世界の謎
「この世界、あなたはどう思いますか」
校長が俺に話しかける。
「どうと言われたら、死後の世界、とかでしょうか」
校長はほほえみつつ、俺に答えてくれた。
「それは違いますね。あなたはまだ死んでいない。でも、死にかかっています」
そう言われても実感は皆無だ。
なにせ、こうして息をして、動いているのだから。
「死にかかっているというのは、あなたの本当の体は、病院で眠っているということです」
「ちょっと待ってください、どういうことですか」
昏睡状態か何かは知らないが、病院で眠っている可能性を考えなかったわけではない。
だが、ズバリ言われると、どうも腑に落ちない。
「この世界は、この町のみで完結しています。この町は、死ぬかどうかを決めるための町です」
全く理解できない。
「簡単に言えば、昏睡している人が、それと気づかないように生活をするための場所、ということです。私たちは、この街全体をコントロールしている特別委員会。神が指示を私たちに与え、その指示通りにこの町の人を動かします。職業、生活、行動、そして生死に至るまで」
「つまり、この町は偽物ということですか」
「何を偽物というかによるでしょう。例えば、先生が夢を現実だと思えば、それは紛うこと無き現実。現実と夢なんて、単にこちらとあちらという組分けにすぎないんですよ」
校長は、頬杖をつきつつ、俺をにっこりとほほ笑みつつ見つめていた。




