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163章 速度強化魔法

源は、レジェンドの兵士たちから手に入れたマナやスキルを試してみることにし、誰もない大平原へと源は転移した。


まず、アイスドラゴンのフレーが持っていた氷操アイスコントロールを試してみることにした。

アイス系のマナを発動させたあと、そのアイスをさらにコントロールして動かしていくマナだ。


氷守アイスドームを発動させると巨大な半球のドームが作り出された。

相も変わらず、巨大な氷の塊りの量は、制限することができない。

そして、氷操アイスコントロールを使ってみると、確かにアイスを動かすことができた。動かせるスピードはそれほど速くはないが、氷がある場所であれば、自由に積み重ねたり、形を変えることができる。


フレーが、氷で敵を捕まえることができるように、源にもそれができるようになった。

氷操アイスコントロールの熟練度の違いなのか、フレーのほうがコントロールが上手い。

だが、氷操アイスコントロール氷守アイスドームを組み合わせて使うことで、出来なかった氷の量の上限が自在に設定することができた。

自分ひとりの体だけを包み込む氷守アイスドームを発動させることも可能になった。


次に、兵士たちから手に入れたマナで試したいと思っていたのは、【速度強化スピーダー】だ。

源は、【速度向上】というスキルが前から持っていたが、普通の人のスキル強化よりも高い約2倍の強化がもたらされた。

それはリトシスで空を飛ぶ時にも効果は発揮され400km/hが800km/h近くにまで速度をあげられた。

それはスキルだが、【速度強化スピーダー】はマナなので、この2つは併合できるのかが知りたかった。

源は、おもいきって発動させた。


速度強化スピーダー


体全体を白色の光りが一瞬覆ったようになる。

そして、すぐに体を動かしてみようとした。すると


バン!!


という音が足元から聞こえてきた。


「ぐあっっ!!」


源は、その場に倒れた。


な・・・なんだ・・・!?


あ・・・足が・・・吹き飛んだ・・・!


『源。マナの調整をせずに速度強化スピーダーを使用した結果、リトシスを発動させていない源の体に負担がかかってしまったようです』


源の足から大量の血が噴き出す。


時空空間ゲートを開いて、木をもぎとり、自分の足に接合させて、新しい足を形成した。


「やばいだろ・・・1mも進むこともできない」


強化魔法ストロングを使用してみてはどうでしょうか。源』


「ああ。体がその速度についていかないのなら、身体能力を魔法で補えばいいのか」


『このような事例は、書物にも記載されていませんので、分かりませんが、強化魔法ストロングは、身体を強化するためのマナであることは分かっています。源』


「ていうか・・・愛っていつも冷静だよね。俺は自分の足が吹き飛んで凄い混乱してたんだけど・・・むっちゃ痛かったし・・・。とにかく、やってみるしかないな。このまま少しも動けないままが続くのはきつい・・・」


強化魔法ストロング


体全体は、白色の光りが包み込みすぐに消えた。


恐る恐る地面に手をついて、出来る限りゆっくりと立ちあがるが、実際は、もの凄く早い。


なんとか、立ちあがることはできた・・・。次は、歩けるかだ。


出来る限り、ゆっくりと歩くが、またそれも速かった。


『歩くことは出来たな』


『そうですね。源。時速60km/hです』


時速60km/hって・・・どんな競歩だよ・・・


体の負担が普通の時と変わらないようなので、走ってみることにした。


「はは・・・まじかこれ・・・」


源は、目にも止まらぬというほどの速さで、大平原を走ることができていた。


『時速1200km/hです。源』


おれは、ジェットエンジンかよ!リトシスを使わずに、自分の足で走ってこの速さ・・・


『っていうか、おかしいよね。2倍どころの速さじゃないよね。これ・・・』


『もともとの源の身体的能力から計算すると約30倍の効果があると思われます。源』


『さ・・・30倍!』


俺は、生命数値レベル224まであがっているから、マラソン選手を軽く超えた速度で走ることが出来ていたけど・・・それをさらに30倍なんて、足がああなるのも当然だろ。


100%の能力を使うだけでも体の負担は計り知れないのに3000%なんて、耐えられるわけが無い。しかも、走ればマッハを超えるのだから、体が鉄で出来ていないなら反動は体にくる。


『あ・・・でも、そうすると、強化魔法ストロングもそれだけの効果を体に与えているってことだよな』


『源の体に負担になる情報が入って来ていませんので、そう推測されます。源』


スキルでは、2倍の効果だったけど、マナ力の匙加減によって依存する。全力で速度強化スピーダーを使ってしまったとしたらと思うと怖さを感じる。

強化魔法ストロング以上の速度強化スピーダーは、使ってはいけないし、使うとしても、なんとか10倍ぐらいに抑えられるように熟練度を上げていくしかないだろう。


そして、スキルの速度向上を使ってみることにした。

速度強化スピーダーの上書きができるのかだ。


【速度向上】


あれ?思ったより早くなっていない?少し早くなったとは思うけど・・・


『時速1250km/hを超えています。源』


2400km/hじゃないのか。

もとの動く速度がプラスされているということかもしれないな。



リトシスを発動させて、空を飛んでみることにした。


速度は、とんでもないことになっていた。


『源。マッハ12を超えています』


12000km/h・・・むちゃくちゃ速い・・・。


物凄く早く空を飛んでいるが、リトシスを発動させているので、空気による抵抗はない。

それにしても、これだけ早く動いているのに、まわりの景色をきちんと把握できている。これもマナの効果なのだろうか。

マナは、その属性に耐えられる耐性をマナを手に入れた時から手に入れることができる。ファイア系のマナを使用する人は、炎から一番近い場所にいるのに、手などの体が無事なのは、マナを習得すると共に、耐性を獲とくすることができるからだ。

今回は、30倍というとんでもない数字だっただけにその耐性さえも超えたのかもしれず、強化魔法ストロングで相殺させたが、移動した時の視界においては、ついていけていた。


数分でレジェンドの上を通過して、みんなを把握することができた。それはそうと、みんなの動きや生き物の動きも、ゆっくりにみえた。


『なー愛。生き物の動きとかが物凄くゆっくりに見えるのは、処理能力も強化されているからなのかな?』


『そのようですね。源。普通の状態では、その速度に達したとしても、まわりの状況を把握することはできません。それが、処理を行うことができているということは、神経系回路も速度化されているとみるべきでしょう』


『もしかして、サムエル・ダニョル・クライシスの動きもこれを使用すれば捕らえられるんじゃないのか?』


『以前、戦った時には、まったく察知することができませんでしたので、測ることはできませんが、源の神経系が強化されれば、わたしの手に入る情報も増加するので、認知できる確率が上がったことは間違いありません。源』


やっぱりそうか・・・。


むしろ、これを利用していたから、サムエル・ダニョル・クライシスやスピードスターと言われたパーシー・テシリは、早かったんじゃないのか・・・


『あとこの世界の書物からの情報ですが、マナは熟練度を高めれば、その身の部位を限定して、行えるということです。源』


『足なら足だけを強化できるようになるということか』


『そのようです。源』


それを聞いて、ピタッと空を移動するのを止め、下を見渡して、森を走っている生き物をみつけると、その動物に対して、速度強化スピーダーを試してみた。


だが、白い光りは、動物に及ぶことはなかった。


『身体強化の魔法は、他人には、使用できないのか?』


『マナなのかどうかは定かではありませんが、伝説の魔法使いエジプタスは、他者に対しても強化させることができたという内容が、エジプタス伝記P765に記載されてはいます。

ですが、サムエル・ダニョル・クライシスは、そのようなマナを使えるとは思えません。もし、出来ていたとしたら、あの時、わたしたちの攻撃を防ぐために、仲間の兵士たちに発動させていたと思われるからです。マナ量が源ほどあったとしてです。源』


サムエル・ダニョル・クライシスでさえもできないことを龍王の時代よりも古い魔法使いが使っていた可能性があるというのか・・・


敵対する相手を翻弄するための作り話を伝記に残した可能性もあるな。


強化魔法は、他者には使用できないと考えたほうがいいだろ。

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