evolution
ピぃョ~~~ン
ピいヨーーーン
ピョオオオオン!!
今日も元気に跳ね回るカンガルー、、、
人間。
名はピョンス。
歳は18。
お腹に、ドラえ◯んのように、色々なものを仕込んだ袋を持ち、
跳躍力は世界随一。
2回言うけど、人間。
カンガルー人間の物語。
ピョンスの物語はいっとき後にして、
これまでの歴史をおさらいする。
2050年。
医学者、ナッポー・パイペンが、
これまでの医学の歴史を覆す、
世界を震撼させる手術を考案した。
生まれ持って耳の聞こえない少女に、
優れた聴覚を持つ猫の耳を!移植することを試み、
動物の生態を人間に取り入れる、
前代未聞の手術を行う。
当然、世界中から賛否両論の意見が出されつつも、
強引に手術をし、
結果は無事成功した。
人類史上初めて、
コスプレでもなく、猫の耳を頭に纏った、
猫耳人間はこうして誕生した。
耳の聞こえなかった少女に、
音を、声を響かせたこの手術は、全世界に感動を与えた。
反対派の意見も180度覆り、この手術は世界中から支持を集めることになった。
後に、進化を語源としたEVO手術として、
歴史に名を残す。
EVOは、時代が進むにつれて、
技術も安全性も大きく向上し、
ありとあらゆる動物の生態を、人間に取り入れるようになった。
それから50年後。
もはや、動物の生態を持たない人間は、
旧人類とまで言われる程、
EVOによって進化した人間の総数は、
世界人口の過半数に達していた。
旧人類。
そしてEVOによって進化した、
新人類。
二種類の人間が共存する世界。
そこから、カンガルー人間ピョンスの物語がスタートするのは、
もうちょっと歴史を勉強してからのこと。