ニギハヤヒの謎

　ニギハヤヒが謎なのは、当時も謎だったんじゃないか？そう思うとすべて解けてきた。一つだけここだけはつめておかなくていけないのは、このためのとても重要な事は物部氏はニギハヤヒの子孫ではない。おそらくここにすべてある。それと言うのも私は物部氏の近縁以外でニギハヤヒの子孫を知らない。

　と言う事は物部氏さえ間違っていたらこの超難問のニギハヤヒ無視できるとなる。じゃ古事記は虚偽なのか？ならあれは物部氏の祖先じゃないか？と思う。は？？？となると思う。だからそれがニギハヤヒじゃないの？ってなってくる。おそらくだがニギハヤヒは実在の人物。だがニギハヤヒを記録として残した時にニギハヤヒを見たという人の記憶の記録は多分１つもないと思う。

　どの時期にニギハヤヒが居たのか？は分からない。だが物部氏が大きな勢力を持っていた地域で過去にニギハヤヒというとても有名な支配者が居たとなる。物部氏は当然それが自分の祖先に違いないと述べる。誰もがニギハヤヒの子孫をその地域に住んでいたら名乗るぐらいの有名人。だが皆伝承の中でしかそれを知らない。

　日本神話の根拠の大半は子孫が残ってるからになる。だがニギハヤヒは物部氏しか居ない。穂積氏もほぼ物部氏と変わらない。物部氏が自称でしかないならもう終わりなんだ。途中の系図は間違いないだろう。だが問題はここから上どうなのかな？ってのが物部氏が系図を残した時、ここより前ってどうしよう？ってなる。

　その時超有名人のニギハヤヒの地域で支配者的なポジションだった物部氏は当然その子孫だと思うに違いないし、物部氏以外がそれをやったら笑われると思う。

　ただこれは根拠が無い。そこで根拠となるものは、阿波風土記になる。ここに物部氏が忌部の出だと言うのがある。そんなの当てにならないとなるだろう。だが何故か河内の物部氏のニギハヤヒの間の人物が四国に神社が残っている。これは一体なんだろう？となる。

　物部氏は捏造を自覚したわけじゃないと思う。天皇自身が、古すぎるのはよー分からんと述べていてめちゃくちゃな系図を作るのを諌めてる（自分はどうなの？ってツッコミはなしで…）自分が物部氏と同じ立場ならそう考えてしまうのは仕方ないと思う。何故忌部氏はもっと早く言わなかったのか？

　これに関してはどうも阿波風土記の内容は日本書紀で触れられてない気がする。これに関する隠蔽に関しては何かあるかもしれない。以前から書いてるが、ここはＮＯと言うとても珍しいハプロがそれなりに高い率で出る。これは古い系統ものになる。おそらく縄文時代の青森に居たＮ系と関係してると見ている。

　他にも秦氏と忌部氏が深く関わってる土地になる。秦氏は歴史後に来た人たちだが、実際は新羅系流民の秦氏と徐福の系統が混じってるとの話を聞く。そうなると秦氏の歴史は日本の支配者層の形成と関わってくる。阿波には何か？謎が隠されてる居ると私も思っている。以前から書いてる天孫が四国に広がったものが関わっていると見ている。

　だがそうするとやはりニギハヤヒは天孫族なのか？となる。これはホアカリとの繋がりで、天照がついたニギハヤヒがホアカリだと言うのは物部氏の自称の書物しかない。そこで分かるのは、天照＝ホアカリ、天照＝ニギハヤヒなら残っている。これを天皇家が捏造した可能性がある。

　物部氏は自分の家で西からやってきた伝承があるんだと思う。天皇家はホアカリ＝天照と系図を作ってしまった。そこからおそらく物部氏が天照＝ニギハヤヒ＝ホアカリと言うのを後の時代に捏造した。物部氏は西からやってきた伝承は多分本当だと思う。四国に居た可能性のある物部氏は九州から広がったグループなんじゃないか？と思うし、特に例の大分の火山の気がする。

　だがニギハヤヒが西から東へ行ったという伝承は誰も持ってないと思う。物部氏は自分でニギハヤヒの子孫だと思ってる。これに関しては私も別に自然な発想だと思う。忌部氏が信用できるわけじゃないし。物部氏の先祖は西から東へ行ってヤマトの支配者になったと。だからニギハヤヒも東征をしたとなる。

　じゃ集めたメンバーは？これに関して尾張氏の東征のパクリじゃないか？と言われている。ホアカリ繋がりなので全く問題が無い。

　ホアカリってじゃ何？ここで、当時多くの人たちがより天皇家に近い系図にしてくれるように要請を藤原氏に送っていた。ホアカリは近畿ではニギハヤヒの様な人物だった可能性と、かつ本人の別名だった可能性がある。なら物部氏は捏造じゃないのでは？天照と繋げて残ってるものは無いんだ。

　ホアカリが東へ向かった伝承はおそらく無い。だが尾張氏は西から東に移住した。尾張氏はホアカリの子孫だと自分で思ってる。それを天皇家がならホアカリは天孫だと捏造した可能性がある。これは良くある手法で、シヴァの別の姿が仏陀だと言う言い回しがある。過去の人気のあるものをどんどん神話体系に取り込んでいくというのは昔から良くある神話の手法。

　尾張氏はホアカリが天孫か？なんて知らない。でも天皇家が勝手に入れてくれるなら多分文句を言わない。かつ天武天皇がお世話になった分家の海部氏への論功行賞にもなっている。とても合理的なＷＩＮＷＩＮがここにあったと見ている。

　じゃすべて信用できないじゃないか？そうでもないニギハヤヒが問題なんだ。そしてそれに繋がるホアカリも散々問題の人物として扱われている。ホアカリのエピソードは何も無い。紀記におけるニギハヤヒの胡散臭さも相当だが、ホアカリの胡散臭さもさらに相当なもの。

　物部氏が大和の支配者だったのは間違いないと思うし、河内に大きな勢力があったのも事実。

　だがニギハヤヒが出雲なのか？天孫なのか？の前に、そもそもニギハヤヒって何者なんだ？と全く分からない。それを証明する人物は物部氏しかいないんだ。だがこの人物が架空のでっち上げじゃないのは事実。何故なら天皇家はこのニギハヤヒ人気をぱくったんだ。アマテラス大神とはなんだ？

　ホアカリの母親の天照だとなる。実に巧妙じゃないか。ニギハヤヒと言わずに別名のホアカリというやや微妙な線でそれと匂わせて、天照の母親として位置づければヤマトで人気のある太陽神のさらに起源を作ってしまったとなる。良く天照の男神は問題になるんじゃないか？といわれてるが、私これ天皇家わざとやってると思う。

　そのための神話になる。天皇家は天照大御神がニギハヤヒの母親だとははっきり書いてない。ホアカリの祖母だと書いてる。そしてニギハヤヒの天孫降臨になる。

　大国主とニギハヤヒの立場は全く違う。大国主は明確に国津神と明記されてるが、ニギハヤヒは古事記では天神として天孫（ホアカリは天孫）だとは明確にしてないが、藤原の祖先神と同格の天津神扱いにしている。それもすべて東征神話があるからになる。一見神武の前に支配者が居るのはマイナスイメージがある。

　だが同じ天津神のメンバーなら特に問題が無いし、かつ古事記は同行者まで地位を変えている。

　おそらくニギハヤヒは近畿の人なら誰もが知ってる過去の支配者であり太陽神なんだと思う。だがその統治を明確に出来るものは多分無い。下手したらその規模すら胡散臭い。

　ニギハヤヒが何者だったのか？で出雲系だったのかもしれないが、当時から多分よー分からん過去の支配者となっていたとすると、今となっては分かるはずも無い。物部氏の前にヤマトに支配者が居たのかもしれないし、その人物が出雲系だったのかも？しらないが、それは今となってはどうでも良い。

　何故なら天皇家がヤマトに来た時の支配者は物部氏だったと見てて、これが確定してたらそんな過去の話しは無視して良い。

　気になる人は探っても良いと思うが、それが物部氏と繋がってない限りはかなりどうでも良い人物。

　ただ重要なのはこれで天照の謎が解けた。何故天皇家はニギハヤヒを堂々と記録に載せたか？で逆にその権威をホアカリという別名を匂わせることで利用した可能性がある。

　天皇家が北九州から動いてないなら、過去の火山について拡散した人たちを知ってるかもしれない。ホアカリを組み入れることに抵抗が無かったのはそれがあると見ている。ある意味ユダヤの失われた支族と似ている。当事者で宮崎に逃れたのなら当然知ってるだろう。

　天孫族の基本はやはり北九州の東への移住があったなら、その時期の文化とそれに絡んだ血だと思う。その候補として北方の扶余系にあたる金属加工集団じゃないか？と見てる。

　ちなみに私の知る限り忌部氏と物部氏の子孫のハプロは違う。ただ、この両方とも部民という中央で働いていた氏族とは違う集団が、名前だけ受け継いでる可能性がある。その点、早くに分かれた穂積氏の方が良いと思う。

　後は忌部氏はあてになると思う。おそらくＯ１Ｂ２だと思う。文句なしに織田家にとって欲しい。どうやら平家養子説は信長のでっち上げらしい。祭祀集団の面から藤原氏と似てると見てる。ただ物部氏と似てるのは、これと職業集団が絡んでるのがキーかと。だがそうなると南方より北方系になる。

　扶余＝Ｃ２Ｃ１は支配階級に多いんじゃないか？と思う。他ならＯ２系だが、この辺り難しい、布がとても関係してるのだが、麻と言えば縄文の流れになる。秦氏と仲が良かったのは絹で合体した気がする。古い流れと関係してるって点が、山東省系の中国人じゃなくて、殷の東夷系の気もしてしまう。