、イカ焼き、たこ焼きです」


そうこう言いながら、ガマル・ルィール・チェクホンやエバー村にいた政治家やレジスタンスの人たちを案内していると、祭りの中から女性の悲鳴のような声があがった。


「ひぃいいーー!!と・・・・とんでもない!!」


「あらーーー・・・驚いてしまっているな・・・」


源は、ソースで祭りに参加しているひとたちに聞こえるように説明した。


「ワグワナ法国の民の皆さん。新大共和ケーシスやレジェンドでは、絵を描くこと、音楽を奏でることなど、芸術は解禁させれています

ですから、芸術家さんたちは、無料で似顔絵を描いてくださっているだけなので、怖がる必要はありません

これからは、ワグワナ法国でも、絵を描くことは解禁されますので、罪に問われることはありません」


怖がられた新大共和ケーシスの絵描きさんは、悲しそうな顔をみせながらも、説明を続けた。


叫んでいた女性は、恐る恐るイスに座ってくれて、困惑した顔のまま似顔絵を描いてもらいはじめた。


叫んでしまったことを申し訳ないとでも思ってくれたのだろう。


「ゆるしてくれ。絵を描くことは禁止されるのは、ワグワナ法国だけじゃない」


「そうですね。分かっていますよ。殿下」


源は、露店で並べられた本を、露店の人にお辞儀しながら、ガマル・ルィール・チェクホンにみせた。


「これは漫画というものです」


「マンガ・・・」


殿下は、漫画本を手に持って、驚く。

セルフィにそっくりな絵で、セルフィが描かれていたからだ。


「ここまで精巧な絵まで、許可するとはな・・・。とんでもない常識だ・・・」


「こどもたちには、文字よりも絵で表したほうが分かりやすいのです

大人も好んで読んでくれていますよ」


「セルフィ殿が多く描かれておるな」


そこを指摘されたが、源は、スルーした。

自分を主人公にされた漫画などみたくなかったが、否定すると作者に悪いので、黙認していた。自分が主人公にされていない、その他の漫画や劇などは、大げさに褒めちぎっていたが、ニーナなどには、俺の心情がバレていて、冷たい目を向けられた。


「殿下。音楽なども楽しんでくださいね」


「音楽か・・・帝国では、音楽が娯楽としてあるとは聞いていたが、こういうものなのだな」


様々な楽器などが並び、奏でられていた。


「あの空に浮かんだ丸いものはなんだ?」


「あれはバルーンですね。バルーンに垂れている布に、お店の名前などをつけて宣伝するんです」


”リタ商店”や”動物の美容院”という大きな文字が書かれていた。


「あの巨大なたぬきのようなものはなんだ?」


「あれは、エアー遊具の”ふわふわ”と呼ばれているものです

こどもが中で、飛び跳ねて、遊べるんですよ」


説明していると、新大共和ケーシスとレジェンドで、ソースを通して、掛け声が、3回あがった。


「「「コケコッコー、コケコッコー、コケコッコー」」」


そして、大きな声で行進する集団が現れた。太鼓を叩いてリズムよく進む。

「わっしょい。わっしょい。わっしょい。わっしょい」


「あの何かを担いでいる集団は、なんだ?」


「あれがお祭りのメインの行事です

聖書には、神の箱であるアークの中に、三種の神器をいれて、人々が担いで、街をまわることが書かれているのです

龍王の意思を守り続けてきた村々でも1000年間、続けられていました」


「アーク・・・というものの上に鳥のようなものが乗っているな」


「はい。あれは、聖書に出てくるエデンの園に出てくる火の鳥、ケルビムを表したものです

アダムとエバが、罪をおかしてエデンから追放されるのですが、罪を知ってしまった人間が永遠に生きてはならないと”いのちの木”を火が燃え盛る場所、たぶん溶岩の場所に封印されたのです

いのちの木とは、永遠の命を与えるイエスキリストのことですね

わたしの名前、セルフィは、そのケルビム、セラフィムから取ったのですよ」


「なるほどなー・・・。あの「わっしょい」という掛け声はなんだ?」


「あれは、ヘブライ語で、”ワッセ、ワッセ”というものが、変化した”わっしょい”訳すと”運べ”または、”担げ”という意味ですね」


「あれらは、どこまで行進を続けるのだ?」


「町を何回も、太鼓を叩きながら、まわるんです

それも聖書のヨシュア記で書かれているもので、敵の町を太鼓を叩いてアークを担いでまわったのです

それが今でも文化として残っているわけですね」


「最初に、変な鳴き声がしたのは、なんだ?」


「ああ。あれは、鶏の鳴き声を3回、叫んでいます

その声は、祭りをはじめる合図なんです

イエスキリストの弟子であったペテロは、イエス様が捕らえられて十字架刑にかけられそうになった時、まわりのひとから、イエスの弟子だと指をさされたのです

ペテロは、恐れて3回、嘘をついて、わたしは弟子ではないと否定したのですが、そのあと3回、鶏の「コケコッコー」という鳴き声が聴こえて、ペテロは、涙するのです」


「ん?どうして泣いたんだ?」


「実は、イエス様は、鶏が3回、泣く前に、ペテロが3回、わたしのことを知らないと偽りの言葉をいうという預言をすでに与えられていたのです

それを言われた時、ペテロは、それを否定したのですが、実際に3回嘘をついた後、鶏の鳴き声が3回聴こえたのに驚いて、思い出したわけですね」


「師の言葉が本当だったということを知ったということか・・・」


伊勢神宮の神殿移動、遷宮の際、3回「コケコッコー」という声を叫んでから行事が進行する。神殿移設のことを”唯一神神殿造り”という。


源は、同じように、聖書の祭りを異世界にも復活させていた

契約の箱を担いで回ることは、龍王の時代から龍王の意思を守り続けてきた村々で行われていた。


「あの三段重ねになった、白い食べ物は、なんだ?」


「あれは、マナという食べ物で、”餅”とも言われています

神様は、モーセと120万のイスラエルの民が、荒野で放浪する際、マナという食べ物を与えられたのです

白いしものような食べ物と聖書には書かれています

稲であり、お米なのですが、そのお米を、蒸したあと”うす”というものでついて、種なしパンを作り、それらを毎年のように食べるようにと神様は教えられたのです

ご飯のことを閣下は、何と呼びますか?」


「飯は、飯だろ?ご飯としかいわないが・・・」


「”まんま”と言ったりしませんか?」


「ああ!こどもに、まんまと言うな・・・。確かに・・・」


「その”まんま”は、イスラエル人がイエスキリストの時代に使っていたギリシャ語の言葉で、マナを”マンナ”と呼んでいたのです

そして、そのマナをいれる壺のことをマナの壺といい、弥生土器とも呼ばれ、それらは、三種の神器の1つとして、古墳などでもよく発掘されるのです」


あ・・・マナの壺の形の古墳、前方後方墳は、現世のものだった・・・。このままスルーしよう・・・。


「そうだったのか・・・マナか・・・魔法のことをマナとも呼ぶが・・・」


「不思議なエネルギーのことをエナジーなどと言ったり、マナといったりしますが、それらの由来は、聖書から来ているので、魔法のことをマナというのは、聖書からかもしれませんね」


「なるほどな・・・あの野菜を串刺しにしたようなものも、聖書のものなのか?」


ガマル・ルィール・チェクホンは、馬のような形に野菜を刺して、飾っているものを指さす。


「そうですね。あれも聖書のレビ記から来ているものです

食べ物の祝福が与えられますようにと神様にささげるかのように、飾るのです」


「しかし、どうして、祭りでそれらを行おうとするのだ?」


「前にも少し言いましたが、人間の脳をマインドコントロールする方法は、大きくわけて2つあるのです

1つは、言葉によって導く方法。そして、もう一つは、五感に働きかけるかのように、普段の生活による文化で、人々の脳に平和の価値観、マインドコントロールを促して、育成していくのです

そうすると、わざわざ人が、言葉で説明しなくても、体で自然と平和を体験し、全体で、共生して生きているのだと実感できるようになるのです

彼らは、何の報酬も与えられなくても、喜んで、アークを運んでいるのですね

こどもたちには、あとで、お菓子をあげる予定ですけど・・・」


「つまり、言葉に頼らなくても、平和の価値観は、築けるということか?」


「両方あることが望ましいですが、どちらか一方だけあるだけでも、かなりの効果をもたらせますね」


「あの大木たいぼくは、なんだ?」


お神輿を担いでいた人たちの後ろから、大きな丸太を担いだ人たちが現れた。


「神の霊は、木に宿ると聖書の民であるイスラエル人たちは、信じていたのです

ですから、木を大切にして、神木として、育て、その木を祭りの際には、一本だけ切り倒し、皆と一緒に運んで、祭りの行事とするのです

これは、ダビデ王の息子ソロモンが、聖書の神様のために作った神殿造りの最中に行われていた祭りで、大木を担いで、川を渡り、街の中を進んでいったのを再現しているのです

今回は、坂からその大木を転がして、人々がそれを追いかけるようなこともしますね

怪我人が出ないように、わたしが立ち会いますけどね」


「レジェンドや新大共和ケーシスのやっている祭りには、それぞれ意味があるのだな」


「聖書に書かれていることをそのまま行いつづけて、体験していくわけです

言葉によらないで、教えなくても、文化の中で聖書の価値観、人権を学ばせていくと民たちは、自然と平和的な思想に誘導されるようになるのです」


実際、日本人は、世界でも道徳心があると認められ、どんな国の民よりも信頼があると評価されている不思議の国だった。

災害時でも、略奪が行われないのは、日本ぐらいだ。災害時は、緊急時のため、お店などから物を持っていくのが、当たり前のように海外では考えられるのだが、日本人は、大人しく、盗みなどをまったくしないので、驚かれるのだ。

それらは太古から日本人が、なぜこんなことを続けるのかと分からずに行い続けてきた太鼓やお神輿など、聖書の価値観を脳に植え付けるもののおかげである。

日本人は、真面目で優しく働き者であるが、そのルーツが聖書に書かれていることを支配者たちによって歴史は歪曲され、隠されているのだ。エジプトで奴隷となっていた時代であってもイスラエル人は、もの凄く働くので、エジプトは、栄え、繁栄した。パロが、イスラエル人を最後まで手放そうとするのを拒んだのは、イスラエル人が有用すぎたからだったのだ。

それら文化さえ、行わくなった時、日本人は、2つのうちの両方を失うことになるので、道徳心が腐敗してしまうことになるのだ。

実際、現世では、サタニズムから生まれた拝金主義者などが増えて来てしまっている。


進化論という学問にみせた嘘ばかりの宗教も、学校宗教団体で脳に植え付けられ、そのまま信じ込んでしまっている。サタニズムとは、悪魔を信じる教えではない、神や悪魔などいないと思わせるように教育していくシステムのことなのだ。


現実に存在している世界を非科学的な教えを脳にいれることで、汚染させていけば、神もないと考える人間が増え、愛や正義のない世になっていくのは、ごく当たり前。

ご都合主義者が多くなれば、どうなるのかは、犯罪者をみればわかることだ。


古き良き時代と日本やアメリカなどではよく言われるが、それらが腐敗していっているのは、嘘や捏造ばかり、詐欺行為をする新興宗教で脳が汚染されているせいなのだ。

日本は、このような進化論というサタニズム思想の宗教をどの国よりも先に取り入れてしまって150年になる。

神道も伊勢神宮の一神教的な教えから、明治時代から多神教的な教えに流されるようになっていった。明治時代前までは、大量のお札とか、そういったものも、存在していなかったのだ。


『セルフィ様。帝国より、セルフィ様に会いたいという方がおみえになりました

以前、帝国首都ドラゴで、セルフィ様が、癒された方々です』


『ああ。そういうこともあったね。わざわざ、レジェンドまで来てくれたんだ・・・

分かった。すぐいくよ』


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