表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

当直開始

8月下旬になると、俺が当直の日がやってきた。

つまり、学校に泊りこんで、雑務を行うと言うことだ。


「これが、学校の正門のカギ。で、これが、教室のマスターキー。校長室には、緊急事態以外入らないように」

教頭先生が、俺に職員室でいろいろと教えてくれる。

「緊急事態とは何ですか」

「誰かが銃を乱射しながら学校に入ってきたような場合だ。その時には、校長室に入ってもよろしい。だが、それ以外の場合は、守衛に告げなさい。このトランシーバーを使えば、すぐにつながる」

「分かりました。それで、見回りは1時間に1回でいいんですね」

「そうだ。それ以上でもそれ以下でもいけない。とはいっても、ここじゃめったに犯罪は起きないがね」

「そうなんですか」

マスターキーを受け取りながら、俺は教頭先生にいう。

「それも、この土地の治安がいいっていうことですね」

「そういうことになるかな」

そう言いながらも、教頭先生はなにかそわそわしているように見えた。

「今日は、なにかあるのですか」

「いや、娘の誕生日でな。今日で16歳になるんだ。ただ、今は留学していてアメリカにいる」

「そうなんですか、おめでとうございます」

「ああ、ありがとう。では、そういうことだから」

教頭先生が職員室から出て言ってしまうと、残されたのは、俺だけになった。

実際には、正門には常時守衛さんがいるのだが、学校の建物の中には入って来ない。

校長先生は、最初に出会ったきり、顔も見ていない。

なにはともあれ、こうして俺の長い夜は始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ