表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/269

111章 レジェンド復活

空を飛ぶことが出来るレジェンドは、ミカエルのソースによってさらに強化されていた。


以前は、即席のドーム状の屋根しかなかったが、今では、カーボンナノチューブのしっかりとした屋根が、自動で開閉することもできるようになっていた。これで、簡単には、空からの攻撃もレジェンドには通用しない。マシンガンなどのショットも所持しているため、空を飛ぶモンスターなどは、逆にいい的になってしまうだろう。


しかも、レジェンドの屋根は、巨大なスクリーンになっていて、閉めていても、外の様子が分かる。敵は中のことを確認できなくても、レジェンド側からは、外の様子が見えてしまうのだ。




―――10時間をかけて、レジェンドは、半年ぶりのシンダラード森林に辿り着いた。


ウオウルフの洞窟の前に巨大にくりぬかれたような土地に、ぴったりと、はめ込まれるように、地面へとゆっくり降りた。


ウオガウを先頭にして、ウオウルフたちが、出迎えてくれた。セルフィやリリスが戻って来ることを教えられていたリタ・パームとバルト・ピレリリもいた。バルト・ピレリリは、農民兵のひとりで、リリスにも命を助けられ、今ではリタ商店の副参謀として共にリタと働いて、貧民地でもリーダー格として認知されはじめている。


ウオガウが久しぶりの元気な顔をみせてくれた。

「セルフィ様。シンダラード森林に数人の人間が入り込みましたが、それらはただの調査している者たちだったようで、それ以外の異変はとくにありませんでした」


源は驚いた。ウオガウの話し方がとても上手になっていたからだ。


「ウオガウ・・・すごく上手に話せるようになってきたね」


「はい。ありがとうございます。人間の言葉を使うことが多くなったので前長に頼み、ウオウルフたちは、毎日のようにしゃべり方を学びました。わたしだけではなく、他の者たちもかなりの上達ぶりです」


「そうか・・・俺たちだけじゃなく、ウオウルフも努力してくれてたのが分かるよ。俺たちもちゃんと成果を出して、戻って来たぞ」


「おお。そうですか!さすがはセルフィ様です」


「ウオガウ。新しい仲間を紹介する。俺が作り出した物質モンスターのミカエルだ」


1体の人型ミカエルが姿をみせた。ウオガウはミカエルに挨拶をする。


「よろしくお願いする。ミカエル殿」


「こちらこそ、よろしくお願いします。ウオガウ様」


「このミカエルは人というよりも、道具としてみてもらうほうが正しいかもしれない。このミカエルの使い方は、ニーナに聞いてくれ」


ニーナも前に出てきて挨拶をした。


「わたしは、ロー地区のニーナといいます。セルフィ様と一緒に科学を研究する助手として選ばれました。ミカエルの総責任者としての責務を与えられています。よろしくお願いします。ウオガウ様」


「よろしくお願いする。ニーナ殿」


「よし、では、みんなは、以前のレジェンドの生活を取り戻してくれ。畑も半年間、手を加えていないだろうし、その他の仕事も軌道に乗せてくれ」


その源の声は、すべてのレジェンドの民のナノイヤホンで、伝えられていた。


皆は大きな掛け声をあげて、レジェンド復活へと行動しはじめた。


ニーナは、そのままウオウルフたちにミカエルの説明をはじめた。


農民は、ミカエルを使って、久しぶりの畑を整地していく。半年間、放置していたとは言え、作物は自然と成長していた。ウオウルフたちが畑の番をしてモンスターなどから守ってくれていたからだ。


戦士長としてレジェンドの戦士を従えて、ローグ・プレスは、ソースをシンダラード森林のあらゆるところに配備させた。もう、グラファイロープなどの罠のようなものは、必要ない。ミカエルが敵を探知したら、レジェンドでは、サウンドボックス(スピーカー)によって警戒音がなり、指示が出される。ミカエルなどがあるので、もう伝言係も一般兵士となる。



リリスは、エリーゼ・プルとバーボン・パスタポを連れて、久しぶりに、ボルフ王国の貧民地へと向かう準備をする。冒険者組合アドベンシエーーションにも立ち寄らなければいけないからだ。


村長をしてくれている司祭様は、7地区の地区長たちを集めて、今後のレジェンドの復古作業の会議を開いた。ボルア・ニールセンは、ロー地区の地区長だ。


ロックは、レジェンドの守りの要として、変わらず、戦士たちと監視を続ける。


レジェンドのみんなが、それぞれやるべきことを行っていくのをみて、源は、リタ・パームたちに挨拶をする。


「リタさん。リリスには、長い間、レジェンドを守ってもらいましたが、すみませんでした」


「そんなことはいいのよ。リリスも自分の意思でそうしたのだしね。それに、リリスも何だか成長したように見えて嬉しいわ。こちらは特に何も変化もなく、ボルフ王国から何かされるということもなかったわ」


「そうですか。本当によかった」


源は、バルト・ピレリリをみて思い出した。


「そういえば、バルトさん。貧民地の10万人をひきいて、レジェンドの援軍に来てくださったのは、本当に助かりました。あの機転を利かせたアイディアがなければ、今頃レジェンドは滅んでいたかもしれなせん・・・・。ありがとうございました」


バルト・ピレリリは目を丸くして驚いていた。


「え!?何を言っているのですか?セルフィ様の支持通りにわたしは動いただけですよ?」


「え?俺の支持?」


「はい。セルフィ様から手紙が届いて、それにするべきことの内容が書かれていたので、その指示に従って、行動したまでです。どの時間帯にどれだけの人を集め、ボウガンをいつ渡すのかについても、書かれていました」


「ええー!!?俺はそんな手紙出してませんよ?あ!!」


『愛!お前か?お前がバルト・ピレリリさんに俺が知らないうちに手紙を送ったのか?』


『いいえ。源。わたしはそのようなことはしていません。源の指示なく、動いたのは、サムエル・ダニョル・クライシスの時だけです』


そうか・・・なら・・・バルト・ピレリリは何をいってるんだ・・・


「いや・・・やっぱり、俺はバルト・ピレリリさんには、手紙は書いていませんよ?」


バルト・ピレリリも驚いた。


「じゃーあの手紙は一体・・・・すみませんでした。確認もせずにその手紙に動かされてしまいました・・・」


「あ!いえ、それはよかったです。先ほども言いましたが、バルトさんが、動いてくれなければ、レジェンドは滅んでいました。結果論ですが、本当に感謝しています。分かりませんが、たぶん、その手紙は帝国の罠だったかもしれませんが、それが帝国にとって裏目に出てしまったのでしょう。今から思うとゾっとしますね・・・」


リタ・パームもその話を聞いて驚いていた。


「てっきりわたしも、あなたの指示だと思ってしまったわ。その手紙には、レジェンドの幹部などしか分からないような内容、隠してあったボウガンのことなどが書かれていたから・・・ごめんなさい」


「謝らないでください。本当にそれで助かったんですから、感謝こそすれ、責める気などまったくありませんよ。帝国の情報操作はやはりすごかったということでしょうね」


その手紙のことは、謎だったが、たぶん帝国のスパイが潜り込んでいて、こちらの内部事情も把握して、しかけた罠だったのだろうと思う。リタとバルトは、リリスたちと一緒に、ボルフ王国に戻るということだった。



―――源は、ミカエルの施工工場をこのシンダラード森林近隣にも作っていく。


まずは、地下空間の確保だ。


シンダラード森林の地下には、無数の地下空間がすでに開けられていた。ドラゴネル帝国連合軍との戦いで、巨大な落とし穴や通路などを作っていたからだ。


アイスドラゴンのフレーの部屋も湖の近くの地下にある。


これらの地下空間を使えば、すぐにでも、施工工場を造ることもできるが、これらは、レジェンドの守りのためにも、残しておこうと考えた。


落とし穴に関しては、ドラゴネル帝国側に、すでにバレているので、そこを研究所などは置いてはおけない。


なので、源は、わざとシンダラード森林から離れた場所に移動して、まったく誰もいない平地、モンスターなどさえもみかけない場所の土地の地下に、空間を造るように、ミカエルに指示をした。


龍王遺跡の広間ほどの広さを1つとして、いくつもの地下空間をまったく違う場所に作り出していった。


龍王遺跡の膨大な資源は、レジェンドの地下倉庫にいれて、持って来ていたので、まずは、その資源を1つめの地下空間へと移動させた。グラファイトは木があればいくらでも手に入るし、シンダラード森林には、鉄資源があるので、鉄鋼なども利用できる。


これらの資源を使って、また、新たに、スーパーコンピューターのブレインとミカエルの体であるソース。そして、施工工場を作っていく。


ユダ村の施工工場では、今でも20時間フル稼働して、それらは進められている。

レジェンドの施設が破壊されても、ユダ村が残っていればミカエルは存続可能で、保険のようなものだ。


そして、同じようにシンダラード森林でも、作っていくのだ。施工工場の物づくりを可能にする機材一式は、10セットずつ持って来ている。その10セットから、また増やしていくことになる。


ミカエルは、ユダ村で行っていたことと同じように、この土地でも動きはじめたので、源は自分にしかできない仕事をするために、レジェンドへと戻っていった。


ユダ村の遺跡では、地下9階まで辿りつくことが出来た。


その地下9階までに手に入れた封印の珠は、4つだった。


黒、緑、茶、赤の4つの封印の珠だ。


これら封印の珠に息を吹きかけて、新しいマナを手に入れた。


そして、安全確保のために、瞬間移動で、生き物がいない場所に移動して、それらの新しいマナを試していく。


まずは、黒色の新しいマナだ。

源は、なるべくマナを使わないように、手加減をして、新しいマナを発動させると、目の前が真っ暗になった。


「なんだ!?」


すべてが真っ暗になり、光りも消えた。源は、少し移動してみると、壁のようなものがあるのに気付いた。どうやら10m四方の黒い部屋のようになっているようだった。光りさえも遮断した空間を作り出したようだ。

ミカエルを使ってレジェンドのみんなにこのマナは何なのかを聞いてみると、リリスと共にボルフ王国へと向かっていたエリーゼ・プルが答えてくれた。


『たぶん、そのマナは、闇範囲ダークゾーンですね』


『どういうマナなんだ?』


『闇空間を作り出すマナで、敵を閉じ込めたり、身を守るために発動したりと、使い方は色々なようです』


『ありがとう』


源は、闇範囲ダークゾーンと言われるその空間の壁に向かって炎弾ファイアボールを放ってみたが、その闇の壁に当たると分散して、消滅した。どうやらマナなどでもこの壁は壊せないようだ。そして、グラファイソードで攻撃してみたが、剣もはねかえされた。次にリトシスの効果を付属して、剣で攻撃してみると、黒い壁に亀裂が入った。


リトシスでなら、この壁を破壊できるようだ。


マナの実験をするのなら、この空間は使えるかもしれないと思い。源は、2km四方の闇範囲ダークゾーンを発動させた。


この空間の中なら、おもいっきりマナの力を試すことができるかもしれない。


次に、緑色の封印の珠のマナを使ってみた。すると、まわりに緑色の耀くものが、上から振って来た。それに触ると、急激にマナ力が回復していくのが分かった。


源は、映像を送りながら、質問する。


『マナを回復させるマナなんてあるのか?』


司祭様が答える。


魔力回復グリーンチャームというマナでしょう。ですが、少しずつマナを回復するものなので、手に入れてもあまり使われないことの方が多いという話ですじゃ。それに1日、数回と使える回数が限定されておるマナですじゃ』


『たぶん、魔力回復グリーンチャームを今使ってみたんだけど、少しどころかかなりの速さでマナを回復させたと思うんだけどね・・・』


『マナの効果をセルフィ様は、増幅させるように使いこなせているので、そのような効果が出ているのかもしれないですのー』


なるほど、魔力回復グリーンチャームを使うと、緑色の結晶が現れて、それに触ったもののマナを回復してくれるというわけか、マナを使うような魔術師キャスターが増えてきたとしたら、これは使える。


次に、茶色の封印の珠のマナを試そうとしたが、茶色は、マナではなく、スキルだった。使うと、源の速度を向上させた。


剣の振りの速度も、移動速度も、リトシスの移動でさえも、速度をあげた。


速度向上といったところか・・・。


『源。そのスキルを使うと、約2倍の速度向上の効果があるようです』


『2倍は凄いな・・・これは本当に使えるぞ。全体的な速度が2倍になるのは、驚異的すぎるな・・・どんな人も2倍の効果があるのか・・・』


『分かりません。源だから2倍なのかもしれません。熟練度に関係しているかもしれません。源』


最後に、赤色の封印の珠のマナを使ってみた。


闇範囲ダークゾーンの中なので、マナを抑えることなく、そのマナを発動させると、闇範囲ダークゾーンの中いっぱいに、もの凄い炎が現れた。広範囲に炎が広がり、燃え盛る。術者の源には、それだけの属性抵抗が付属されるので無害だが、これだけの炎の熱量は、どんな生き物も生きてはいられないだろう・・・。

試しに、銀貨を取って、投げてみると、一瞬で銀貨は、融けて下へと落ちていった。


司祭様が、答える。

『たぶんですが、そのマナは、炎嵐ファイアーストームですじゃ。あまりにも規模が大きいために、炎嵐ファイアーストームにはみえませんが、セルフィ様の炎弾ファイアボールをみているので、それと比較すれば、炎嵐ファイアーストームだと思われます》


『教えてくださり、感謝します。司祭様』


なんだろうか。まるで太陽の中に突然入り込んだような空間になってしまった。確かにストームと言われたように、太陽のフレアのように炎があちこちで、暴れまわっている。


このマナも危険すぎて、仲間に危害を加えかねない。シンダラード森林でこんなマナを使ったら、それこそ大災害になってしまう。街中でも使えない。


使うとしたら、今のように、闇範囲ダークゾーンに敵を閉じ込めた時ぐらいだろうと源は思った。


そう考えれば、闇範囲ダークゾーンを手に入れたことは、よかったことかもしれない。


獲とくしたマナは


黒:闇範囲ダークゾーン

緑:魔力回復グリーンチャーム

茶:スキル 速度向上

赤:炎嵐ファイアーストーム


次に、源は、レジェンドの地下へと戻って来た。地下に置いてあったのは、地下6・7・8階に現れたボスモンスターの遺体だった。それらのボス級モンスターの解析をリトシスを行った。


〇シルバーメイル

生命数値70

力:5630

体力:4800

熟練:3200

早さ:1605

魔力:360

魅了:2540


属性:聖

スキル:威力向上、防御向上、炸裂はやぶさ斬り



〇シャドウマスター

生命数値75

力:2630

体力:2800

熟練:7200

早さ:4605

魔力:4660

魅了:1540


属性:闇


マナ:

影(シャドウレス

影操シャドウコントロール


スキル:

速度向上


種族ギフト:不触


〇爆破ボム


生命数値30

力:30

体力:100

熟練:8200

早さ:5

魔力:9360

魅了:40


属性:火


マナ:

炎弾ファイアボール


種族ギフト:自爆



最後の爆破ボムは、とても弱いモンスターだったが、一番タチが悪く、すぐに爆破して、自爆しようとしてきた。地下の広場全体を巻き込んで仲間とともに爆発し出したので、必死でリトシスでみんなを守ったが、このモンスターのスキルは、あまりほしくはない・・・。


一応、持っておくことにした。


現在の源のステータスは


生命数値165

力:23114∑

体力:22863∑

熟練:16702∑

早さ:15674∑

魔力:--∑

魅了:5729∑


属性:光∑、闇、火、緑


マナ:

炎弾ファイアボール

炎嵐ファイアストーム

氷守アイスドーム

放電サンダーボルト

雷雨サンダーレイン

闇範囲ダークゾーン

シャドウレス

影操シャドウコントロール

異空間バキュームスペース

魔力回復グリーンチャーム

光線ライトレイ

体力段階減少レスディレイ


スキル:瞬間移動、速度向上、威力向上、防御向上、爆裂はやぶさ斬り、はやぶさ斬り、自爆


種族ギフト:リトルジェネシス、不触、各種抵抗力



源はリトシスと愛を使って、能力追加珠アペンドボールを作り、敵の持っている能力や身体的なものさえも、手に入れることができる。


能力追加珠アペンドボールとは、源がリトシスで作り出す人工の封印の珠のようなものだ。この人工封印の珠でマナを取得した時も腕にその属性のマークが刻まれた。源の場合は、光、闇、火、緑の属性マークが左肩に表示されている。



シャドウマスターの種族ギフトである触ることができない体、不触は、そこに実在しているが、固形物として触ることが出来ないものだ。源は、それを使い分けることができるようになった。だが、触れないが攻撃されないということではなく、そこに実在しているので、マナでの攻撃や特に光の属性攻撃などによって攻撃を受けてしまう。


シャドウマスターの持っていたマナのシャドウレスは、影の中に入り込むことができるマナだった。そして、もう1つのマナの影操シャドウコントロールは、影をコントロールして、相手を掴むこともできた。

威力がある攻撃などはできないが、相手を邪魔するということができるマナのようだ。源が影操シャドウコントロールを本気で使うと、影が巨大になり、その範囲は広いので、大勢の敵の動きをにぶらせたりも出来るようになる。


シルバーメイルが持っていたスキル、爆裂はやぶさ斬りは、凄かった。爆裂はやぶさ斬りを取得すると自然に、はやぶさ斬りも取得したのだが、そのスキルを発動させると物凄い連続攻撃を繰り出すことができる。速度向上と組み合わせると驚異的だった。そして、そのはやぶさ斬りに爆裂がつくだけあって、一撃一撃の攻撃の威力を増すのが、爆裂はやぶさ斬りだった。


名前が気に入らないので、はやぶさ斬りとして使うことにした。


威力向上や防御向上は、その名の通り、大幅に威力や防御力を上げてくれるスキルだった。リトシスを使えば、ほとんど関係ないかもしれないが、併用して使えば、威力が上がるかもしれない。それにリトシスが通じない相手には、有用なスキルになる。


自爆は、正直悩んだが、何かの時に使う可能性があるので、一応、取得してみたが、一生使いたくはないと思わされる。

この世界に来て2年近くになるが、遺跡探検する時間などもなく、マナやスキルの取得が疎かになっていた。それだけの時間をかけてやっとこれだけだと考えるとまだまだ少ないのだろう。C級やB級クラスの相手ならこれらも有効だとは思うが、S級クラスには、通じないかもしれない。


仲間と共に待望の遺跡探検をして、地下9階にまで辿りつくまでに、大量のモンスターが、それぞれのボス級モンスターと共に襲ってきた。そのおかげもあって、生命数値、レベルは順調にあげることが出来ていた。マナの名前やスキルの名前などは、一緒に戦った仲間や司祭様から聞いた情報から愛が表示させた。


源だけではなく、遺跡探検に一緒にいったメンバーも同じだけ生命数値レベルを上昇させていた。


ある程度の強さになると、大切なのは、熟練度なのかもしれないと思った。熟練度があがると、マナや身体能力、そして、探知などの精度もあがるからだ。サムエル・ダニョル・クライシスの強さの秘密は、やはり熟練度かもしれないと思った。


リトシスの速度も400km/hという速さで飛べるようになっているように、熟練度は、重要なものだろう。


強さを増していくことを実感できるが、これらの力やミカエルをフルに活用したとしても、まだサムエル・ダニョル・クライシスには、勝てる気がしない。根本的な力の差は、埋められていないと思える。強くなればなるほど、そう思えてしまう。


ミカエルの通信に慌てるボルア・ニールセンの声が源に届いた。


『セルフィ様!ドラゴネル帝国最強戦士長サムエル・ダニョル・クライシスが、たったひとりで、レジェンドの門の前に来ました!』


『何!?』


噂をすればだ・・・・いきなり危機か・・・


ボルア・ニールセンは、源に伝える。


『セルフィ様を呼ぶように言って来ていますが、セルフィ様は、決して現れないでください。彼の目的は、あなたでしょう!』


どうする・・・前回は、ドラゴネル帝国の連合軍を人質のようにして、撤退させることに成功したが、今回は、サムエル・ダニョル・クライシスだけしかいないのなら、レジェンドは、滅ぼされるだけだ・・・やはり、まだユダ村に潜んでいたほうがよかったのか・・・


俺が出ていけば、あいつの気は収まるだろうし、レジェンドの村人に手出しをする奴だとは思えないが、俺は確実に殺される・・・。俺が出ていかなければ、レジェンドを滅ぼし始め兼ねない・・・。


どうする・・・。絶対に使いたくないと思っていた自爆をはやくも使うことになるのか・・・。


サムエル・ダニョル・クライシスを連れて、遠くで戦うことを奴なら認めてくれるだろう。そこで、奴を闇範囲ダークゾーンの中にいれて、持てるすべての能力を発揮して、マナも使い続け倒すしかない。それでもダメな時は、愛に戦闘モードになって戦ってもらうしかないが、その愛であっても、勝てるとは思えない・・・。


源は、ミカエルのソースを使ってサムエル・ダニョル・クライシスの様子を映像で確かめると、サムエル・ダニョル・クライシスは、ボルア・ニールセンの胸ぐらを掴んで苦しめていた。

ボルア・ニールセンは、俺に気づかれないように、声を出さないように我慢していた。


他のレジェンドの村人もひとことも声を出さずに我慢して、ボルア・ニールセンを見守っていた。声を出したりすれば、俺が出てきてしまうとでも、思っているのだろう。


彼らが俺のために、苦しむところを黙ってみているなどできるわけがない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ