完全独裁世界
第3新人類、カンガルー人間ピョンス。
特技、ボクシング。高跳び。
性格は、根はマジメの気分屋。
そして職業。
ピョンスは、法におもいっきり反する、戦争屋と呼ばれるテロリストに近いものだった。
しかし、あくまで正義のテロリスト。
「そろそろか。」
全世界同時刻生放送の、
世界会議の始まる時間。
視聴率99%。
ピョンスもテレビの前でリンゴをかじりなからその時を待っていた。
中継が始まる。
各国から集結する大統領、国王のみによる会議。
月に1度行われる今回の議題は、
『法の改定』
続々と各国の代表がテレビの前に姿を表す。
まず現れたのは、まさに百獣の王。
百獣帝国皇帝、ライオネル3世。
強権を奮う世界のNo.、、、2。
次に世界No.3、
最大最強の空軍、wingを所有する
鳥人間の国、バード連邦から、バード首相が姿を表す。
そして海軍、shark所有の魚人王国、
代表ホージロ王。世界No.4。
この世界Noの順位が意味するものは、
世界の領土の広さ。
今の世界に、アメリカや中国、日本などといった名前をもつ国は存在しない。
種族で国が別れた、アニマルワールド。
百獣帝国にはトラやライオンといった、肉食系の第3新人類しかいない。
同じく、バード連邦には翼を持つ鳥人間しか、
魚人王国には、魚の生態を持つ人間しかいない。
そして続々と集まる猫や犬、馬や羊の第3新人類、国の代表たち。
会議は定刻を持って全世界に放送、開始された。
会議を進行するは、広域領土世界No.7、
犬の国、ドッグレベラーの代表ワンダフル大統領。
「えー。第96回世界会議。今回の議題は法の改定。
詳しい改定法案は、、、
分かりません。」
「は?なんだ分かりませんっ、て?
忙しい中来てんだぞ、早く進めろ!!」
肉食系ライオネル3世のいきなりの怒声。
「会議の議題も直前まで知らされない、こんな会議がまかり通ること自体横暴だ!!廃止すべきだ!!」
「そうだそうだ!!」
「ぎゃーぎゃーうるせーよ草食弱小国が。」
「やめろ。戦争の火種作りにきたのか」
まあ、ひとたび顔を合わせれば、喧嘩しかしない各国の代表たち。
ライオネル3世、バード首相、ホージロ王が強大な権力を奮う。
その三つ巴に領土を占領された国も多い。
ワンダフルがゴチャゴチャ喧嘩し始めた会議を一喝する。
「お着きになりました。
ホーネット皇帝こちらへどうぞ。」
一瞬で会議場も、放送を見ている全世界の人間もピリッとする。
「寝坊した。申し訳ない」
人工1000人に満たない国、
かつ、世界No.1の広域領土を保有する、
ビースト帝国代表、ホーネットが姿を表した。
実質、世界を完全に支配している、最強の帝国。
世界の法を破り誕生し、第4新人類と自ら名乗る人間たちの国。
圧倒的な力で領土を制圧し、怪物進化とも呼ばれるハチ人間率いるビースト帝国。
近代的な技術で違法にも手術を行い、
虫の生態を取り入れることに成功した進化系人間。
ハチの生態を取り入れた人間一人で、
1つの国を滅ぼす力を持つ。
人口最小にして最強、最広の領土を得たビースト王国にどの国も太刀打ちはできない。
No.1、No.2、No.3を誇っていた、
百獣帝国、バード連邦、魚人王国を僅か半年で瓦解させた脅威の国なのだ。
法を破ろうとも強い国が最大の権力を持つ。
遅れてきたのに偉そうに話を始める、
ハチ人間ホーネット。
「とりあえず、長きに渡り禁止してきたEVO手術を本日を持って解禁する」
「あ!!?」