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153章 目標設定

新大共和ケーシスの首都ハーモニーの建設が順調になりはじめ、何とか軌道に乗り始めていた。新大共和ケーシスの自給自足までには、至っていないので、まだまだ万全ではないが、少し見通しが出来るようになってきていた。


源は、そろそろ、レジェンドのみんなに報告をしなければと思い。ミカエルを通じて、レジェンドの民と主要メンバーに話しかけた。


『レジェンドの民の皆さん。セルフィですが、何か作業を行っているのなら、少し手を休めて、話しを聞いてください。

新大共和ケーシスも順調に建設がはじめられ、少し余裕が出てきたので、今までの行動の経緯いきさつを説明させてもらいます。この内容は、クリスチャン以外には、漏らさないようにお願いします。

レジェンドの強化をはじめ、これからという時に、ドラゴネル帝国最強騎士サムエル・ダニョル・クライシスが、レジェンドにやってきて、わたしを帝国に連れて行きました。

皆さんは、わたしのことを心配して不安になられたことでしょう。わたしも死を覚悟して、帝国に向かいました。

そして、ドラゴネル帝国皇帝ヨハネ・ルシーマデル・ウル・サイリュー・スピリカ陛下に謁見し、レジェンドは、何を目論んでいるのかと問われたのです。

ですが、わたしたちレジェンドは、帝国とは戦いたくは無かったこと、ボルフ王国に利用されていたこと、ただ平和に生活できる環境を望んでいるだけだというを話し、皇帝陛下は、最初こそ疑ってはいましたが、帝国の一神教の政治家サネル・カパ・デーレピュース上院議員の助言もあり、信じてもらえました。


ですが、帝国は、レジェンドという村に、連合軍を追い帰され、世界を治めているという権威が、衰退してしまい帝国の支配が、薄れてしまっているのです。そして、そのきっかけの1つがレジェンドとなっていたのです。


ですから、帝国側としては、伝説の天使だと思われるわたし、セルフィを逆に帝国の味方として受け入れて、対等の条件で、帝国の支配下に、レジェンドを取り入れようとわたしを帝国に呼びつけたのですね。


賠償金なども、一切ありません。ですが、帝国側は、伝説の天使とその天使が作ったレジェンドの力を利用したいわけです。


伝説の天使が、帝国側の味方となったことを世に広めて、連合軍の敗退は、敗退ではなく、伝説の天使との和解であったとして、手を打ち、権威の弱体化を軽減しようとしているのです。


わたしたちレジェンドからしても、悪い話ではないとも思えるのですが、帝国は、強大な力を持った世界最高の国で、世界を支配し続けなければいけないわけですから、驚異になるような存在は、ほかっておくとは思えません。100万にも及ぶ帝国連合軍を撤退させたほどのレジェンドの力は、驚異ですから、レジェンドを裏から支配しようと考えるのは、当然のことでしょう。


わたしたちは、帝国には逆らえませんが、すべて帝国側の言いなりにもなれないというわけです。


帝国皇帝陛下は、レジェンドに対して命令しました。


皆さんには、相談もせずに、決めてしまったのですが、浮遊都市レジェンドは、帝国とは対等の立場でありながら、帝国の管理を壊そうとする反乱軍などを制圧する部門として、使命が下されたのです。

帝国としては、騎士団が1つ増えたような存在が、レジェンドだということですね。

帝国の味方になるとはそういうことだとだったのです。


先ほども言ったように、わたしとしては、それを簡単に呑むわけにもいかないので、条件として、レジェンドの技術は、レジェンドのもので、これらの技術の秘匿性ひとくせいを確保できる権利を訴え、了承してもらいました。

帝国皇帝が、直々に許可されたのです。また、政治的にも、許可を得ました。つまり、レジェンドは、帝国の味方として、戦うこともするが、独自の自由を保持して、それを帝国に搾取されないという権利を獲たのです。


口約束ではありますが、皇帝陛下は、レジェンドの悪いようにはしないとさらなる約束をされ、最初の任務として命じられたのが、ボルフ王国への攻撃でした。


ボルフ王国は、帝国に連盟していながら、反乱した国でしたし、レジェンドとしても、敵であるのなら、適任だということで、任されたのです。


伝説の天使であるセルフィが、伝説のケイト・ピューマ・モーゼスの末裔リリス・ピューマ・モーゼスと共に、帝国の味方として、帝国に逆らったボルフ王国を見事倒すことが出来れば、また帝国の権威を回復させることにも繋がるわけですね。


ですが、この最初の任務も、帝国の政治の中に、情報を流す者がいて、さきに、ボルフ王国が、リリスを攻撃してきました。どうやら、帝国の情報を奪ったのは、ボルフ王国ではなく、また違う謎の勢力のようで、彼らはボルフ王国に力を貸し始めたと思われます。

他の勢力の力を借りたボルフ王国側は、アモラという謎のモンスターを使い始めました。このアモラというモンスターには、感染させる能力があったので、わたしたちは、なるべく速やかに行動に移す必要がありました。

更に敵の中には、エリーゼ・プルやバーボン・パスタボを操れるほどの精神操作能力を保持する者もいたので、レジェンドの皆さんにも、詳しい話をするわけにもいかなくなりました。


信頼できる者たちでさえも、操れるとしたら、情報を奪われ悪用され兼ねなかったからです。


ですから、帝国から戻って来たわたしの命令で、数日でボルフ王国との戦争を突然はじめてしまった形になってしまったのです。

申し訳ありませんでした。

結果的には、レジェンド側、そして、今は違いますが、貧民地の民20万人も、死者は0で、勝利を収めました。


レジェンドの皆さんには、本当はすべて説明してから、ボルフ王国との戦いに挑みたかったのですが、それも出来ず、申し訳ありませんでした。


また、帝国側の味方となることも、ほとんど独断で決めてしまいました。ミカエルを使って主要メンバーには、皇帝とのやり取りを聞いていてもらったのですが、それでも、皆さんに報告できずに決定してしまったことは、心から謝ります。


しかも、ボルフ王国との戦いは、最初の任務であり、これからも、また新しい任務を任されるのは、必然です。つまり、レジェンドは、帝国を脅かす国や団体とこれからも、戦うこととなるということです。


ですが、帝国の味方になることを断っていたとしたら、それこそレジェンドは、驚異の存在として、今度は、全力の帝国連合軍が、攻めてきたことでしょう。

前回以上に、本気になった帝国連合軍100万規模と戦うよりは、ボルフ王国のような1つの国と戦うほうが、皆さんの安全にもなると思ったのです。


わたしの望みは、戦争もせず、レジェンドの皆さんと自給自足しながら、平和に暮らすことなのですが、帝国が崩壊してしまえば、戦乱の世になり、レジェンドも巻き込まれることは必然となります。ですから、帝国の味方になるということを選択しました。


帝国は、龍王が作り上げた巨大な国ですが、龍王が教えていた一神教ではなく、多くが多神教になり、正直いって帝国も信用できません。彼らは聖書を信じ基準にするクリスチャンではないからです。


ですが、帝国皇帝ヨハネ・ルシーマデル・ウル・サイリュー・スピリカ陛下は、帝国が一神教になることの利点を認められ、何とか帝国民も、一神教にして、他の国も一神教にまとめあげる構想をわたしと共に、行っていくことを理解してくれました。


すべての国が聖書の基準を持ち、【人権】を理解した時、劇的に戦争や犯罪、反乱なども抑制されていきます。

世界が平和になれば、レジェンドの平和な生活も確保されます。

ですから、レジェンドは、各地の反乱を収めながらも、一神教の教えを広げていく役目が出来たというわけです。

聖書の教え、福音を世界中に延べ伝えなさい。この教えは、世界を平和にしていくのです。


そして、一神教の教えから生まれた第一号の村がレジェンドなら、一神教の教えから生まれる第一号の国が、新大共和ケーシスとなります。


帝国の一神教を信じる政治家や司祭様たちとも連携して、帝国を変えていく予定でもあります。

今はまだ、信用できない帝国であっても、信用できる帝国に変わっていくように、わたしも手助けしようと考えています。

皇帝陛下も、帝国が一神教になることを望まれています。まだまだ、時間がかかることですが、レジェンドの皆さんには、自分たちの平和もそうですが、世界の平和を広げていくという目的を持って歩んでほしいと思っています。

クリスチャンには、レジェンドは、情報を惜しみなく開示します。ミカエルも利用できるようにします。そして、新大共和ケーシスからも、帝国の民からも沢山のクリスチャンが、生まれていくことでしょう。そうすれば、また出来ることが増えていきます。

ユダ村のような一神教の教えを伝え続けてきた村々も、これから増えていくことでしょう。ユダ村にも、ミカエルは使用可能にしています。


新大共和ケーシスは、レジェンドと変わらない技術の提供を女王リリス・ピューマ・モーゼス様には、伝えています。


多くの信頼できる人間が集まり、それぞれが助け合うようになれば、それは膨大な力となっていくことでしょう。


残念なことに、また、レジェンドは戦わざるおえなくなることでしょう。

ですが、戦いによる被害者が出ないための工夫も考えています。兵士たちの強化。武具の強化などです。被害を最小減に抑えたいと思っています。


結果論ですが、ボルフ王国との戦いでは、こちらの被害は0でした。ボルフ王国の被害も、それほど多くはありません。

まるで、綱渡りのようになりますが、皆さんと一緒に、帝国連合軍と戦うことを多数決やくじ引きで、決定した時から、わたしたちレジェンドの存在をあらわにしたことで、戦いの連鎖からは逃れられなくなりました。

逃れられないのなら、なるべく被害が少なくなるように努力していきましょう。


違う良い方法、アイディアがあれば、教えてください。みんなで強く生きていきましょう。わたしからは、以上です。何かご質問などはありますか?』


女性の声がミカエルを通して聞こえてきた。


『セルフィ様。詳しいお話ありがとうございました。わたしは、納得できました。わたしは、ロー地区のサーシャ・クイス。3児の母です。

質問ですが、わたしが聞いた話では、帝国連合軍との戦いの中で、貧民地の20万人が、女性もこどもも武器を持って戦ったらしいですが、わたしたちのような女性も戦いの何か役に立てることなどはないでしょうか。連合軍との戦いの時のように、ユダ村に女性やこどもだけ避難して、不安の中、家族の安全を祈って待つよりは、一緒に戦いたいと思う女性も多いはずです』


『ありがとうございます。サーシャ・クイスさん。そういってくださるとわたしとしても助かります。

その話を聞いてですが、兵士として戦う男性から言わせると、家族が安全なところにいてくれるほうが、気兼ねなく戦えるものです。ですから、女性やこどもなどは、安全な場所にいてもらおうと思います。

ですが、安全な場所から戦いに参加できるアイディアをわたしは持っています。それが完成したら、みなさんの中で、戦ってもいいという女性たちを募って、参加してもらおうと思っています。それが完成するまで、待ってもらえますか?』


『分かりました。セルフィ様』


『ほかに、何かご質問などありませんか?』


『セルフィ様。ウオガウです。質問ではありませんが、世界中に広がったウオウルフたちとの連絡が取れました。もし、次に、セルフィ様が戦うこととなったら、いつでも1万のウオウルフたちは、参加するということです』


『ありがとう。ウオガウ。本当に助かるよ。ウオウルフは、レジェンドの強力な戦力だからね。世界中にミカエルのソースをいきわたらしているから、ウオウルフたちのところにも、ミカエルを配置させておくよ。そうすれば、すぐに転移で集められるからね。他に何かある方はいませんか?』


『わたしは、A地区のトリニティ・ポロアと申します。毎日のように、ミカエルの中にある情報を目にして勉強しているのですが、ミカエルの中にある情報は、見た事も聞いたこともないような情報ばかりがありますが、これらの情報からミカエルを使って、世の中に出して利用してもいいのでしょうか?』


『えっと・・・例えば、どのような情報でしょうか?』


『わたしが興味があるのは、ピアノという楽器やサックスといった楽器です。ミカエルの情報で、ピアノの演奏を聞いたのですが、本当に綺麗な音で、あのような音楽を奏でられるのか、試してみたいのです』


『皆さんに、与えているミカエルの情報は、みなさんが利用してください。

もちろん、それらの情報は、クリスチャンだけの特権で、それ以外の人には、教えてはいけません。

また、勝手に、レジェンドや新大共和ケーシス以外の外に、出してはいけません。

聖書の教えをまもり、悪用しない者であれば、ご自由に、試してみてください。

もし、実験などで怪我などの危険になりそうな時は、ミカエルが注意を促しますから、素直に従ってください。

どうしても、危険であっても実験をするべきだと思った場合は、主要メンバーに連絡して、許可をもらってから行ってください。

クリスチャンが、ミカエルの情報を利用してくれることは、望んでいることですから、どんどん行っていってください。

ただ、最後に注意したいのは、やり過ぎないことです。好きなことをしていると時間が経過するのも忘れて行ってしまうので、体を休めることを必ずしてください。


頭の片隅に置いておいてほしいのは、クリスチャンだから悪用する発想が出て来ないだけで、クリスチャン以外からは、悪用する発想が出てきて、世の中を混乱させてしまう可能性があることを覚えておいてほしいのです。彼らは【神】を中心にして観るのではなく、自分を中心にして世界を観ているからです

自分を中心にして世界を観ているのなら、クリスチャンであっても悪用することを選ぶことになるでしょう


そして、外にそれらを勝手に出してはいけない理由は、ミカエルの情報は、他の国のレベルを超えているので、他国の民たちの仕事を奪ってしまうことになるのです。

例えば、わたしは一般的な世界の武器の性能よりも高い武器を作り出すことができます。

だからといって、わたしが好き勝手に良質な武器を世界中に売りさばいてしまえば、その他の武器屋は仕事がなくなります。

また、強い武器をクリスチャン以外に渡せば、それを悪事のために使う者も出て来てしまいます。性能がいいだけに、悪いことに使われれば、被害も大きくなるのです。

このような認識を持って、ミカエルの情報を扱ってください。

ですから、皆さんには、ミカエルの情報を利用して、色々なものを生み出してほしいのですが、クリスチャンの国以外には、勝手にミカエルで作ったものを出してはいけいことを記憶にとどめておいてください』


『分かりました。セルフィ様。感謝します』


『他に何かある方はいませんか?』


遠慮しているのか、その他の質問などは出て来なかった。


『帝国側には、半年は、戦うことはできないと話してあります。レジェンドも新大共和ケーシスも、準備しなければいけないからですね。皆さんも、皆さんに出来ることを行っていってください。皆さん、時間を取らせましたが、作業の続きを行ってください。以上です』



話を終えるとすぐに、ミカエルが、異変を報告した。

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